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第四十五話 騎士見習い達の実力

「せっ!!」

と男リーダーが斬りかかってきた。

歳のわりには鋭い斬り込みだ!

だが僕は余裕をもって避ける。


何度も斬り込んで来るが何度も避ける。

避けまくっているうちにサクラは戦いが終了したようだ。

女グループは冒険者で考えると、才能がありそうな人が今でCランクくらいかな。

平均すると、流石に同じくらいの歳の冒険者よりは強いかな。


目の前の男リーダーもCランクくらいはあるかな?

って僕達もCランク! 同じランクに上から目線だね!



と考え事は止めておいて、そろそろ体力的に限界か? 全力で斬り込んできて、全く当たらないのは、意外に疲れるしね。



「よし、じゃあこの攻撃を受け止めてね!」


僕は剣を折るように攻撃する。素材は同じ剣なので、実力差を知らしめるには丁度良いだろう。



男リーダーの攻撃をもう一度避けて、剣を振るう!



ポキッ!



簡単に剣が折れ、この戦闘を続けられない程度には心も折れたのだろう。

「参りました……」

と息切れしながら頭を下げた。



「……さす……がに……当たりも……しませんか……」



膝に手を当て頭が下がっている。

大分疲れたな。


「これでも鍛えてるからね。プッチモ王子に鍛えてって言われて、君達と同じような実力じゃあ不味いでしょ。さあ、残りの人の実力も確認しようか?」





僕の言葉の後には順番に男グループが攻撃を仕掛けてきた。

順番を守り一人一人と戦う。



この中ではやはり男リーダーが一番実力があるかな。

騎士見習いだけあって、鍛えられてはいるね。

あとでサクラやクロウと話をして、騎士見習いの教育方針を考えよう。



僕がそうやって考え事をしているところに、サクラやクロウ、プッチモ王子が側に移動して来た。


「やっぱり強いな君たちは! 次は俺とやるぞ! 流石に俺は見習い達よりは強いからな!」



「私達から見たら、そんなに変わらないわよ!」



「……まーーそう言うなって! サクラと比べたら弱いが、普通の人間の中でなら強いぞ! 君達は人間族の進化種だろ? 大きな声では聞かないが」


十分大きい声だよ!



「そこは……一応言っておきますけど……人族? ですよ」

小声で答えておいた。一応?でも人族表示だし……



「なんと! ではまだ強くなるのか!」



ん? 初めから進化種と表れるのではなく、魔物と一緒で進化して始めて表示されるのか?



「そもそも進化種って何?」



「人間族の進化は、条件はハッキリしないが、何かのきっかけで進化するのだ。まーいきなり強くなったと思ったら、ステータスに表示されているんだ。あとは、弱かった者が何かのきっかけで化けた場合も同じだな。ごく稀に英雄と呼ばれる人間が出現するが、その者達は初めから進化種として産まれるようだ」



「ふーん。何となく勉強になったよ。その知識はなかった。じゃあ、Sランク冒険者は進化種が多いの?」



「そうだな。Sランクになるような冒険者は進化する可能性があるな。そして進化した場合は、ドラゴンを一人で討伐出きるほどに強いぞ。今はファンフート王国に数人程度はいたはずだ。……だが騎士も負けてはいないぞ! 国境に位置する町や都市にいる騎士には、進化種に至った者もいるぞ!」


プッチモ王子は後半は大きな声で話した。

前半の話の内容は騎士見習いには聞こえなかったようだが、後半のプッチモ王子の話で騎士見習いも盛り上がり始めた。



「一度は会ってみたいね。他にファンフート王国で強い者は誰?」



プッチモ王子が少し考えたようだが、話し始めた。


「学園長は強いな……んーーあとは……ホワイティアも強いぞ! 彼女はエルフだから、人間の進化種とは違うが……」


へーーホワイティアも強いんだ!

統括する役目だから前線には出なかったけど、一度は見てみたいな戦っている姿を。



「ありがとう色々と教えてもらって……じゃあ殺る?」



「おい! 何か不吉な殺る……だったように聞こえたぞ! 俺が殺られたら君達は王国に追われるだろ! 模擬戦だよ!」



「ゴメンゴメン……じゃあ僕達は三人で攻撃しても……」

「ダメに決まってるだろ! ラウール一人だけで相手をしてくれ!」



「わかってますよーー。ちなみにプッチモ王子は僕達から何を習いたいですか? 武器による戦闘? 素手? 魔法?」



プッチモ王子は考えている。



「……どれかと言うと、全部かな? だが、魔法は苦手だから、もう少し魔法が上手く使えるようになりたい。……これでも宮廷魔法使いには師事したが、大剣を使った攻撃ほどは強くないな。……だけどそうなるとサクラと戦った方が良いのか?」



「いえ、僕達はどれでも同じくらいの強さなので、僕でもいけますよ。……だけど才能はサクラか? んーークロウが一番か? いや、僕くらいが一番良いですね。手加減の意味では……」



「私だって手加減くらい出来るわよラウール!」

「我だって死ぬギリギリで止められるよ!」

「いや! 私の方がギリギリを攻められるわよ! 死ぬ一歩前で!」

「我なんて死ぬ直前で止められるよ!」



…………



「プッチモ王子……こんなことを言っていますけど……」



……



「さあ! ラウールやるぞ!」


プッチモ王子は僕に向かって大剣を構えた。


「じゃあ出来るだけ魔法で攻撃するので、やられて嫌だったことを次から練習しましょう! 僕なら上手く当てないようにしますからねーー」



なかなか話が進まなかったが、ようやくプッチモ王子との模擬戦が始まった……



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