59話『出し物』
あれから数日後のHRの時間。
先生から今年の僕達のクラスの出し物を決めると言われた。
「じゃあ文実の奴は前に出てきてくれ」
長嶺さんと僕はそれに従い前に出る。
長嶺さんがみんなから意見を聞く。
「今年の文化祭、何かやりたい人いますかー?」
僕の仕事は出てきた案を黒板に書いて、決まった内容をプリントに記入する仕事だ。つまり補佐だ。
出てきた案は・・・
・お化け屋敷
・執事喫茶
・クレープ屋
・迷路
とまぁよくある出し物だ。
長嶺さんはなんか物足りない顔してるけど、定番だらけだからか面白みのあるのが欲しかったのかもしれない。
「うーんちょっと普通過ぎやな、一捻りあらへんか?」
一捻りは流石に難題だろ、上手くできる自信もないし
とそこで麻那辺さんが提案したのはこの学園ありきだなと思った。
【恋愛迷路】
イチャイチャしてても許される学校に恋愛推奨の校則、それと迷路を混ぜる。
この迷路、カップルで入り行き止まりに行くとイチャイチャする様な内容が書かれた紙がある。それをやらないと戻っては行けない。
内容は人前で出来ること限定にするらしい。
ちなみに僕達はそれを覗き見はしない、入口と出口に人がいて説明と終わりには感想を聞くということにする。
正直この提案がされた時はなんだそれと思った。でも長嶺さんや他のクラスメイトは面白そうだと結構乗り気、まぁこの時期になって付き合ってない奴らなんて極一部、基本はカップルなのでクラスメイトの中にも面白そうだと言う声が多い。
ということでほぼ満場一致で恋愛迷路に決まった。
これを申請した時先生達からは面白いと言われたのでまぁ普通に通りました。
むしろ先生達も嫁を呼んで入ってみようかと言ってたりしたので大人達にも楽しめそうだとみんな盛り上がってた。
帰り道、僕は長嶺さんとプリント整理をしている。内容は迷路を作るための材料やら分担などだ。
僕は材料を長嶺さんが分担の方をしていた。
「いやー麻那辺さんがあんな面白い案だしてくれると思わんかった」
「確かにそうだね」
麻那辺さんはまだ付き合ってる人がいないのにこの提案をしてきた。
「・・・・・・最後の勝負のつもりか」
長嶺さんが何かボソッと呟いてたけどなんだろう。
その後プリント整理が終わったので解散になったので僕と長嶺さんは交差点まで一緒に行きそこで別れる。
 




