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第十四話 鑑定がある世界

僕達はギルマスから最後に言われた事が気になっていた。

この世界には鑑定と言うスキルがあるそうだ。

実力差で鑑定をはじくことは出来るようだが、相手のステータスを見ることが出来る。物等の名前や説明を何かに映し出したように見ることが出来るそうだ。


これは一応注意したほうが良いと感じたことと、もしかして僕達ならできるのではないかと思いなんとなくやってみた。


これがまた簡単に使えるようになってしまった。

僕もサクラも、クロウ迄一階に戻る前に使えるようになってしまった……



あっさりとスキルを得たことは後で考えるとして、朝から冒険者ギルドにいるのに何も依頼を受けることが出来ないままお昼に近い時間になっていた。


この世界ではそこまで決まった習慣は無いようだが、作り手の都合で一日三回は食事が売れるピークがあるようだ。

当然朝、昼、夕食時だ。


だから僕達は冒険者ギルドで注目を浴びながら昼食を摂ることにした。



目の前にあるメニューは慣れ親しんだ言語チートで日本語だろうな、自然に変換されている。

このチートがあったからか、シチランジンの言語もきっと使いこなせていないと思う。



そんな僕が選んだ料理は豚の生姜焼きだ。

サクラはサバの塩焼き定職を注文し、出来上がりを待った。



少しして出来上がったと声を掛けられ注文の品を取りに行くと、大体は昔から知っている見た目の料理だった。

その料理を鑑定してみると、豚と思われる魔物をショウガ醤油で炒めた料理。

サバに塩を振り焼き、ご飯とみそ汁野菜の煮物を付けたお膳と鑑定された。




この鑑定結果は僕が分かりやすいように自動で翻訳もされるのだろう。

この世界の人が鑑定した結果も気になるが、便利なものだ。



僕の知識に紐づいた情報を引き出すスキル程度に思っていたほうがよさそうだ。



食事をとった後はまた依頼票を確認している。

何か確認している時間が多いような気もするが、良さそうな依頼があった。

朝に見た記憶がないからその後で張り出されたのだろう。


【隣町までの護衛依頼。できるだけ早く出発したいので受けてくれる冒険者は受付にすぐに話をしてくれ。ハナント商会。】



そんな依頼だった。

依頼を受けることが出来るランクをEランクにしているのはそれだけ急いでいるのだろう。それでも全くの初心者のFランクにはお願いできない。

そんなことを妄想する。



だが護衛依頼は僕達にとって今は受けておきたいし、報酬も意外に多いので受付さんに持っていった。



この依頼は何故か急いでいると言うので僕達が受けることを伝えると直ぐに商人の元にギルド職員が向かったようだ。


そして夕方になると言うのに今日出発したいと相手の商人が言ったようで、夜営の準備も何もなく僕達は待ち合わせの門へ向かった。


宿からは荷物を全て引き上げているから身動きはとりやすいが、こんな何も持っていない冒険者を信頼してくれるかが心配だ。


ギルマスが口をきいてくれていたらいいが、どんな状況に陥るのだろうか?




門の所ではそわそわした商人の格好をした中年の男性が待っていて、直ぐに依頼主がわかった。


その商人に声をかけると驚いた表情をしたものの、やはりギルマスが何か便宜を図ってくれたようで自己紹介もそこまで時間をかけずに出発することになった。



依頼主の商人はクラナダさんと言い、隣町の治療院に回復薬を緊急に届けなければいけなくなった。

一分でも早く届けなければ……届けたいクラナダさんはなりふり構わず冒険者ギルドに依頼を出したらしい。


そこで僕達が受けることにしたが、Eランクの冒険者の実力が未知数で一度冒険者ギルドに実力の。照会があったようだ。

そこでギルマスが気を聞かせてくれ実力を保証してくれたことで僕達が上手く依頼を受けることが出来たらしい。



やはりギルマスには足を向けて寝ることが出来ないな。

などと考えながら暗くなる道をクラナダさんと共にラースンの町へ向け馬車に乗り移動していた。



ある意味手ぶらな僕達に不安を持っていたようなクラナダさんだったが、ゴブリンが出現した時に魔法であっさりと倒して見せると信頼度が上がったようだ。



その後もホーンラビットなど小さな魔物をはじめ、夜営前にゾンビまで襲ってきた。

それでも僕達があっさりと倒していく姿を見て、夕食を摂るころにはすっかり信頼されていた。



夕食は簡単に済まし交代で休憩を取り朝まで護衛してくれと言われ、僕が結界を展開しクロウは「我寝なくてもいいよ」と言うと更にクラナダさんは驚いていた。

ここまでクロウも声を出さなかったが謎な生き物が傍にいることを危機ではなく好奇な展開と目を輝かせとらえてくれた。



クラナダさんが眠りそうになる時にボソッと話してくれたのが、この馬車に積んでいる回復薬は、ある貴族が緊急で取り寄せた薬なこと。


面倒見の良い貴族でクラナダさんは商売を始めたころにその貴族の親に世話になっていた。

どうしてもその貴族の子を助けてあげたいと、もし護衛がいなくともいち早く駆け付けたいと今回ダメもとで依頼を出したそうだ。




そんなに慕われる人であれば僕達も助けたいねとサクラとクロウと話をしながら次の日の朝を迎えた。

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