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第三十話 魔物の襲来までに準備をしよう

冒険者ギルドから出た僕達は今、王都の外にいる。


今回の依頼は最前線に立つ事になるので、装備品は流石に今のままではいけないと考えた。


そこで装備を新調しようと皆に声をかけたらクロウが「我魔物の素材とか色々集めたよ!」と言い出した。

何でも夜に調査だけではなく、色々活動していたそうだ。


僕は気になって何処まで見てきたのか聞いたが「初めて見たり聞いたりするものは、自分で確かめた方が良いよ!」と言われ、内緒なそうだ。


だが素材はあるからと、自分達で作製するためにここにいる。



「クロウ……もっと聞きたいことはあるけど……。どんな素材がある?」



「我この世界も興味深くて、色々集めたよ! 我が使う物でないけどね! ラウールとサクラが上手く使ってよ!」


そう言ったクロウが有ると言った素材……。



ミスリル……

様々な魔石……

ゴブリンやオークの死体

ドラゴン……丸々一体……黒か……

アラクネラ……

ワイバーン……これも黒いな……

精霊石?

etc.




ん……クロウ……頑張ったね……



「はいっサクラ! 何を造ろうか!」



「ラウール……考えないことにしたわね……。は~、良いわよ、私も考えないわよ!」



サクラも考えるのを諦めてくれたな!



「ラウール、私はあなたが創造した黒い大鎌が欲しいわ! 前世で使っていたようなね!」



うん、トレードマークだね!



「あとはお揃いの黒いローブ、黒い上下の革の服! 前と一緒で全身黒よ!」



そうだったね、前世では地味な黒い【黒猫】最強! 困ったときは何処からか現れるって言われたね……。



「わかった! じゃあそれらから創るね!」


僕はクロウが用意してくれた、ミスリルとブラックドラゴンの素材を使った。


魔力を通して形成していく。


ローブはフード付きの一般的な形……

上着も一見Tシャツのような物……

ボトムスはスリムなパンツ……


革素材とは思えないような……普通の見た目だ……



何故こうなった……

最前線に立つ冒険者のように装備品を創ろうと、折角の時間を割いたのに……



結局は何処にでもいる、一般人みたいだ……



だが、今世の僕達は違う!

見た目がイケメン、美少女だ!

容姿でカバーしよう…………駄目だ……



そこで僕の武器だけでも気合いを入れて創る。


前世ででは刀を真似した武器を使っていた。

だが、今世はインパクトだ!


・・・・

・・・・



頑張って創造した武器は……







【鉤爪】



今世は僕が爪で攻撃しよう。

爪は三本で、一本が前腕程の長さがあり、特徴的な武器に仕上がった。



~~~~~



ロマンな装備を創る甘美な時間も終わり、もうすぐ魔物が襲来する日に近づいている。



王都の住民にもお触れがあり、魔物が迫る方向のクレイダの町の逆、コルビンの町のへ避難も開始されている。



地理的にようやく把握したが、王都を中心とイメージしてみる。


南西にはクレイダの町。

北東にはコルビンの町がある。

おおよそ馬車で一日から二日移動すると町がある。

領主は町を数ヵ所から数十ヶ所統治している。


クレイダの町側とコルビンの町を統治している領主は違う。


どちらが優秀かは一概に評価出来ないが、隣国に近い位置を統治する領主は優秀なそうだ。



これも何故かクロウ調べだが……



王都の回りの貴族が多少能力が劣っても、王都にいる法衣貴族がカバーしている。


これは近年王家が能力主義で人を採用して、歴史だけがあり能力が劣る貴族を支えるために苦心した結果である。



しかし、だからこそ能力がない貴族をそのままにしていたから起きた状況でもある。



クロウ調べでは、クレイダ伯爵がゴブリンを放置していたから今の状況になった。


放置していたクレイダ伯爵も悪いが、能力がないとわかっている貴族をそのままにしていた王家の責任もある。


だから、王家に同情の余地はないと……



お、おう……前世でもクロウは凄まじい能力を発揮していたけど、今世は問題点を的確に指摘するな……



「じゃあクロウ……オークはどうなの? 王都周辺で増殖を許しているから、国王が無能だったの?」



「違うよラウール……。オークはこのまま順調に討伐していたら、いなくなってたよ!」



「……どういうこと?」

ちょっと僕にはわからなかった。



「オークだけなら、騎士と冒険者が今のまま頑張ってたらいなくなったよ! だけど、ヤバイと思ったオークロードが移動して、ゴブリンロードのナワバリを侵そうとしたのがいけなかったんだよ!」



「……あ~! ゴブリンロードがいなければ、オークが移動しただけで、殲滅作戦でいなくなった! だけど、決闘して認め合い合流し、一大勢力になったから問題になった!」



「ラウール! 流石我の主!」



「ゴブリンの集団を殲滅していたら、ここまで大事にはなっていなかった。僕達が依頼達成して、その後の調査をキチンとしていたら、こんなことにはなっていなかった!」



「私もわかったわよ! あの後……私達が依頼を断って……危機的な状況だったのに、領主は動かなかった……。冒険者ギルドがどう判断したのかはわからないけど、そのまま放置されたのね!」



「流石我の主達、我の両親! バームクーヘンは頑張っていたけど、状況を打破するまではいかなかった!」



バームクーヘン?


…………甘い


……バムーンか!


「バムーンは力が及ばなかったんだね? 僕達もいなかったし、殲滅しきれなかった……。」



「そう、バームクーヘンが我達の為にも色々動いて、時間が足りなかった……」



あ~、僕達の為にも色々動いてくれたものね。

もっとゴブリン対策が出来ていたらね……



よし! これは頑張らないとね!

僕達の為に頑張ってくれた人が困る状況なら……


バムーンがギルマスを降ろされても嫌だしね!



ラウールは今回の依頼を軽く考えていたが、できる限りは頑張りたいと思った。


そしてクロウに言いたくなった……



名前を本当は覚えているだろ……と。

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