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第四十四話 騎士見習い達と

僕達は今日も王宮に行ったが、門に立つ騎士に声をかけて身分を証明すると、伝言があった。

今日の王子は仕事も殆んどなく、王城の外の演習場で鍛えてほしいとの事だった。


だから僕達は王宮から近いところにある演習場に向かった。



演習場に着くと、僕達は入場手続きを済ませて中に入る。


演習場にはプッチモ王子の他に、第何かわからないが、騎士団らしき集団も待っていた。



「よう! おはようラウール。今日は俺の戦闘力を確認して、どこを鍛えたら良いのか教えてくれ。あと、後ろに控えている騎士団も一緒に攻めても良いだろ? とりあえず学園を卒業し、若いが強い奴らを選ばせた。頼むぜ!」



……おおよそ百人の騎士か?

……新手のいじめか……

って余裕だけど、若手の騎士で僕達を見たことがないなら、反発もあるのでは?


プッチモ王子が抑え込んでいるのか?



「プッチモ王子……若手の騎士は納得しているの? 見た目は……僕達は騎士より年下だけど、素直に教わることが出来る?」



プッチモ王子は一瞬考え、先頭にいる若手のリーダーらしき騎士に声をかけた。

そしてその騎士が答えた。



「ハッキリ言うと噂だけでは信用できない。プッチモ王子に対しても不敬かもしれないが、戦って実力を知りたい。私より強いと思えたら、戦いを教えてもらいたい!」



「うん、ハッキリ言うのは良いね。サクラも一度はぶつかる事で良いかな?」


「良いわよ……ただラウールには惚れないでね。私だけのものよ!」



そう……騎士のリーダーは女だった。

学園卒業生と言うと十代だろう。

髪を後ろへ一本に結わえた、爽やかな見た目だ。



「それを言うなら僕もだよ! サクラは僕のものだから、惚れないでね。あと、クロウも欲しくなってもあげないからね。僕達は家族だから……まーーそんなことはないよね!」



とちょっとだけ威圧も混ぜた。



「うむ、ラウール達が言いたいことはわかった。ではどうやる?」



「全員で一斉に戦うと実力がわからないから、僕達の誰かと一対一で戦う?……だけどクロウは小さいし……実力を計るには、僕とサクラで半分……僕に五十人、サクラに五十人に別れて、一対一で戦おう」



僕の提案にプッチモ王子が賛成し、二つの場所に別れることになった。


不測の事態にはクロウが対応する事になった。




僕のところには男が中心に五十人、サクラには女を中心に五十人、端数の人は適当に振り分けられた。


騎士団は重装備で任務に当たるのは、儀式や各種立番、町の警戒配備等であり、魔物討伐等は自分にあった装備をしている。

流石にステータスがある世界、重装備だけでは戦いは出来ないようだ。




僕の前には男のリーダーなのか、一人の男がま一歩前に出て話し始めた。



「よろしくお願いします。私はSランク冒険者との模擬戦を丁度先輩に連れられて見学していました。あなたの強さを肌で感じましたから……ご指導をよろしくお願いします!」



丁寧な対応だった……もっと俺はお前なんかに教えてもらうことはない! 何て言われると思ったんだけど……



「へーーそれは何人かあの場にいたってこと?」



「はい! 今王宮や王城に詰めていた騎士で、私のように先輩から教えを受けていたものはあの戦闘を拝見しました。ただ、この場にいる半数以上の騎士見習いは、あなた達の実力を侮っています。ですから一番先に私と、模擬戦を見ていなかったリーダーが戦いたいと思います!」



「思ってたよりは僕達の戦いを見ていたんだね。貴族だけかと思ってた」



「貴族が集まる場所には僕達のような騎士がいるんですよ。貴族が一人なら護衛で良いのでしょうが……。あなた方も貴族ですが、護衛はいらないようですから、想像できないでしょうが……」



「確かにね! 僕達は護衛がいた方が守る人が出来て、いらない苦労をするだろうね。まーー僕達くらいの爵位では護衛を雇う人もいないでしょうけど」



「いえ、武力以外で爵位を授かる方もいますから、あなた方と同じ爵位でも護衛を雇う方もおりますよ」



へーー、国からの援助もほとんどないのにね……って僕達だからこの扱いか……。まーー義務を少なくしてくれたと考えておくか。



「僕達より爵位が高かったり、親が爵位をもっている人もこの中にいるの?」



「勿論いますよ。この中では本人が爵位を授かったものは流石におりませんが、爵位を授かっている方の三男等がいますね。騎士として成果を上げて、あなた方と同じ爵位を授かることを目標にしていたりします」



「ふーん、手柄を上げるって事か。じゃあ、どこかの冒険者ギルドのギルマスみたいに、冒険者や騎士でも頑張ったら良いのか?」



「そうですね。冒険者ギルドのギルドマスターまでに至ると、拒否をしなければ一代限りですが男爵までは授かっていますね。領地は与えられませんが、貴族となります。ですから、国から依頼があった場合もいきなり拒否は出来ないはずです」



結構事情通な人物だな。

貴族の子か……聞かないけど。



「結構話していたから、後ろにいる見習い達もイライラしているかな? そろそろやろっか、あっちではもうサクラ無双が始まってるし……」



目の前の騎士見習い達は、イライラしているわけではない。

既に女グループは戦い始めており、一人一人と騎士見習いが倒れていく……

クロウが回復をして大怪我はないが、もうすぐ全員が倒される。

その光景を見て、挙動不審になっているだけだった。



「じゃあかかってきて」

と訓練が始まった。


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