24話『ゴールデンウィーク5』
実家に帰省して3日目、今日はアパートに帰る予定だ。
だいたい昼前はゆっくり過ごして、午後に帰ろうと思っている。
「おはよう、玲央」
「姉さんおはよう」
時刻は9時。いつもよりは少し遅い時間、姉さんは基本的に家にいる。なんでか聞いたことがある。
そしたら姉さんは『友達達は大体彼氏と遊ぶらしく休日に遊ぶということがないの』らしい。
だから姉さんは家にいることが多い。今年は受験生なので勉強をしながら休日は過ごしているとも言っていた。
「姉さん、もしどうしても暇だったらこっちに遊びに来てもいいからね」
僕は1人で勉強してても疲れるだけだし、息抜きもかねてこっちに来ることを提案する。
「ありがとう、玲央、今度遊びに行くね!」
姉さんは喜んでいた。僕も提案したかいがあった。
そして帰る時間になり僕は家を出る。
見送りに姉さんが出てきた。
「じゃあ今度遊びに行くね、またね」
「うん、それじゃ」
家の前で姉さんと別れ、僕は帰宅した。
3日振りの我が家に帰ってきた。すごくゆったり過ごせた3日間だった。
ただいまの時刻16時、まだ夕飯までに時間がある。僕はGWの課題するために勉強を始めた。
───ピンポーン
チャイム音がなりハッとなる。集中していたらしく気づけば20時になる所だった。同じ体制で居過ぎたのか体が痛い。体をほぐしながら玄関を開ける。
「やっほー!元気ー?」
「元気ですよ、麻那辺さん」
やはりというかチャイムを鳴らしたのは麻那辺さんだった。
帰る時間は言ってないのでこの時間帯にしたのだろう。
「ならよかったよ!ご飯は食べた!?」
「食べてませんよ」
「じゃあ一緒に食べよう!」
「・・・麻那辺さん。そのテンションはどうしたんですか?」
麻那辺さんのテンションが異様に高い。酔っ払っているのではないかと思わせるくらいに。
「そう?そんなにテンション高い?」
「ええ、異常なまでに」
「相澤君が帰ってきたからかな?」
「なんで疑問系なんですか」
「多分そう!きっとそう!」
「そうですか。じゃあ一緒に食べますか?」
僕も麻那辺さんの言った言葉が嬉しかったのか、僕の方から誘ってしまった。いつもは押し切られているので自分からなんて初めてだ。
「うん!お邪魔しまーーす」
麻那辺さんを家に入れ冷蔵庫を開ける。あ、何もない。3日間こっちいなかったのでもちろん食材があるはずもない。仕方ない買いに行くか。
「麻那辺さん、食材がないので何か買ってきますけど何がいいですか?」
「じゃあ私も行く!」
「わかりました。行きましょう」
それから僕と麻那辺さんは近くのスーパーに向かった。
スーパーの中はもう閉店間際とあって人が少ない。惣菜コーナーを見て回るが大体売り切れ。刺身やお弁当も売り切れ。
「何も無いですね」
「だね、今日はカップラーメンにしちゃう?」
「いいんですか?それで」
「まぁ仕方ないからね」
「じゃあ何食べますか?」
「きつね」
「じゃあ僕はたぬきで」
買う物も決まり会計を済ませ店を出る。そのまま僕達は家に帰った。
家に着きカップ麺にお湯を入れる。
麻那辺さんはカップ麺に向かって『ハハハ、3分間待ってやる』なんて遊んでいたがスルーする。
スルーされたのが嫌だったのか『なんか言って』『スルーしないで』なんて言ってくる。
2人でじゃれていると3分タイマーが鳴った。
「「いただきます」」
2人で食べながらこの3日間のことを話していく。僕の方はほとんど話すことがない。逆に麻那辺さんの方はずいぶん活発なGWになっていた。
「ハードな2日間でしたね」
「うん!でも楽しかったから、今度は相澤君も行こうよ」
「そうですね。機会があればお願いします」
「わかった」
ご飯が食べ終わり、麻那辺さんはそのまま帰っていった。ほんとにご飯食べに来ただけみたいだ。よく分からない人である。
GW明けの月曜日僕は何故か走っていた。




