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第九十九話 学園依頼が貼り出された

僕達は討伐や採取の依頼を受けながら日々を過ごしていた。そして代わり映えのしない依頼ばかりだったので、何処かに旅立とうと考えていたら、とうとう学園関係の依頼票を見つけた。



僕達はこの依頼について聞いてみようと受付に行ったが……やはりギルドマスターの部屋に通された。

まーーここ数日もビップ待遇でと言うか、ギルマスがいないときには依頼が受けられなかったり、報酬の引き渡しが後になったりしていたのだが……


これもあのときの罰の続きと諦めている。


だけど何人かの受付さんや他の冒険者も返事をしてくれるようになったんだけどね。



……



さて学園関係の依頼だったが、内容はこんな感じだった。



【学園生の護衛依頼


卒業試験のために王都に近い森で魔物討伐の実技試験を行う。

学園生の側にいる冒険者はCランク程度の実力を求む。

全体を見渡して学園生の安全を守る役割は、Aランク以上が望ましい。しかし冒険者ギルドからの推薦がある場合は、それ以下のランクでも可。


とにかく無事に試験が終わるまでの安全を確保したい。


王立アルグリアン学園 園長】


こんな依頼票にギルマスが補足した。

この学園は王立なだけあり、貴族の子も多く入学している。もちろん平民も学んでいる。貴族科、魔法科、騎士科、冒険科、商業科がある。合格点は違うが全ての学園生が試験を受ける。

アルグリアン学園は他の国とは違い、何歳からでも入学でき、三年は通う必要がある。それでも大体の人は二十歳までに卒業する。

戦う魔物は強くてもゴブリンまでで、生徒のグループ一つにつき一人の騎士が守りにはつく。その騎士が意識がいかない範囲を冒険者が守ることになる。



「それでですが、君達がこの依頼を受けるのですか? 実力だけは申し分ありませんので、依頼受注処理はしますけど……生徒を驚かせないでくださいね」



「……そうですね……そんなことはしませ……ん?」

「ラウール……生意気な子供だ絡んできたらどうするのよ! 絶対に大丈夫って言える?」

……サクラも同じことを思ったか。



「……君達は……おそらく試験を受ける生徒よりも年下ですよ。それでも何かされてもあの冒険者ギルドで起きた……黒い恐怖事件みたいな事はしませんか?」



うっ……黒い恐怖事件……それにすぐにうんとも言えない……



「まーーそこまで怒るなとは言っていませんよ。あんな怒り方をしなければ良いのです。何でもかんでも赦せとは言いませんよ。黒猫のお二人は、不意にどんな強い魔物が現れても大丈夫と安心させてくれる力量はありますから。黒い恐怖を抜かすと、こちらからも王国の若者の安全を守ってほしいですから」



……


僕達はパッショギルマスの話を聞きながら、念話で相談していた。その結果が……


「ではその依頼を受けます! 手続きをよろしくお願いします」


僕達はアルグリアン王国の同じ年頃の人の実力が見たくて、この依頼はやってみることにした。



……

……


依頼を受けてからは打ち合わせまではまだ時間があったので、ヤマトがこの世界の魔物に慣れたいと言って、皆でファンフート王国でやったように魔物討伐をしていた。


案の定クロウとヤマトは大分遠くまでも行ったようだった。


……

……


学園との打ち合わせ当日は、アルグリアン王国の第二騎士団の副団長も出席した。

依頼を受けた冒険者は、パーティーならリーダーが絶対に出席し、ソロの冒険者は全員が出席した。


この席にはモイスさんもおり、僕達とモイスさんはAランク冒険者と名乗ると驚かれた。まーー冒険者は驚くよりビクビクしていたような……


そんな雰囲気の中でも先生がしっかりと試験や冒険者の役割を説明してくれた。


そして最後に注意として、貴族科もしくは他の科にも貴族の子供達がいる。その子供達の中にも傲慢な性格の者等がいるが、何を言われても我慢してほしいと言われた。

だが何か言われたからと言って、絶対に冒険者の不利益になることは起こさないとも言ってくれた。


特に僕とサクラ個人にも注意してほしいと言われた事がある。僕とサクラは年も生徒に近く、見た目が良いので強引な誘いがあるかもしれない。他にも妖精さん……ソフィアのことだが、一緒に行動すると寄越せもしくは親に頼んで自分の物にするなどと言う生徒がいるかもしれない。そんなときは自分達で対処せず、必ず、必ず……本当に二回も言ったが……教師に対応を任せてほしいと……


……



打ち合わせが終わり僕達は一旦王都の外に出た。


「ちょっち失敗したかなサクラ……」

「んーーちょっとね……」

「だけど学園依頼は外せないよね……」

「そうよね……私達の学園編があるなら避ける依頼だけど……」

「でも教師がまともそうだから、教師に頼ろうね」

「そうね、あんなことまで注意してくれる教師だしね……」



だけど僕達は少し憂さ晴らしにダンジョン都市キバンに転移した。

そして出来るかわからなかったけど、ダンジョンの百階に転移してみたら……行けた。



そこでダンジョンコアのぼくっちに頼んで、今出現させられる一番強い魔物と戦えないか頼んでみた。



「んーーそれをやっちゃうと、ダンジョンの魔物がもう二段くらい弱くなるよ! あとお宝のランクも下がっちゃうなーー。けどOKーー。ダンジョンが変化しないように調整して……お宝もなくて……素材も即吸収ね! 魔力の取り込みはあるけどね! ねえねえぼくっちすごいでしょ!」



そう言うぼくっちは置いておいて、ダンジョン最強の魔物と戦った。


僕達のストレス発散の為に……

そして無傷……いや、久しぶりに仲間との模擬戦以外でかすり傷をおった……ヤマトが……



……

……


そんなストレス解消をしてから数日後、学園試験の護衛依頼が開始となった。




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