57話『新学期は文化祭シーズン』
夏祭り前日ウチは麻那辺さんに夏祭りの情報を教えた。一応ライバルやから。
まぁそのせいか先に相澤との約束を取りつけてしまったのは痛手やった。
まぁ祭り会場で見つけてくっついて回ればいいと思ってた。
夏祭り当日。
ウチは浴衣を着込んで会場に行った。
最初は祭り自体を楽しんだ。唐揚げ、焼き鳥、クレープと食べたながら相澤と麻那辺さんを探して歩く。
「あれー?長嶺さんか?」
呼ばれたので振り返れば佐々木とその彼女がいた。
「なんや佐々木か・・・彼女とデートか?」
「そうだ、長嶺さんはこんな所で何してんの?」
「相澤探しや」
「玲央と来てんのか?」
「いや、麻那辺さんが相澤と一緒にいる、ウチはそれに混ざろうかと思ってな」
「それはダメだろ・・・」
「レオっちモテモテ~!!なら涼子っちは私たちが回収だ~」
「なっ!?それはやめて~」
───
──
─
「そして私はそのまま佐々木達に捕まり見つけることが出来なかったってわけや」
「まさかそんなことが起きてるなんて知らなかったよ」
「はー佐々木に余計なことされたわ」
「大樹だから仕方ないよ」
夏休みが終わり。新学期の学校でそんな雑談をしていた始業式。
◇
始業式は授業がなくHRだけで終わりだ。
「よーし、みんな揃ってるな、おはよう。
さて二学期は文化祭の時期だ、開始まで2ヶ月ないからな、そろそろ準備を始める。
とりあえず文化祭実行委員を決めてその後は委員の指示に従ってくれ。
まずは実行委員やる人いるかー」
「はーい」
あ、誰かやる人いるんだ、良かった、誰がやるんだろ。
ってえぇぇ!?
「長嶺やってくれるか、じゃああと一人補佐してくれる奴はいないか?」
「先生~ウチが決めてもいいですかー?」
「ん?ああ構わんぞ」
「じゃあ相澤で」
・・・僕?え?え?
「えぇぇ!?なんで僕なの?」
「よーしわかった、長嶺、相澤で文化祭実行委員よろしくなー」
「いや無視しないで!?」
なんで実行委員なんて見るからにめんどくさい役割が多いものをやらなきゃ行けないんだよ。僕はもっとのんびりと文化祭を楽しみたかったんだけど・・・。
「じゃあ明日から実行委員は動くことになるからよろしくなー」
こうして、僕は実行委員になるハメになった。
HRが終わったあと長嶺さんがやってきたのでさっきのことについて聞いてみる。
「長嶺さんなんで僕を推薦したんですか」
「えーだって実行委員なら結構一緒にいる機会あるじゃん。だからチャンスかなって」
なるほど。つまり自分のためだけに僕が犠牲になったのか、まぁ決まった役だから頑張るけどね。
「はぁ、頑張りますか」
そうやって僕が頑張る決意をしていると隣からため息が聞こえてきた。
「はぁー、私も挙手すればよかったなー」
麻那辺さんが落ち込んでる・・・いや?残念がってる?
「交換します?」
「相澤君と一緒じゃないから別にいい」
麻那辺さん、素直。結局僕がいなければ2人ともやらないってことじゃん。
「あはは、ごめんな麻那辺さん、ココ最近全部持っていかれてる気がするからウチが先にやらせてもらうで」
「別にいいけどね」
明日から文化祭実行委員として動かなくちゃか、長嶺さんの補佐だからまぁメモとかそんな感じだと思うし大丈夫かな。
それよりももう2ヶ月ないのか・・・俺の好きな人か。文化祭にはハッキリする。行事と恋愛やることが沢山あるけど頑張ろう。




