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第八十四話 初キバン市のダンジョン

僕達は今、ダンジョンの前にいる。

今は朝方だが冒険者や訓練に出る騎士か、大勢の戦闘が出来そうな人がダンジョンに入っていく。

他にも見るからに冒険者ではない子供まで入っていく。


僕達もそれに続きたかったが、先ずは転移陣など一瞬で戻ってこられる、移動できる装置があるか確認だ。



冒険者ギルドが運営しているだろう、ダンジョン案内所によった。


そこで確認出来たのが、転移陣はあるが脱出のみで、再度挑戦するときは一階から始めなければいけないそうだ。

だからこそ食料と依頼達成品の厳選、自分達の強さが試されるようだ。


僕達はダンジョン案内所から離れ、転移の魔法はどうなのか話し合ったが、結局は試してみる事になった。



……

……



ダンジョンに入る列が短くなるのが早い。

どんどんダンジョンに人が入っていく。

そして僕達の順番が来たが、何か謎装置に冒険者プレートをタッチさせると、登録が終わったようだ。

これは他のギルドや身分証明のプレートでも良いらしい。



入る前に何かあるかと構えたが、拍子抜けだ。

だが今日はダンジョンの雰囲気を楽しもう。ただ一つだけ……同じ人間からの悪意には気を付けよう。ここに来るまでに僕達を嫌らしい目で見ている人もいたから……



……



そして入りましたダンジョン一階!

ここはまだ人が多く確認できる。

クロウも「我がこの階で感じるのは、魔物よりも人間が多いよ! 子供? 小さな気配も多いよ!」と言った。



……子供か……前世でも生きるためにダンジョンの浅い階で素材を回収していた子もいたな……

後はポーターか? 僅かな見返りのために、魔物がいる危険な所に入る……



うん、子供がピンチの時は助けよう!

僕はクロウに危ない子の気配があった場合は教えてほしいと伝えた。サクラとソフィアにも僕の考えを伝えて了承を得た。



……

……


雰囲気を確認しているとダンジョン一階だが、魔物が……何だよノンフライバードって……そのままニワトリじゃないか!

確かに魔物となってるが、これは初めて見た。他にもこれよりちょっと強いソフトタートル……柔らかい亀か! 大きいから肉がとれるのか!

はーーちょっとビックリだよ! このダンジョンは貧しい人を助けてくれるのか!



……



驚きながらも先に進んだが、クロウからもピンチな子供はいないと教えられた。


この階では僕達はやることがないと思い、クロウの案内で二階に進んだ。


……


二階はネズミの魔物やビックノンフライバード、ウサギの魔物などで、まだ倒しやすい魔物が出現する階だ。

ここも僕達には用事がないので、次に進む。

少しばかり一階より広くなっているが、クロウのマッピングで迷うことなく先に進む。


……


三階は狼の魔物や猪の魔物、何故か豚の魔物までいた。猪と豚の魔物が同じ所に出現するため、少し頭が混乱したが先に進んだ。

この階辺りからは難易度が少し上がっているようで、子供の数が少なくなっている。



……


まーー四階までやって来た。ここにはとうとうゴブリンが出現した。ステータスで言うと百くらいだから、流石に子供の気配はない。クロウが言うには「大人も苦戦している人がいるよ!」と、急に難易度が上がりすぎだろう……


まーー僕達には関係ないから先へと進む。

しかしさっきから僕達をつけている人の気配が邪魔くさい。


四階に上ってすぐに僕達をつけ始めた五人の人間の気配……

まーー誰もだ予想するあれだろうな。


この階からは本当であれば僕達のような年齢の人は先に進めないだろう。

初めてこの階に入る子供は戸惑うだろう。


それを狙う卑劣な人……

大嫌いだ!



僕達はこのつけている人を引き連れながら先に進む。途中で出会うゴブリンは何とか倒せた風に見せる。


……


ゴブリンを何度か倒したあと、休憩するようにしゃがみこんでいると、とうとう僕達をつけてきた人が声をかけてきた。



「おいおいこんな所まで迷い混んじゃったのか? 大丈夫か君達。ゴブリンはようやく撃退していたようだけど、俺達と一緒にダンジョンを出ないか?」


「そうよ、私達はあなた達みたいに迷いこんだ子供を保護しているのよ。……さあ、あっちに帰還陣があるから、一緒に行きましょ」



んーーどっちだ?

声をかけてきた人は強面ではないけど……

後ろにいる人は大きな袋を持ってるし……

帰還陣?から出たときは誰もいないんだろうか?



「僕達なら大丈夫ですよ。ゴブリン程度なら倒せますし、帰還陣までも行けますよ。……であなた方は誰ですか?」



……

……


やや緊張感が走る。


「んーー、あーー、そこまで警戒しないでくれよ。俺達は怪しいものではないよ。人攫いでもないから……」


「そうよ、流石に悲しいわよ……私達ってそんなに怖いかしら?」



……



「そう言って……実は?」

「私達を拐う?」

「「人攫い!」」



「「ちがーーう、違うよ!」」

「俺達は本当に人攫いではないよ。俺達は【弱者救済】と言う冒険者パーティーだよ!」



弱者救済……信じたら良いのか?……突っ込んだら良いのか?……威嚇した方が良いのか?


判断に困る集団に出会ってしまった。


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