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第十五話 良い貴族

朝を迎え僕達は先を急いだ。

話しを聞いてしまうと気が急いでしまう。

クラナダが持って来た回復薬は良い貴族の子が患っている病の特効薬で、早く届けたいと言う気持ちが僕達にも届いた。



出来る限りの早く移動したいとクラナダが言うので素材の回収は二の次にして先に進んだ。


依頼は護衛だからと自分に言い聞かせながら。



そのお陰か目的の町には予定より早く到着した。

その後も冒険者ギルドで手続きに時間がかかることもなく出ることができた。

やや威圧していた場面はまー語るまい。



そして買い戻しの事もあり帰路につく。




帰り道は時々出現する魔物や道端に生えている素材を回収しながら歩いた。

クロウがわざわざ教えてくれる。



しかしそんな緩い帰路で異常な気配をクロウが察知した。


前方で人に襲われている馬車があると知らせてくれた。

何でも馬車の回りにいる人が劣勢と言う。


「サクラ、ここは助けよう! 普通な行動をしてみようよ!」


「わかったわラウール! 襲われている人を助けるの巻きね!」


そう言葉を交わし現場に急行した。



「ふっ! まだだ! 陣形を整えろ!」


そう重装備な騎士が叫んでいる。

とり囲っている人は、盗賊だろう。

それでも装備や人数が充実しているようで、立派な紋章の入った馬車の回りの騎士が押されている。


「はははは~! 俺達の頭目に敵うと思うなよ! ささっと積んでる荷物と女を置いていくんだな!」


何か三下のような盗賊が叫んでいる。



「皆のもの、頼む! 俺は早く回復薬を受け取りに行かねばならぬのだ!」



ん……道ではすれ違った覚えがないぞ?

この台詞は、あの貴族の依頼のことだよね?

町に着いた一瞬のすれ違い?


一人で考えるが答えはでないので先ずは助けるか。



「クロウ、奥の弓を持った奴等を頼むよ」


「いいよ」と返事をすると直ぐに消え、弓の攻撃がやんだ。


そこで僕とサクラが馬車の前に出る。


「助けは必要ですか?」


僕の問いに一瞬の今の状況がわからなくなったようで、間が空いたが「頼む!」と指揮をしていた騎士が返事をした。



その返事を聞き僕達は殲滅を始めた。



その戦闘と呼べないような争いも直ぐに収め、頭目と言われたであろう人物だけを残した。



「てめ~らは何者だ! 俺の部下をよくもやってくれたな!」


目の前で繰り広げられた一方的な戦闘を見ても心が折れていない。

僕達は単純に一人ずつ殴り倒しただけだったから、脅威度が低く見られたのか?


「俺たちゃ~赤の旅団だ! てめ~らみたいなお子さまに負けたまま引き下がれね~な!」


斧を肩に担ぎ毛皮のベストを着た小太りな男が睨みを利かせてくる。


「僕達は通りすがりの冒険者だよ。悪い人は嫌いだな!」


そう言って僕は頭目に駆け寄り後ろに回り込み首トンをした。


それだけで頭目は意識を失った。



後始末は騎士がしてくれると言うため僕達は騎士の今一番偉いのであろう男と会話をしていた。


「助けてくれてありがとう。先を急ぐために少ない人数で移動したのが仇となった。危うく盗賊に押しきられるところだったよ」


「ちょうど私達が通りかかって良かったわね。私の予想では、回復薬を手に入れたと言う連絡があったから急いでいたと予想するけどどう?」


サクラ……ちょっといきなりそれだと怪しい人だよ。

いくら到着した時に馬車から声が聞こえててもね。

ほら、話をしていた騎士も訝しげな視線を寄越しているよ。


「何故そう思ったんだ? この盗賊と何かやり取りがあるのか?」


「ごめんなさい、僕の妻が変なことを言って。ただ、僕達は護衛依頼で商人を送って行った帰りなんだ。貴族の子に使うって聞いたから、もしかして行き違いになったかと思ったんだ」



そう言うとまだ怪しんでいる感じもあるが少しは表情の険しさがとれた。


「まーいいだろう。その通りだ。聞いた話で判断すると、もう届いていて無駄足か? 商人の名前を聞いても良いか?」



「グラナダさんだよ。商会名が……え~と、ハナント商会……だったような。何か恩を感じてたよ」



「ふむ、その名が出てくるのであれば無関係ではないだろう」


これで少しは信用してもらえたかな。

後は、何で足を遅くしてまで馬車も一緒なのか聞いても良いのかな?


「その顔は馬車が気になるのか? だが中に誰が乗っているとか、何が入っているかは教えることが出来ないぞ。しかし詳しくは教えることが出来ないが、君達が思っている以上に大切にされている方の為に出向いているのだ」



ほうほう、それで誰かがわざわざ取りに来たのか。進行を遅くしてまで一緒に来ると言うことは、回復薬を購入したり町に入る手続きが円滑に進むくらいには偉い人かな?



盗賊を捕らえ終わった騎士が馬車の中の人にも報告した後僕達にも話をしに来た。



盗賊は騎士達が責任をもって町の衛兵に引き渡す。助けてもらったお礼もしたいので、所属を教えて欲しいと言う事だった。


僕はクレイダの町の冒険者ギルドを中心に活動しているEランクの冒険者だと答えた。

もうしばらくはクレイダの町にいるので、何かある場合は冒険者ギルドに伝言を残して欲しいと伝える。



そんなやり取りをして僕達はクレイダの町に戻ってきた。


しばらくは買い戻し、騎士からのお礼を待ちながら依頼をこなそうと思っていた。

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