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第百十三話 冒険者ギルドで鍛える

冒険者ランク――

冒険者ランクの最高位はSランクだった……。だが最高位にしたはずのSランクになってからも冒険者ギルドに貢献を続ける者がいた。

だからSSランクが出来た。――最高と言う意味を込めたS……だから他の文字にはならなかった。

そして今はSSSランクまである……。昔で言うとSSランクがここにあたる――


Sがこれから先はどこまで増えるかわからないが、今はジョルジュギルマスのSSランクは通常の人間を越えているのである……




で――


僕とサクラはオーション市でAランク依頼をこなしていた。この都市ではSランク依頼並みかそれよりは難しい依頼もある。僕達には紹介されないが、受けるほどの冒険者がいるようだ。


クロウ達三匹はアルグリアン王国を飛び回っている。怪しい奴らは捕らえたり、情報を集めるために魔法をかけたりして過ごし、何だかんだと一ヶ月ほど時間がたっていた。



……



――SSSランクの冒険者の戦闘力を越えた僕たちは……





僕たちは今は何故か「師匠!」と呼ばれる事がある。……それは冒険者の育成と言う依頼を受けたことで呼ばれるようになった呼ばれ方である 。



僕達は今Aランク冒険者だ。

ここは見た目で侮るような冒険者はいないギルドだ。

そこで僕達は僕たちより下のランクの冒険者を鍛えた――同じAランク冒険者もいたような気がするが……



……



「整列!」とサクラが言うと目の前には若々しい……幼い冒険者や熟年の……中年の冒険者が並んだ。



「今日はまた私たちと模擬戦よ! 悪い動作はあそこにいる妖精のソフィアに聞いて! ――じゃあ左から!」



ソフィアはいつの間にか調査班ではなく冒険者活動班になっていた。クロウとヤマトは相変わらずこの国を……もしかすると世界を飛び回っている。


そしてソフィアもこの冒険者ギルド内では危ない事も起きず、助言役になっていた。

ソフィアの助言は的確で、ベテランの冒険者までもが今はサクラの前に並ぶ状況に拍車をかける一因となっていた。



「――あなたはあの時に何処を見ていましたか? 私から見ると――こうしたらと思いましたが――」


「はい、あなたは体力作りからですね。」


「もっと自分にあった詠唱を考えてください。」


「ん~、大分完成に近いですから、もっと魔物などと戦ってください。」


「――何処かにいってください……」



最後は僕たちと戦っていない人だったから、冒険者ギルドの職員に追い出されていた。

――まだソフィアを狙う人がいたのか! そんな人をここに入れる冒険者ギルド……あっ……謝っているな……



……

……


大分時間がたった。


「ここまでよ。後はまた自主練習よ! ……走る、体力をつけるのを忘れないでね」サクラはそう言うと僕に駆け寄ってきた。


「ラウール、私にばっかり任せないでよ! 客観的に見てるのはいいけど、私はあなたの妻よ! 妻が攻撃されても言い訳?」



「……ごめんごめん! 僕から見ると、サクラもストレス発散をしているように見えたから! ――ごめんね……」



「――ごめん! 私もわかってるんだけどね……。何か今のこの何も変化がなくて……でも放ってもおけない状況だと、何かスッキリしなかったのよ……ラウールにもあたってごめんね……」



「いいよそんなに謝らなくても、僕も今のこの半端な状況は嫌だからね。……僕たちが干渉しなくてもいいならね……」



今僕たちは何も変化のない日を過ごしていて、ストレスが溜まっていた。

魔物人間がいるとわかっているのに、このままのほほんと過ごして良いのかと……顔見知りが出来て――その顔見知りに悪いことが起きても放ってもおけるのかと、葛藤していた。

特別仲の良い人を作らないようにしていたのも、しがらみを避けるためだったが、半端に知っている人を作ったのも失敗だった……

何も知らなければ……知らないから何も行動していない、行動する以前に何も知らないのに…………。矢張人の中にいると色々と起きてしまうな……嫌と言う気持ちだけでもないが、何か気持ちに矛盾を感じてしまう今日この頃……



「クロウに聞いて何かぱーーと魔物とでも戦う? 私はそれでもいいと思うけど……」


「魔物か~、今僕たちが戦うような魔物っているのかな?」と僕が言ったとき、一人の冒険者が近づいてきた。




「久しぶりサクラ! 私もここに来たよ!」と声をかけてきたのはモイスさんだった。モイスさんは「王都でも特にやりたいことがなくて、西大陸にでも行こうかと思ってたら、ここにあなたたちがいるってわかっちゃったから――声をかけちゃった!」と言った。



「久しぶりねモイスさん。いつ見ても小さいですね! 私も小さいけど、モイスさんと違ってこれから成長するからね! ――どことは言わないわよ」



「――ん~、ん、んん。……久しぶりねラウール。私に何か言うことはない?」



何を言えと……



「お久しぶりですねモイスさん。王都は何も変わりありませんか?」



「ん~もう! ――まあいいわ。……王都は色々とあるわよ。ラウールたちが魔物人間って呼んでいたのが、魔人って言われるようになったんだけど……まだ魔物人間って言ってる? ……魔人が時々捕まるようになってきたのよ。何があったのかはわからないけど、魔物で比べるとオーガよりちょっと弱いくらいかな? そんなのがたまに出現するようになったから、王都は大変よ~。私もパーティーに勧誘されて大変だったのよ! 今になってソロの私を仲間にしようと頑張ってくるのよ! 魔人が見つかるようになって……」



「……で、面倒になったと……」



「ハッキリ言うとね! だって今まで都合よく使われそうになったり、この私のこの……容姿……こんな見た目を口説くような人たちがひっきりなしに来るのよ! ――嫌よ……」



「あ~確かに嫌ね。私もこの見た目で嫌なめにもあったし……だけど私にはラウールがいたから良かったけどね!」



「くぅ~、あ~、そうよ。……私は誰にも守られていないわよ! だから一時的にでいいから守ってよ! ――目処がついたら離れるから!」




……ん~、今度の面倒事は……異性……低身長童顔……か?




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