幼少~少女へ
それから一年過ぎた頃だろうか 母が男を連れて家にやって来た
この前の男とは違うのか きちんとスーツをきて挨拶にきた
石黒雅昭と名乗った
石黒は私が小学校を卒業するまで待って 中学は東京にと提案
祖母もそこまで孫の事を思ってるならと 快く承諾
良かったね玲奈 新しいお父さんに可愛がってもらうんだよ
後から分かる事だが この石黒と言う男はとんでもない男だった
やがて小学卒業 再び祖母とのお別れがきた
(玲奈 ちょっとこっちに)
何だろう…と台所にいる祖母の所へ行くと
(これ 何かあったら帰っておいで と渡された)
ティッシュに包まれたのは折り曲げられてた一万円だった
(お婆ちゃんありがとう…)
(玲奈~行くよ)と母が呼んだ
後部座席に坐り 祖母との別れで涙した
(外国行くんじゃないんだから また会えるから 玲奈元気で頑張るんだよ 石黒さん玲奈の事宜しくお願いしますね )
(分かりました 必ず玲奈ちゃんと 三佐子さんは幸せにします)
そう言って車は走り出した
自宅はマンションで私の部屋は準備してあった
私の趣味とは裏腹に ピンクのカーテンや ぬいぐるみ等が飾ってあった
戸惑う私に石黒が言った
(あ~これ娘の 知加の そのまんまなんだ )
どうやら石黒は離婚暦有りで 子供一人は元奥さんが引き取ってる 離婚理由は不明だった
母親の振る舞いを見てると やけに石黒に気を使うのが犇々と伝わった 前の男とは扱いが違う 女は相手が変わるとこうも違うのかと始めて知った
それから数日 石黒が本性を表すまで時間は掛からなかった。