表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/167

第二十二話 貴族のお名前と合同依頼と

森の探索を終え僕達は、依頼達成の報告と副ギルがいないか確認するために、冒険者ギルドによった。



今は昼過ぎほどのためか、冒険者の姿は朝よりも少ない。


僕達が冒険者ギルド内を見渡してそんな感想を言っていると、副ギルがカウンターを離れてこちらに向かって来ていた。


「よう、一寸だけ時間をくれないか? あの話の途中経過を知らせたい」


副ギルがそう誘って来たので、僕達はギルドマスターの部屋で話し合うことになった。



「あの方と面会する日にちはまだ決まっていない。俺が事前に話をしてきたんだが、もう少し時間がかかるようだ」



クレイダの町の領主は伯爵で、領地を授けられている貴族だ。

そして僕達が面会し謝礼を受ける相手は貴族でも、領主の権力を牽制するには少し劣る貴族位だ。子爵として王都で王国の運営にも携わっている人物。その人物の父親が伯爵よりも高い地位にいるため、今回は恩を売った子爵を頼ろうとしている。



「そっか、仕方がないよね忙しいし。王国の運営に携わることが出来る人のだものね」



「そうだ。だからクロスロード・フィニアス様から連絡が来るまでもう少し待ってくれ」



「わかってるよ! 大人しくとは明言出来ないけど、ちゃんと待つよ。だけど、クロスロード・フィニアス様の子供は元気になったの?」



「元気とまではまだ回復していないが、病気は治ったと聞いている。後は体力が回復すると完全な健康体になるだろう」



「そっか。じゃあ僕達はまたオーク討伐の依頼でも受けて、呼び出しが来るまで待ってるよ」


そう僕が返事をすると副ギルが何か言いたそうにこちらを見ている。


「もう一つ恩を売っておく気はないか? もしかすると、更に他の貴族にも恩を売ることが出来るかも知れないぞ?」



副ギルの笑顔が怪しい。

何をさせたいんだ?



「受ける気持ちがあるのなら説明するぞ! ただ、聞いてから断られるのは困るから、一応返事が聞きたい。人を害する依頼ではないぞ。魔物を相手にする依頼だ!」



魔物ならいいかな~。

でもな~、無茶な依頼だったら嫌だしな~。


「ラウール? 迷ってるなら断ったら?」



「そうなんだけど、僕達が断ったらこの依頼がどうなるのかな」



「特にどうもならないぞ! ただ、もっと上のランクの冒険者に依頼するだけだ。だが、お前らの経験にもなるかと思ってな!」



「僕達の経験? 戦い以外の事なの?」



「お前らは戦うことになるだろうな!」



何だろう? 僕達が戦うとしたら護衛?

護衛だったら確かに僕達でなくてもいいよね。



「ラウールは何を迷ってるの? 私はラウールが決めたことになら従うし、敵がいたら殲滅するわよ! だからやりたいことをして」


「我もいるよ。ラウールが迷うなら止めたら?」



「いや、皆がいるから受けるよ! 僕達に話をしたってことは、副ギルは僕達に相応しい依頼だと思ったんでしょ?」



「そうだ! じゃあ説明するか?」



副ギルの言葉に肯定の返事をして説明を受けた。

何でも今回僕達が遭遇したオークは予想よりも多く、国と冒険者が合同で討伐に当たる計画が浮上した。


そのため事前に調査をするにあたり、騎士と合同で行うことになる。


そこで調査が上手い冒険者の数も多いわけでもないので、僕達にも参加して欲しいそうだ。

僕達が一日であれだけのオークを発見した事で、魔物を探知する能力が高いと判断された。


現状の情報だけで大事にして国を混乱させる訳にもいかず、先だってオークを軽く討伐できる僕達に集落でも発見して欲しい。


集落がなかった場合も、どの辺に多くオークがいるか調べて欲しいと言う依頼だ。



「今日、もう少し調べても良かったね……。だけど依頼として受けてから動いて正解なのかな? 報酬もあるだろうし」



「そうね! だけど副ギル? 私達を下に見ることのない騎士っているの? 副ギルもわかっていると思うけど、私達って切れやすいわよ?」



「そこは俺の調整力に期待してくれ! 俺も怖い思いはしたくないからな! 精一杯調整するぜ!」


副ギルは強く胸を叩いたが、僕達は少し不安だった。



副ギルとの話が終わり僕達は冒険者ギルドを出た。騎士との合同調査は明後日から行う予定との事だ。


ああやっていて副ギルは朝から貴族や騎士団と話し合いをもっていた。

何だかんだあったが、仕事は出来る男だったようだ。



僕達は調査依頼に備えて買い物をすることにした。サクラとデートがてら王都をブラブラする。



建ち並ぶ店も気になるが、フリーマーケットもやっているようで鑑定をしながら店を冷やかす。


掘り出し物がないか皆で様々な物を見て歩いた。


ちなみに鑑定は使えるものは少ないので、普通であれば掘り出し物は本人の力量、目利きで探すものだ。

おそらくフリーマーケット等で鑑定を使う者などほとんどいないと思う。


だから僕達は自分達で買える金額で掘り出し物を見つけた。


ラウール:刀(鉄九割+ミスリル一割)

サクラ:マント(ウィンドウルフの革)

クロウ:銀の指輪




あ……日本の文化だけど、サクラに指輪を贈っていない……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ