表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/89

4話『放課後に』

 お昼が終わってからは特に何事もなく時間が過ぎていった。麻那辺さんも午後は他の友達と話していたので話すことは無かった。

 今は放課後。僕は部活動には入っていないので今日は本屋によって帰ろうと思い学校を出た。


 駅前の本屋に着き見て回っていると新作の本を見つけ、手に取ろうと手を伸ばすと何故か同じ本を取る手が2つあった。ひとつは僕の手だ、もうひとつの手は?


「ごめんなさい」


 考えていると声とともに手が引っ込んでいった。声のした方に目を向けてみれば、眼鏡をかけたポニテの女子がいた。


「いえ、こちらこそごめんなさい」

「もしかして、この本買おうとしてましたか?」

「あ、はい、そうです、貴方もですか?」

「そうです!この物語シリーズは大好きで新作がでたって見たんで買いに来たんです!」

「俺もこの物語シリーズは結構好きだったよ、新作が出てるとは知らなかったけどまさか今日からだったとはね、運がいいね」

「ですね!あ・・・でもこれ1冊しかないですね」


 まさかの1冊しかないという、今日発売だから売り切れ間近だったわけかここは譲るか。


「あーほんとだ・・・じゃあ君に譲るよ」

「え!?それは悪いですよ、あなたに譲ります」

「いや、君が買わなくても俺はそのまま帰るので」


 譲り合っててもキリがない気がしたから強引に切り上げよう。


「む〜仕方ないですね、あなたのその制服は南星の服でしょうか?」

「ん?そうだけどそれがどうか?」

「実は私も南星なんです、だからこれ読み終わったら貸すってことでどうですか?」

「いや、わざわざ貸してもらわなくても日を改めて買いに来るよ」


 なんでいきなりこんなこと言ってるんだろうか、違う日にくればまた売ってるかもしれないし俺は即読みたいとか思ってる訳でもないからそこまで気を利かせなくていいのに。どうするか・・・


「私1年の佐宮さみや美月みつきと言います」

「えーと、僕は2年の相澤玲央です、よろしく」

「先輩でしたか、それでは後日伺わせて頂きます、失礼します」

「あ、あぁ」


 なんかいきなりすぎてついていけなかった。後日来るとか言ってたけど、まさか2年の教室まで来るなんてことは無いはずだ、クラスまでは教えてないから知らないはずだし。気にしててもしょうがないし、今日は帰るか。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ