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夢幻と現実の狭間で…  作者: 魔死吐?
夜の学園編
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エピローグ


後に魔法学校の暴走と呼ばれる事件はこうして幕を閉じた。魔道具の危険性をアドルフはカチュアの祖父と協力しながら夢幻世界全土に訴えかけた。カチュアの作成した資料の穴を埋めるかのような、カチュアの祖父が何処から集めてきたのかわからない資料が存在したことも大きい。結局リカードを含め、計画に参加した教師たちは全員が魔法学校を辞め、裁かれることとなった。グレンも内部告発したことで罪が軽くはなるが、彼の家に伝わる魔道具の知識が今回の魔道具を作る助けになったということで彼も裁かれることになる。

「まぁ、自分のしでかした事だからね」

 そう言って、悲しげに笑いながら自らの罪をグレンは認めた。償って釈放されたら夢幻世界の為に働くそうだ。

 ケリィやリックもそれぞれの場所に戻って行った。事件を解決したカチュアたちは、自分たちが事件を解決したとは名乗り出なかった。懸念していた通り、自分たち資質ある魔法使いの立場が脅かされるから魔道具を無くそうとした。と言い出す人物が居たからでもあるが、何よりリカードを通して自分たちが何を夢幻世界のためにすれば良いのか考えるようになったからだ。表彰なんてされたら動きにくくなる。だから名乗りでずに各々ができることをやろうと話あったのだ。

 カチュアは夢幻世界にNPO団体を作ろうと考えていた。現実世界で見た無償で他者のために働く人々。今回の事件や現実世界を見て回って自分がいかに自分本位だったのかと痛感した。では自分に何ができるのかを考えたときに思い出したのがそれだった。

「はぁ、大変そうだな」

ボランティアという概念のない夢幻世界でどこまでできるのかわからないが、頑張ってみよう。そう決意し、さっそくお爺様に報告しようと歩き出した。


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