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第二十話 王都の危機?

「あー、んんって何だそれはお前らは! 聞きたいことが幾つもあるんだが……」



ん?

ちょっと討伐数が多すぎたか?



「一つ! その鳥は何だ? 何もない所からオークの耳を出さなかったか?」



あっ!



「二つ! 解体したんだったってどういうことだ? この耳の数のオークを全て解体し終わっているのか?」



いっ!



「三つ! お前らは何処まで行って幾ら倒したんだ? この数が王都の辺りを彷徨いてたのか? それじゃあ王都がヤバイじゃないか!?」



うっ!



「四つ! お前らは何者だ? これだけの数のオークを今日だけで倒したんなら、本当に見た目の年齢か? 他に手伝った奴がいるんじゃあないだろうな?」



え~、疑われてる?



「五つ! お願いだ! 答えられる範囲で答えてくれ! もし俺の予想が当たった場合は王都に危機が迫っている。その時にお前らの力を借りなければいけないだろう! 杞憂ならいいのだが……」



おー、お願いか~。五つも質問があるのかとビックリした。だけど答えられる範囲か~。



「じゃあ僕が代表して話をするね。一番始めにこの鳥と言われたクロウは魔物です。バムーンの所の冒険者ギルドで登録しようと思ったんだけど、鳥なら登録をしなくてもいいんじゃない? って受付で言われたんだよ」



副ギルはビックリした顔をしている。



「それでクロウは戦えるし探知が得意なんだよね。だからクロウから教えてもらった方向に進んでオークを倒してたんだよ!」



クロウを見ると「我凄いでしょ!」と副ギルに向かって話した。



「恐らくオークだけどもっといると思うよ。他の冒険者よりは遠くまで討伐に向かったと思うけど、王都からどっちに行ってもオークがいるって言ってたでしょ。たぶん副ギルが考えているより王都の危機だよ」



ちょっと顔をしかめた副ギルは「副ギルって……」と呼び方を気にしていた。



「今回は上位種は見かけなかったけど、目撃情報くらいあるんでしょ? ま~普通のオークだけど多少は僕達が狩ったから、少しの時間はオークも王都の近くには来ないんじゃあないかな?」



副ギルは「そうか、ん~じゃあ調査も必要か……。今調査が上手い奴は……」と独り言も聞かれているのも気にせず、考えながら僕の話を聞いている。



「あと話せることは~、僕達の戦闘方法かな? クロウがオークの耳を出した方法は秘密だし他言無用だよ! もし誰かに知られていたら今日よりも……」



それだけで副ギルは首を激しく縦に振った。



「僕達は何処で覚えたかは教えないけど、素手でも武器を使っても、魔法を唱えてでも戦えるよ。どのくらい使えるかは秘密だけど、戦えるとだけ教えておくよ」



副ギルは大きく頷いた。



「これくらいかな、いや解体とかも僕達の秘密だから詳しくは教えられないね。あとは年齢は十二歳だよ、ピッチピチのね」



僕が話し終わるとしばらくの間静かになった。サクラとクロウも特に何も言う気は無いらしい。

副ギルは同じ姿勢のまま考え事をしているようだ。



しばらくは僕達もそのまま副ギルの部屋を見渡していたが、珍しそうな物があっても鑑定で調べることはできるが触れられない。ようは飽きてきてしまった。



「じゃあ僕達にこれ以上用事が無いのなら帰るね。報酬は冒険者ギルドでオークの右耳の数を数えて僕の冒険者プレートに振り込んでおいて」



そう僕が帰ろうとすると副ギルが話し出した。



「俺を副ギルと呼ぶのはま~良い。俺も名乗っていなかったからな。だが確認したいことがある。お前らは王都に危機が訪れたときには力を貸してくれるのか? オーク討伐も凄まじい成果だが、あの魔力はSランクにも届くだろう。お前は魔力を繊細にコントロールしていたよな? 頼む、何かあった場合は力を……」



「うん、僕達が王都にいる場合は力は貸すよ。僕達が出来る範囲でだけどね。ただ、用事が済んだ後まで王都に居るかはわからないけどね」



「それは…………そうだな。お前らはまだEランクの冒険者だしな。俺だけの権限でランクアップも出来ないし、実力はあると感じているが戦っている姿も見たことが無いからな……。うん、王都にいる場合は頼んだ」



その言葉を聞き僕達は気配を消して冒険者ギルドから出た。流石に姿を見せたままあの現場に現れるのは、今日だけは不味いだろう。



~~~~~



ラウール達が立ち去ったあと、副ギルドマスターは考えていた。


あのお方に一度相談するべきだろうか。あいつら、いやラウール達があの方と会ってしまうと王都から居なくなるかもしれない。

だがこれから本当にオークが王都に攻めてきたらどうする? 数にもよるが多大な犠牲を払わなければいけなくなるぞ。


俺が感じたあの魔力は……恐らく今までで一番強いものだった。王都の冒険者ギルドで副ギルドマスターをしていると化け物みたいな冒険者と会うこともある。だから見る目は持っていると自負している。その俺の勘がラウール達は強いと教えてくれる。


Sランク以上の冒険者はある意味全員化け物じみた戦闘力を持っているが、あいつらはきっと……



おし、あいつらにはバレないように俺が動こう。バレたときに他の奴らでは責任もとれん。攻撃されたとしても、俺なら一発くらいは耐えられるだろう……耐えられるよね? あの魔力は無理か?



手始めにあの方に報告だな。いくら良い貴族とは言え借りはあまり作りたくないものだな。



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