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16話『昼休み2』

 ──キーンコーンカーンコーン


  昼休みになった。佐宮さんと食べるので学食に向かうため席を立つ。

 

「あれ?学食に行くの?」

「そうですよ」

「私も行こうかな」

「麻那辺さんはお弁当でしょ?」

「そうだよ」

「学食は弁当を持って入れませんよ」

「ええーっ!」

「今日は諦めてください」

「ううーじゃあ明日は一緒に食べようよ!」

「わかりました」

 

  こうして何とか麻那辺さんをかわして教室を出る。

  今度は長嶺さんが待ち構えてた。なんで今日に限ってこんなに捕まるのだ。


「相澤〜学食か?」

「そうですけど・・・」

「じゃあ一緒に食べようや」

「今日は先約がありますから、すいません」

「誰や?麻那辺さんか?それとも佐々木か?」

「いえ、今日は後輩と一緒にご飯食べる約束です」

「後輩?」

「この前僕のところに来た女の子がいたでしょ」

「あぁ、あのポニテの子か」

「そうです」

「なんでわざわざ一緒に食べるんや?」

「この前借りた本。それについて語り合いたいらしいので、誘われました」

「なるほどな、今日は諦めるとするか」

「すいません」

「気にせんといて、相澤も交友関係広げなあかんからな〜邪魔しないようしとくわ」

「余計なお世話ですよ」


  そこで会話は終わり、やっと学食にやってこれた。席取っておかないといけない、今日はチャーハンにした。チャーハンを貰い、学食の一番端の席が空いていたのでそこに座る。

  それから5分くらいして佐宮さんが来た。手にはきつねうどんの乗ったプレートを持っている。


「お待たせしました」

「大丈夫、僕も今来たところだから」

「そうなんですか?」

「うん、色々捕まっちゃってね」

「なるほど、もう大丈夫なんですか?」

「うん、大丈夫だと思うから、食べようか」

「はい、そういえば貸したヤツはどうでした?」

「とっても面白かった、今回は前編だけだから早く続きが気になって仕方ないね」

「ですね、これからスーパーで戦闘だ!ってワクワクしてたのに後編に行くなんて」

「そうだよね、せっかくどんなお弁当を取るのか期待してたのに、それでその日の夕食に買って食べようと思ってたのに!」

「わかります!私もその日はお母さんにご飯はお弁当にするって言っちゃったんですよ!なのにわからないとか、おかげでおにぎりで済ませてしまいました!」

「次はいつ発売だっけ?」

「来年の春です!」

「1年も先か、長いな」

「ですね、来年もこうして語り合いましょう!」

「そうだね!」


  こんなに盛りあがっているのはとても珍しい、普段は1人で読んで終わりだったのに、同じ話が出来る人がいるだけで全然違う。これからも語り合いたい相手である。

 

  さてこんなに盛り上がっている訳だが、ここは学食だ、たくさんの人がいる。結果たくさんの視線を集めている僕達がいる。


「・・・」

「・・・」

「・・・先輩」

「・・・どうした?」

「恥ずかしいです、早く出ましょう」

「そうだな、早く出よう」


  僕達は残りの昼飯をかき込んで、学食を後にする。

  逃げてきた場所は中庭だ。


「はーー、恥ずかしかった」

「だね、舞い上がりすぎたよ」

「本の話になると結構うるさくなっちゃうんだ、今度からは話す場所も考えないといけないですね」

「そうだね、大勢の人がいるところは避けないと、また注目を浴びちゃうからね」


 

「先輩、連絡先交換しませんか?」

「ん?いいけど・・・」

「新作や面白いものを見つけたら教えてください、私も教えます!」

「なるほど、わかったよ、はいこれ」

「ありがとうございます、登録しました」

「じゃあそろそろお昼休みも終わるし戻ろっか」

「はい」


  そして中庭から校舎に入り、1年の教室と2年の教室へそれぞれ別れた。その後ろから


「先輩!」

「ん?」

「これからもよろしくお願いします!」

「こちらこそよろしく!」


  そして僕に2人目の友達ができた。悲しいヤツとか思わないで!

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