表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/89

25話『告白と決意』

  GW明け、学校に来たら男子達に迫られた。理由はGW中に麻那辺さんと2人でスーパーから出てくるところを目撃した。ということらしい。

 

  あの現場を見られてしまったのか。そして学校中の噂になってるわけか。

  そして僕は今校舎内を走り回ってる。後ろからは怨嗟の声。

 

「おい!相澤てめぇなに麻那辺さんと付き合ってんだ!」

「僕と麻那辺さんはそういう関係じゃないよ」

「嘘を言うな。嘘を!」

「そうだ!GW中に会うなんておかしいだろ」

「ましてやスーパーで買い物とか同棲でもしてんのか!」


  僕が誤解だと言っても聞く耳持たず。ひたすら追いかけてくる。この暴徒たちを止める手段は未だ登校してない麻那辺さんくらいだろう。


  僕はそのままHRが始まるまでの時間ずっと追い回されていた。

  麻那辺さんはチャイムギリギリで登校してきて状況はわかっていないみたいだ。


「あれ?どうしたの?そんなに汗だくで」

「はぁはぁ・・・麻那辺さん男子を止めてください」

「え?どういうこと?」

「HRが終われば分かりますよ」


  HRが終わり、先生が教室を出た瞬間、男子が僕の周りに女子が麻那辺さんの周りに集まりだした。囲まれて逃げ道はもうない。

  周りの男子が次々に問い詰めてくる。


「おい、相澤、どういうことだ!はっきりしやがれ」

「なんでお前が!」

「麻那辺さん、相澤と付き合ってるのか!?」

「愛花ちゃん、相澤君と付き合ってるってほんと?」

「え?え?」


  麻那辺さんめちゃくちゃテンパってる。あ、長嶺さんが事情説明してる。これでどうにか状況改善されればいいけど。


「えっとね。私と相澤君は別に付き合ってるわけじゃないの。お互い住んでるところが近くでたまに一緒になるの」

「なーんだ、たまたまか」

「そっかー、これで一安心だ」

「ほらみんな、納得したなら席に戻って」


  長嶺さんが解散を言ったことでみんな席に戻っていく。これで何とかなった。


「長嶺さん、麻那辺さんありがとう」

「ううん、気にしないで。」

「せやで、麻那辺さんが言わなきゃみんな納得せんかったやろしな」

「そうだね」


「ねぇ、相澤君」

「なに?」

「今日の放課後時間ある?」

「放課後ですか?大丈夫ですよ」

「じゃあ屋上に来てもらえる?」

「はい、わかりました」


  なんだろ屋上で話なんて、まぁいいか、放課後になれば分かるか。


  そして放課後、僕は約束の屋上に向かう。

  屋上にはまだ誰も来ていなかった。麻那辺さんも先に教室から出たからもう行ってるものだと思ってたけどどうしたんだろ。


  そんなことを思っていると屋上のドアが開いた。来たのは麻那辺さんと長嶺さんだった。なぜ2人が?


「相澤君、来てくれてありがとう」

「よお、相澤」

「うん、長嶺さんも麻那辺さんに呼ばれて?」


「いや、今日はウチと麻那辺さんから話がある」

「え?2人から?」

「うん、相澤君」

「・・・」


  麻那辺さんは深呼吸を繰り返していた。何も言う気だろう。僕もなんだか緊張してきた。


「相澤君!私は貴方の事が好きです!私と付き合ってください!」

「!?」

「相澤!ウチもあんたの事が好きだ!ウチと付き合ってくれ!」

「!?」


  麻那辺さんが俺の事を好き?なんで僕のことを。長嶺さんには前に告白を受けたけど今度はちゃんと好きって言われた。ダメだ頭の中ごちゃごちゃでわからない。


「でも相澤君もいきなり2人からの告白を受けて返事なんて出来ないよね」

「だから文化祭の後夜祭前までウチらはあんたにアピールする。相澤は後夜祭前にウチらに告白の返事をする」

「これは私たちが決めたことだけど絶対にこの日までには答えを出して、それが無理ならここで今すぐ振って!」


  麻那辺さんも長嶺さんも僕の返事を待ってくれる。僕がしっかり考えられるように待ってくれる。なら僕は───


「わ、わかった!その日までにはちゃんと答えを出すよ!」


 ───2人の気持ちにちゃんと向き合おう!


「ありがとう、相澤君」

「これからは遠慮せずにどんどんアタックするからな」

「私もどんどん行くからね、覚悟しててね♪」


  ああ、僕の平穏な日々は一体いつになったら戻ってくるんだろう。麻那辺さんに長嶺さん、休める時がない気がするのは気の所為ではないだろう。

  周りから見れば贅沢な悩みだと一蹴されるだろう。


 

  この日を境に僕の少し平穏だった日々もなくなって行くのであった。

ご覧頂きありがとうございます。


ブクマ、感想、評価等いただけると大変励みになります。


これからも応援のほどよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ