表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/89

6話『登校ハプニング』

 次の日玄関を開けると・・・・・・


「おはよう相澤君♪」


 麻那辺さんがいた。

 なぜ朝から家の前にいるのか疑問を感じていると


「一緒に行こ♪」


 爆弾発言だった。麻那辺さんと一緒に登校したと知られれば僕は体育館裏に呼び出されて囲まれてボコられそうだ。それは嫌だ痛いし怖い、でもどうやって断る。僕には家の前に待機していた人間を断り切る自信はない。


「どうしたの相澤君?」

「いえ、1人で行こうと思ってたので・・・・・・」

「なるほど、じゃあ今日は2人だね!」


 あーこれはもう無理だ、察してさえくれないよ。正直に言うべきなのかな~


「相澤君〜?」

「あ・・・いえ、麻那辺さんと登校するのは流石に難易度高いというか、僕が後で絞められるから遠慮したいです・・・・・」


 さぁ正直に言ってしまった。どんな反応してくるのか怖い・・・


「・・・」

「相澤君・・・」

「ひゃい・・・」

「私はね、一緒に登校したいの・・・周りからの目なんて気にしないし無視する、それで相澤君がいじられるような事があったら私が怒るから・・・だから一緒に行こうよ・・・」


 麻那辺さんは自分のしたいことをしていて羨ましいと思ってしまった。僕は周りからの視線や感情が怖い。麻那辺さんといるだけで僕に対する視線はどんなことになるのだろう。

 でも麻那辺さんは助けてくれると言った。それに甘えるのは失礼だし、やりたくないけど麻那辺さんの悲しい顔も見たくはないので今回は甘えてみよう。


「わかりました、行きましょうか」

「うん!」


 それから僕と麻那辺さんは学校まであと少しのところに来ていた。だんだんと制服を身につけてる人が増えてきた。

 時折こっちを見て何か話している人たちも見かける、やはり僕と麻那辺さんという組み合わせが信じられないのだろう。麻那辺さんが気にするなと言ったけど流石に全部を無視することなんて出来ずつい目と耳が追ってしまう。でもそんなことをしていたら早くも疲れてしまう、ここは麻那辺さんにこれからの事を聞いておくべきだろう・・・


「麻那辺さん、いまさらなんですけどクラスメイトとかに聞かれたらなんて答えればいいんですか?」

「たまたま家を出たら目の前に歩いているのが見えたから、声掛けた的な感じで答えるよ・・・私は」

「僕は?」

「頑張って!」


 どうしよう、まさかの丸投げされてしまった。しかも麻那辺さんの言い訳に合うように答えなければいけないなんて・・・あれ?結構簡単じゃね?つまり『麻那辺さんに誘われたので一緒になった』と言えばいいわけか。


「わかりました」

「でもなんでそんなことを聞いてきたの?」

「いや、麻那辺さんが俺たちの家が隣って事バラすんじゃないかとヒヤヒヤしたんで、先に何て答えるか知りたかったんです」

「なるほど!まぁ私はバラしてもいいけど相澤君に迷惑かけちゃうでしょ?だから言わないよ」

「あ、ありがとうございます」


 これでバレる心配はなくなったな。


 ----------------------------------------------------------


 話してるうちに学校に着いたようだ。周りからの視線はさらに増した。そんなに見ないでくれ、俺のライフはもうゼロだよ。


「麻那辺さん早く教室に行きましょう・・・ 」

「わかったよ〜」


 ・・・教室に着けば着いたで今度は質問の嵐だよ、僕には特に男子から猛獣のような目で迫られてる。麻那辺さんの方にも行っているようだが、向こうは女子からの質問が多いようだ。会話内容が少し聞こえるが『なにか弱みでも握られたの?』『催眠術にでもかかってるんじゃ!?』などとひどい言われようだ。


「後ろから声を掛けられて誘われたので一緒になっただけです」


 男子達も一応納得したのだろう、それでも会話内容など聞いてくる輩はまだいるみたいだがそれについては無視しよう。

 そういえば大樹からはまだ何も言ってこないな、昼にでも聞いてきそうだな。



 ----------------------------------------------------------


「よぉ、玲央飯行くか」

「わかった」

「今日は何頼む?」

「ラーメン」

「じゃあ俺も」


 ラーメンはとても美味い。醤油や味噌もいいが僕はとんこつが好きかな、脂がいっぱいあるから食べ過ぎると胃もたれするので無理はダメだけどね。

 そんなこと思いながらお互い料理を持ち席に座って大樹は案の定今朝のこと聞いてきた。


「そういえばさ、今日麻那辺さんと一緒に登校してたのよな、どうしてだ?」

「・・・後ろから声かけられたんだよ」

「で、なんで断らなかった?お前のことだ目立つのが嫌だから断ると思ったけど」

「断ったよ、でも──『同じところに行くのに別々に行く理由ってあるの?』なんて言われたらもう無理でしょ」

「なるほど、それはもうしょうがないな」


 ほんと、しょうがないよね、でも麻那辺さんからの誘いを断れるわけもないから諦めてるんだけどね。


 しばらくは色々言われそうだ・・・



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ