75話『メリークリスマス』
すいません日付設定がズレてました。
メリークリスマス!
喫茶店での寛ぎタイムを切り上げて外に出る。
徐々に気温が下がっていくのを感じ、それでもまだ2人には暖かい状態が続いている。
手を繋ぎ、マフラーを巻いて密着していればほぼほぼ寒くない。
それからモミの木が置いてある広場にやってきた。まだ時間も早いのでイルミネーションはついていないけど夜になれば綺麗なクリスマスツリーになるはずだ。
「夜になるまでどうする?」
「どこか行きたいところある?」
「特にないかな、玲央君とはいつも出かけてるから」
「確かに、じゃあ適当に回って時間潰そうか、それでも余ったらまた喫茶店かな?」
「そうしよう!」
雑貨屋、服屋、ゲーセン、宝石店などウィンドウショッピングを楽しんだ。
そろそろ暗くなってきたのでクリスマスツリーを見に行く。
広場に着けばちょうど光る時だった。下から上に向けて徐々に点灯していき、綺麗なクリスマスツリーが出来上がった。
「すごい!」
「そうだね」
「綺麗だね!」
「そうだね」
「違うよ、そこは『君の方が綺麗だよ』って言うところ!」
「すいません」
「まったく、次からは気をつけてね」
女心って難しい。そしてさっきのセリフを言ったとして凄く恥ずかしいことになる気がするんだけどいいのだろうか。
「あ、クリスマスツリーの所でクッキー配ってる!貰いに行こ」
「ああ、ちょ、まって」
マフラーが繋がったままでいきなり走らないで!首締まる締まるから!!
首締まったままクリスマスツリーの下にいき愛花はクッキーを貰っていた。その後ろで僕は深呼吸して空気のありがたみを噛み締めている。
「あはは、ごめんね、大丈夫?」
「大丈夫ではないかな?」
「どうする?もっかいする?」
「いや、しないよ?」
「わかってるよ、今日はクリスマスツリーも見れたしそろそろ帰ろっか」
「愛花が満足したなら帰るか」
帰り道、2人で手を繋いで家に帰っている。でもいつもとは違う道、ちょっと河川敷を歩いて帰ることにした。
河川敷には誰もいない街灯だけが点々と置かれている。その道を歩いて帰っていると、空からなにか降ってくる。
「つめたっ」
「あ!見て!」
愛花が見たのは街灯の光に照らされて写った、雪だった。
雪が降ってきたのか。
「雪だね!」
「ホワイトクリスマスですね」
「だね!」
「「メリークリスマス」」




