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第十八話 紹介された依頼

僕達は副ギルドマスターとまだ話をしている。「ちょっと待ってな!」といい笑顔で席を外し直ぐに戻ってきた。



そこで紹介された依頼が【オークが大量発生している。討伐した数が増えるほど報酬も良くなっていくぜ! これで君もオークバスターだ! 依頼快諾者を待っている。依頼者 ファンフートの冒険者ギルドの副ギルドマスターだぜ!】だった。



・・・

・・・


「じゃあ用事が済んだので帰りますね。一応昼前に毎日一度は冒険者ギルドに顔を出しますから、僕達の出番になったら声をかけてくださいね。それでは副ギルドマスター様、ごきげんよう~」



・・・

・・・


僕は失敗したようだ。


カウンターを越えて副ギルドマスターが回り込んでいる。


どうする?



逃げる

逃げる

逃げる

戦う

倒しきる←



「しゃー! 来い!」

僕は柄にもなく手の甲を下にしてクイックイッと手招きした。



「僕がお前を越えていく! 今僕ができる最大の攻撃で! お前を倒す!」



・・・・

・・・・


ぺし



・・・

・・!


「ラウール・・・。流石にそれは似合わないわ。それに、その意気込みで魔法でも使ってみなさい…………この国いえ……私達が知らない国まで滅ぶわよ!」


・・・・

・・・・


何だろうこの沈黙は?


「やるなやるなは、殺れと?」





「誰をよ!」


スパーン!


綺麗な音が響く。

サクラに叩かれた?



「父様は打つ前に言葉で教えてくれたのに~!」




と僕達は何をしているんだろう?


目的を忘れた。



「じゃあサクラ、帰ろっか!」


「うん! 宿を探そ!」

ぽっ!


サクラの頬が赤く染まる。



僕も同じかな~?








「おーい! おい! 戻ってきてくれ! 頼む! 俺の話も聞いてくれ~!」



副ギルドマスターの声が木霊した。


~~~~~


何だかんだ言っても僕達は待っている間の時間に何か依頼は受けてもいいと思っていたので、オークを倒す依頼は受けることにした。



ただ今日はもう疲れていたので副ギルドマスターから教えてもらった宿に泊まり休むことにした。


教えてもらった宿は冒険者ギルドからも近く、毎日通うには都合が良い所にあった。


丁度部屋も空いていたので連泊の手続きもしてその日は休んだ。




そして次の日はオーク討伐に向かうことにした。街道を逸れるとどの方角にでも出現するほど数が多いらしい。


この国は大丈夫か? ゴブリンがまとまって出現する所や、オークまで数多く出現する王都周辺。いずれ物量にものをいわせ攻めてくるんじゃないか?


そうならないように依頼を出して数を減らしているんだろうけどね。



クロウに察知を任せながらこの国の魔物の事を考えていた。


「ラウールとサクラこの先に結構いるよ!」


クロウ察知に引っ掛かったようだ。



僕達はその場に素早く駆けつけるとオークの集団を確認した。この世界のオークもそんなに見た目は変わらないが、大きさは違うな。上位種でないか確認したが、普通のオークだった。


大きさが二メートルを越えていて大きさだけは違った。強さは比較出来ないが、ゴブリンの三倍位の数値か?


そうなると、こちらの世界の方がオークは強いかもしれない。


しかし僕達は怯む必要もないので坦々と狩っていく。僕は剣で切りサクラは大鎌で首を刈る。クロウは魔法で急所を攻撃していく。


うん、楽勝だ。


素材も無駄にしないように僕の亜空間収納で解体し皆で分配する。ここまで来て討伐証明部位を聞いていないことを思い出したから全てを提出出来るようにする。




その後も三から十匹程度の集団で活動しているオークを倒していった。


だが途中からこの状況は不味いのではないかと考えるようになった。ゴブリンの三倍くらい強い魔物が集団で活動している。その数も多く、王都ファンフートの全方位に生息している。これはスタンビートの兆候か?


徒歩での移動距離一日か二日の場所にこの数か。冒険者ギルドの副ギルドマスターには報告しておくべきかな。



そんな事を考えながら作業のようにオークを狩りながら王都ファンフートに戻って行く途中で、危険な状況に陥っている冒険者の集団があった。



僕達よりは少し年上に見えるが駆け出しのような冒険者がオークに襲われていた。

あのままでは一瞬で殺されてしまうと思い、声をかけた。


「助けは必要か!」



振り向いた冒険者は僕たちを見て何かビックリしていたが、藁をつかむ思いで答えたのだろう。「頼む…………助けてくれ!」そうハッキリと言った。



ハッキリと返事をもらった僕達は一瞬で間を詰めて三体のオークを一匹ずつ受け持ち、一瞬で倒した。流石に目の前で亜空間収納にしまうことは出来ないので、まずは助けた冒険者に大丈夫か聞いた。



「助かったぜ……。何時もはこんな王都の近くにオークが来ることがないからな。やばかったぜ。お前達は俺達より小さいのに強いな!」



リーダーなのか、四人の中の一人の男の子が答えてくれた。


「そうなんだ。僕達はまだ王都に来たばかりで、この辺に出没する魔物もわからなかったから。ただ丁度オーク討伐の依頼を受けているしね」


僕の言葉を聞いていた男の子達はビックリしていた。


「オーク討伐の依頼なんて何ランクだ? 俺たちと同じFランクではないんだろうが、Dランク以上の依頼になるはずだぞ。はぐれオークだと一匹だからいいが、集団のオーク討伐は受けることが出来るランクが高くなったハズだぜ」



あの副ギルマス!

適切なランクの依頼でなく、もっと高いランクの依頼を寄越しやがったな!

Eランクの僕達が受けることが出来るのはDランクまで。

Dランク冒険者が受けるとは、もしかしたらCランク依頼か!


「よし、僕達は用事が出来た。このオークはどうする?」


「俺らにはもらう権利はない。口は挟まないぜ!」


「じゃあ、一匹は残してあげるよ。解体してもしなくてもここから王都までなら運べるでしょ? 僕達はマジックバックがあるからこのまま持っていくね」


そう言ってオークを収納し後は冒険者の話も聞かずに走り出した。目的地は冒険者ギルドだ!




取り残された冒険者は、「本当に貰っていいのかな?」「俺らの何日分の稼ぎになるんだ?」「あとで返せって言われないかな?」「得したねー」等嬉しいがどうしようか話し合っていた。

結局はそこまで解体技術もないのでそのまま持って帰ることにした。あの美男美女に感謝して。

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