28話『お姉さんと私達』
私は相澤君が風邪が悪化して休んだと聞いた時、すごく心配になった。1人で身の回りのことをするのは大変だし、心細いはずだ。今日学校終わったらお見舞いに行こう。
麻那辺さんはその後、長嶺さんにお見舞いに行く旨を話し一緒に行く。
相澤君には申し訳ないけどチャイムを押して玄関を開けてもらうしかないそう思っていた。しかし出てきたのは1人の女性だった。しかも同じ制服。でも見覚えはない。誰だろうと思った。
「あら?いらっしゃい、玲央のお見舞いかな?」
「そうやけど、アンタは誰や?」
相澤君のことを名前で呼び、お見舞いにも来ている。誰と思ったけど長嶺さんも同じことを思ったのか。聞いていた。
「私は相澤椿。玲央の姉です」
「え!?あ、すんません」
「大丈夫。気にしてないから」
「私の名前は麻那辺愛花です」
「ウチは長嶺涼子っていいます」
お互いの自己紹介が済み、相澤君の部屋に案内される。薬も貰って熱さえ引けば学校には行けるらしいので早く良くなって欲しい。少し話をしてると薬の効果か眠くなっている相澤君。私達は早く治って欲しいのでそのまま部屋を出た。
リビングに案内されると椿さんと少しお話することになった。
「玲央の友達になってくれてありがとう」
「いえいえ、私達は・・・」
「聞いているわよ、長嶺さんは玲央に告白をしたとか」
「え!?相澤がそんな事を?」
「この前のGWの時にね、女子と仲良くなったのにも驚いたけど、その1人からは告白的なものまで受けたって言うじゃない。これが驚かずにはいられなかったよ」
相澤君、椿さんにも報告したりしてるんだ。
「まぁ、たしかにウチは告白したけどあの時はあいつの事に興味があっただけだったんです。でも気づいたら好きになってた」
私も椿さんに知っていて欲しい。長嶺さんだけ家族に紹介的流れを作る訳にも行かないし。
「私も相澤君のこと好きなんです!この前告白だってしました。ちゃんと考えてくれるって言って、今はアピールの真っ最中なんです!」
「そうなの!?愛花ちゃんまで玲央のこと好きなってくれるなんてお姉ちゃん嬉しいわ」
もうこの時には椿さんが私たちのことを名前でちゃん付けになっていた。
「玲央の選んだ人なら私は反対しないつもりだから二人とも頑張ってね」
「「はい!」」
それから相澤君の好きな物や苦手なものなど色々な話を椿さんに聞き私達は帰った。
明日は相澤君も学校来れるといいな。なんて思いながら眠りにつく。
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