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第七十九話 ファンフート王国での後始末と旅立ち

僕達は数日してプッチモ王子と共に王都に帰還した。

ホワイティアはしばらくハルーシア領の冒険者ギルドの立て直しのため、今まで居たところへの帰還は後回しにし、自分が満足するまで活動してから戻ると言うことだった。だから帰りは自分で帰るそうだ。



……

……


今回の僕達の働きは大きく、冒険者ランクはBまで上がった。これは依頼達成の種類が規定数に達し、試験はハルーシア侯爵の軍勢をみんなの目の前で無力化したことによる。



ファンフート王国からは爵位を準男爵まで上げられた事と、褒賞金が得られた。これで手持ちの資金は十分すぎるほど確保した。



他にはアルスとデルタについてだが、クロウが王都に帰ってから仕上げとして訓練した。

僕達もサーマンに頼んで仲間になってくれる人がいないか探してもらった。


すると僕達がファンフート王国から褒賞金を貰ったあたりで一つのパーティーに加入することが出来た。

そこのパーティーはハルーシア領で真面目に冒険者活動をして、不利益を被ってきたパーティーだった。だから王都にようやく拠点を移し、前衛を募集していたようだ。サーマンが丁度良いタイミングで声をかけてくれた。ありがとうサーマン! あとでお礼に何かをあげよう。



拠点も折角改造したが、戻ってきても定住はしないと思うので、プッチモ王子に返却した。

プッチモ王子はそのまま僕達の物として良いと言ったが、「じゃあプッチモ王子が使ってよ。」と返事をしておいた。

プッチモ王子の別宅としてでも活用してもらおう。



……

……


短い期間だが長く感じたファンフート王国だったがまーー楽しかったかな……だけどガイブンでケチがついたな……。

今まで体験したことのなかった事も体験は出来たけど……



僕はサクラと相談してファンフート王国で知り合いになった人に別れを告げて歩いた。

プッチモ王子だけには、「ファンフート王国が本当にピンチの時だけ使ってよ」と遠距離通話の魔道具を作成し渡しておいた。

サーマンやアルス、デルタには一ランク上の武器を選別とした。



でも……本当はもっといたかったし、もっと色んな会話をして立ち去りたかった。だけど口を開くと後悔、迷いなどの感情を出しそうだったから、サクラにだけ慰めてもらった。



それから……ファンフートと言う名の王国が今後も続いていくことを願う。



……

……



こうしてなるべく簡単に別れを告げて僕達は国境を目指した。

ハルーシア侯爵と共謀しようとした国に今はいきたくない。

だから北西にあるアルグリアン王国を目指している。


ムカデ型馬車は快適だが目立つため、ミスリルゴーレム馬に乗り移動している。

僕達は移動だけなら荷物の問題もないし、サクラとイチャイチャ出来るからこれで良かった。


夜も快適なテントがあるし、順調な旅だ。


時々珍しい素材を回収しながら進む。


……

……


時々すれ違う商人や冒険者が僕達のミスリルゴーレム馬に驚き、その数が増えてきた頃……ようやくファンフート王国とアルグリアン王国の国境が見えてきた。



そして国境を超えようとする人達の列に並び、周りから聞こえてくる話に耳を傾けた。


「おいおいあの馬はなんだ? あれは……ミスリル? 何だあれ?」

あーーこれは僕達の事だろうな、こんな事でなくアルグリアン王国の情報が知りたいな。


「あなたは何を売るんですか? 私は回復薬を中心に仕入れて来ましたよ」

「あーーいつもお世話になってます。我が商会では質の良い武具ですね。何でもダンジョンの最高到達階層が更新されて、情報が売りに出ましたからね。低ランク冒険者相手へ薄利多売するよりも稼げそうですからね」

「はははっはーー、お互い考えている客層は同じですな!」

「まったくですな!」

と笑っている商人がいる。



「お前らパーティーは拠点を変えるのか?」

「ああお前らかーー。あーー俺達の拠点だったハルーシア領がな……」

「おうそうだったな……だがアルグリアン王国で何をするんだ?」

「何かダンジョンもあるみたいだが、国内の魔物が全体的に増えてるらしいからな。だから魔物相手に頑張るかとな……」

「あーーお前らパーティーは戦闘力が高いからな! まーー頑張れよ!」

「ありがとよ! それでお前らは何をするんだ?」

「俺達はダンジョンだぜ! こいつがパーティーに加入したから、斥候役が出来てな! ダンジョンも経験者だって言うしな!」



へーーアルグリアン王国はダンジョンが有るのか。それに魔物が増えている……これは何かの兆候か?



「おい、アルグリアン王国の国王がバイアント王国との国境付近に兵を集めているって?」

「ああ……バイアント王国はファンフート王国にも何かをしようとしたらしいからな。この前解決されたが……」



「オークションの噂を聞きましたか?」

「ええ、何でもあの……」


あーーあのの後が聞こえなかった!



だけど何か面白そうな情報はいくつかあったな。

ダンジョン……この世界にもダンジョンがあるか。だけどどれくらいの数なんだろう。攻略方法とか、コアはどうだろう?


魔物が全体的に増えてる。これも要確認だな。


オークションか……この世界の珍しい物でも確認しておくか。



サクラとクロウも何か聞き耳を立てているが、国境を過ぎたら行動計画かな?


まーー最後は適当になるんだろうけど!


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