55話『夏祭り』
急遽決まった夏祭り。
今日は家でゴロゴロしていた。夕方になれば麻那辺さんと共に隣町の夏祭りに出かけることになっている。
┈┈┈┈┈┈┈ 麻那辺さん視点 ┈┈┈┈┈┈┈┈
私は昨日長嶺さんから夏祭りの情報を入手した。長嶺さんは相澤君を誘うらしく今から連絡するとか言ってたので善は急げと思って相澤君に連絡をとった。
急いだ甲斐もあって相澤君に先に約束をしてもらうことに成功。
その後に私より前に長嶺さんから来てたらしいけど運良く私のメールを見てくれたので何とかなった。
それが昨日の話、そして今日は夏祭り当日。
夕方に集まる約束をしているのでそれまでは空いている。
私はこの時間を使い、今外出中だ。やっぱり夏祭りと言えば浴衣を着た方がいいと思ったので浴衣を探しに来たわけ。
祭りがあるからか浴衣が売ってる所では結構人がいる。
人が多いと見るのが大変で困る。
しょうがないので店員さんに最近のオススメを聞くことにしよう。
「すいません」
「はい、如何なさいました?」
「最近オススメの浴衣ってなんですか?」
「最近はですねぇ・・・」
最近は花柄や星型などのかわいい系が人気らしい。
逆に無地のもシンプルで人気と言うらしい。
それから少し迷ったけどちゃんといいものが買えた気がする。
着付けもしてもらったから後は戻ればちょうどいい時間になりそうだ。
┈┈┈┈┈┈┈ 相澤視点 ┈┈┈┈┈┈┈┈
そろそろ待ち合わせ時間か。
外に出ておくか。
そして外に出たら麻那辺さんが前にいた。
可愛かった。
赤い浴衣で所々に花が咲き、可憐だ。
僕が見惚れていると麻那辺が近くによってきた。
「どうかな?」
「可愛いですよ、似合ってます」
「あ、ありがとう」
浴衣着て顔真っ赤にしてクネクネするのをやめて頂きたい。
可愛すぎるよ。
「行きましょうか」
「そうだね」
とりあえずお祭りに行こう。
そして僕は夏祭りのある隣町に麻那辺さんと向かう。
◇
夏祭りの会場は河川敷近辺だ。そこを中心に屋台が並んでいる。
たくさんの人が右往左往してるので迷子になったらひとたまりもない。
「麻那辺さんはぐれないよう気をつけてください」
「うん」
「!?」
そう注意したからなのか?麻那辺さんが手を握って来た。
「麻那辺さん?」
「はぐれないようにするにはこうするのが一番だよ」
「わかりました」
あー手汗とか大丈夫かな?
これからどこ行くか。
「麻那辺さんどこか行きたいところありますか?」
「お腹空いたしなにか食べようよ」
「それもそうですね」
「じゃあ見て回ろう」
僕達はそれから会場内を見て回った。焼きそば、唐揚げ、お好み焼き、りんご飴、色々な食べ物があって何を食べるか悩んでしまう。
「決めた!」
「何にするんですか?」
「イカ焼き!」
おぉ、イカ焼きか確かに美味しそうだけど、食べ歩きは無理だな。
「ならどこか座れる場所見つけてから食べましょうか、とりあえず買っちゃいますね」
「うん・・・あ、お金」
「僕が出しますよこれくらい」
「ありがと」
それから麻那辺さんのイカ焼きと僕の分の焼きそばを買って、ついでに美味しそうだった焼き鳥を買い、河川敷の空いてる場所に座る。
「どうぞ」
「ありがと」
麻那辺さんがイカ焼き、僕が焼きそばを手に取り食べ始める。
焼き鳥は自由にどうぞ。
「美味しい」
「屋台の食べ物って美味しいですよね」
「だね」
「この後どうします?」
「あと少しで花火も上がるらしいからそれ見てから帰ろうよ」
「わかりました」
それからしばらくすると花火が上がる。赤、黄、青とカラフルな色合いで夜空に映し出される。
「相澤君」
「なんですか?」
花火の音のせいでよく聞き取れない。多分呼ばれた気がする。
「────だよ」
「え?」
なんて言われたのかは聞き取れなかった。
後で聞いてみるか。
僕と麻那辺さんはそのまま花火が終わるまで見ていた。
◇
「楽しかったね」
「そうだね」
「帰ろっ!」
「わかった」
それから僕達は自宅に戻った。長嶺さんが遭遇するとか言ってたけど、全然見つからなかったな。人が多くて見つかんなかった感じかな?
今日は楽しかった。麻那辺さんの浴衣も可愛かったし。
もう部屋の前だし花火の時のやつ聞いてみるか・・・。
「麻那辺さん」
「なに?」
「花火の時に言ってくれた奴、なんて言ってくれたんですか?花火で聞こえなくて・・・」
「あーあれね、自分の気持ちを再確認しただけだよ」
「・・・そうなんだ」
「うん、相澤君、好きだよ」
ドキッ
あれ?今のなんだろ胸のあたりが・・・・・・・・・気のせいか。
気づけば麻那辺さんはもう自分の部屋に入っていくところだった。
まぁこの胸の違和感もそのうちわかるだろう。




