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第百五十七話 ダイヤの事情



ダイヤはこの世界に渡ってしまった……



「んっ? 」――何だこの真っ白な空間は……




私は春飛大八。今日は会社で上司から残業を命じられ、残業を終えて一杯引っかけて帰ったはずだ……



ん、ほろ酔いで電車に乗り、自宅の最寄りの駅で電車を降り歩いていた。


自宅までは徒歩で十分、途中でコンビニによって…………コンビニを出た瞬間刺された……

――ああ、刺されたのだった。



何が起こったのかはもう意識を失い詳しくはわからないが、血飛沫が見えたので、致命傷だったのだろう。



朦朧とした意識が晴れたあとは、真っ白な空間だった。


『フフフフ……』と幼い? 男女どちらかわからない声が聞こえてきた後で、『君は異世界に行ったとしたら、どんな能力が欲しい?』と言われた。


姿が見えない存在の質問に、フッと思ったのはチートな能力だった。


――だが今思うとあの短時間? どれくらいかは本当はわからなかったが、無限収納を願うのを忘れたのが心残りだ。



……

……



で気がついたら森の中……


あの声が『異世界』と言ったのは本当だったのか? それともここは日本の何処かか?


四十一歳にもなりこんな状況に混乱していた。


――だがそんな時にも上手くいかないのだろう、鬼が現れた! ――はい、流石に日本ではないよな! そう思ったと同時に逃げた……



逃げて逃げて逃げて。

最近では、いや今までで一番速いと思える速度で森を逃げ回っていた。


……


しばらく走り、そろそろ体力がーー! と思った頃にセラミヤに出会った。



セラミヤもその時は鬼と、今ではオーガとわかるが、鬼と戦っていた。



で、あの化け物じみたラウールたちとも出会う。


私がここに来る前の記憶で願った能力の中に、鑑定があった。この鑑定で私の能力を見たが、この数値はおそらくチートだよな! と思えたが、セラミヤと同じくらいだった。ま~私はレベル一だったが。


で、ラウールとクロウの能力は見えなかった。



――私はチートではなかったか! と思ったが、後に私はチートだったと知ることが出来た。――ただ単純にラウールたちはチートを越えた存在だったようだ。



頭の中の記憶が順から外れたが、私はセラミヤにお願いして町まで移動した。

あの乗り物は今なら反則だろ! と突っ込みたいが、無事あの冒険者となった。



その後はラウールたちにしごかれた……



死ぬまでは行かないが、ラウールたちは私の能力は高いから、これくらいじゃあ死なない! と、容赦はしてくれたのだろうけど、ヤバイ攻撃も仕掛けてきた。



……

……



だがそのお陰か、数ヶ月もするとラウールたちの弟子よりも強くなった。

もう私も弟子にあたるかも知れないが、強くなった。そしてセラミヤも……



初めてセラミヤの能力を見たときは、これがこの世界の標準かと思ったが、セラミヤもある意味チートだったのだ。だからお互いが切磋琢磨して強くなっていった。



そして新年が近くなった頃にラウールたちに森に連れられて行くと、そこにはハイオーガがいた。あのときのセラミヤが倒せなかった魔物……


ラウールは、「旅を続けるための最終試験ね!」と言って、クロウに頼んでここまで連れてきてもらったと言う。



――クロウ師匠……ハンパナイッス……



だがハイオーガ一匹に私たちはセラミヤと二人……楽勝だった。


私はチートによる底上げもあり、魔法主体で戦っている。特に四大属性は全て扱え、特殊な属性の魔法も覚え始めている。


セラミヤは魔法剣士スタイルかな、上手く魔法と剣による攻撃を使い分けていた。



……

……



そしてラウール師匠たちが十五歳の誕生日を祝うためにこの場を離れていた。


だから私とセラミアは二人で年明けまで語り合っている途中で、パーティーを組むことになった。お互いがそれを望んでいたから迷いはなかった。


――だが……私たちは十五歳の男子、女の子も一緒に旅がしたいと、お互いの目的は違うが、不謹慎にもそんなことを言い合って笑った。




――更にこの日、私は転生? 転移者だとセラミアに告げた。

――セラミアは光の勇者だと語った。



お互いが自分たちの事情を告げ、質問を繰り返し、次の目的が決まった。


ラウール師匠たちに鍛えられながらもう少し仲間を増やす。――ラウール師匠たちが仲間になってくれたら嬉しいが、あの感じは無理そうだと私の中年の勘が言っている。

その後はジャックやピックイの情報も集めつつ、ジャックを倒す。


大目標をそこに定め、小目標はその都度更新していくことにした。



この日私は異世界での初めての酒を飲んだ。

セラミアも付き合い、少しだけ酒を口にした。




――今日、十五歳のダイヤは信頼できる仲間を得た。


これからの旅、私は魔法で――――趣味だった料理でパーティーに貢献していこう、それをこの温いエールに誓う……






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