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14話『もしもの話』

  麻那辺さんや長嶺さんと遊びに行った帰り、最後にとんでもない事を言われた。長嶺さんと付き合うか・・・この前知り合ったばかりで、今日遊ぶまではほとんど接点のなかった人だ。

  いきなり面白そうだから付き合えとかよくわかんない。これからアピールもしてくるらしいし、一年後には答えも出さないといけない。

  明後日からはまた大変な日になりそうだな。


 ----------------------------------------------------------


 ──日曜日


  いやー2年生始まってまだ1週間なのになんでこんなに大変なことになってるんだろう。

  今日はしっかり休んで、来週に備えようかな。


 ──ピンポーン


  嫌な予感がする。僕の家を知ってるのは家族と麻那辺さんくらいだ。長嶺さんは場所までは知らないはずだから大丈夫だ。てことは家族か麻那辺さんかだ。家族ならまだ気が楽だ。

  だけど、麻那辺さんだと全然休める気がしない。

  仕方なしにドアを開ける。こういう嫌な予感がしてる時は大抵今一番嫌なことが起こるものだ。今回は後者だったようだ。


「・・・麻那辺さん、なんですか?」


  そう、麻那辺さんだ。わざわざ日曜日までこっちに遊びに来ないで欲しい。


「なに?その嫌そうな顔」

「いや、疲れてるので休みたかったんです、それじゃあさよなら」

「ちょっと待って、今日は日曜日だよ、遊ぶしかないでしょ」

「遠慮します、友達呼べばいいじゃないですか」

「当日に遊ぶ約束なんて決められないんだよ、女子はね準備が大変なの!」

「そうですか」

「てことでお邪魔します」

「あ!ちょっ!」


  また上がりこまれた。こうなると満足しないと帰っていかないので諦めるしかない。


「相澤君はなにかする予定だったの?」

「人の話も聞かずに押し入ったのに今それ聞くんですか?」

「いや〜手伝えることなら手伝うよ、暇だから」

「いえ特には、読書とかですかね」

「つまんない!それは私が暇だからダメ」

「じゃあ、何やるんですか?」

「うーん、じゃあもしもゲームでもやってみない?」

「もしもゲーム?なんですかそれは?」


  もしもゲーム・・・それはもしもそれが起きたらというシチュエーションでどうするのかを答えていくゲームである。

 

「なるほど、面白そうですね、少しやって見ますか」

「そうこなくちゃ!」

「お題はなんですか?」

「じゃあね〜、もし一度に魅力的な異性から告白されたらどうしますか?」


  これで私が相澤君に付き合ってともし言った場合の考えが聞けるかもしれない。ずるい考えかもしれないけれど許して欲しい。


「いきなり凄いお題ですね、そうですね僕はその2人の中に好きな人がいるなら好きな人を選びます、いなければ断ります、これは僕に好きな人がいない場合も同じです」

「ふむふむ、どうして?好きな人がいないのになんで魅力的な異性からの告白を断っちゃうの?」

「・・・わかりません、まだその人のことも知らないでいきなり付き合うのは難しいと思うからですかね?」

「知ってる人だったら・・・」

「そしたらその時考えると思いますよ、今の僕じゃわかりません。

 次は麻那辺さんの番ですよ」

「私は〜好きな人じゃなければ断る」

「その心は・・・」

「好きでもない人と付き合っても楽しくないと思うから」

「なるほど」


  そっか好きな人になれないと付き合うことは出来ないか。相澤君は誰でもいいわけじゃない、ちゃんと考えてくれる人だ。振り向いて貰えるようにこれから頑張っていこう。


「相澤君・・・私・・・お腹空いた」

「ほんと自由な人ですね、何か食べたいものあります?」

「なんでもいいよー」

「あんまり手間かけたくないので、オムライスかラーメン、どっちがいいですか?」

「じゃあラーメン!」

「わかりました」


  こうして今日のお昼はラーメンになった。カップ麺ではなくインスタントラーメンだ。家には醤油しかないから醤油だ。

  ささっと完成さして、席に着く。


「「いただきます」」



  お昼を食べ終わり、片付けも終わってリビングに戻る。


「次のお題行こう」

「まだやるんですか、はい」

「もし、なんでも願い事を1つだけ叶えてくれる神様が現れたらどんなお願いをする?」

「そうですねー、どうしても叶えて欲しいお願いはないので、瞬間移動が出来るようになりたいですね」

「瞬間移動か、なんで瞬間移動なの?」

「麻那辺さんに見つからずに学校に行けるから」

「え!?理由が酷い、そしてそれだけのために使われる能力が不憫だ」

「くだらないとは失礼な、じゃあ麻那辺さんはなんですか?」


「私は人の心が読めるようになりたい」

「なんでですか?」

「好きな人の心が読めれば嫌なことはしなくて済むし好きなことは積極的にできるかもしれないでしょ?」

「でもその能力他人の聞きたくない話や、好きな人の悪い部分など嫌なところも沢山見ることになると思うんですけど、ほんとにそれでいいんですか?」

「あう、それは嫌かも、やっぱりなし!」

「そうですか」

「ちょっと難しい内容だったね」


  もしもゲームをしばらくやりそろそろ夕方になる


「麻那辺さんはいつまでいるんですか?」

「いちゃダメなの?」

「ここのところほぼ毎日いるじゃないですか?」

「たしかに、隣だと色々できるから楽なんだよね」

「たしかにたかりに来ますもんね、プライベートもなんもないですから」

「たしかに、相澤君のプライベート空間なはずなのに邪魔しちゃってごめんね」

「せめて週何日か決めてください、毎日はさすがに無理です」

「じゃあ週4でいい?」

「まぁ4日ならいいですよ」

「ありがとう、じゃあ今日は帰るね」

「はい」

「じゃあね」


  麻那辺さんは帰ってった。毎日女子と何時間も過ごすのは難易度が高い。学年1の美少女、ほんとなんで僕にこんなに構うのだろう、来週からは週4で来るらしいけど、それでも多いよなー。

  明日学校行けば長嶺さんの事もある。今年1年平穏な日々はないのかもしれない。・・・はぁーー。


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