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夢幻と現実の狭間で…  作者: 魔死吐?
魔道具編
33/45

資料作り


リックは三十分ほどカチュアと会話した後、去って行った。自分にはやるべきことがあるのだと言い残して。正直、カチュアも情報を整理したかったので、ありがたかった。彼について行って仲間になる。その発想はあったが、自分は何故か狙われている。そんな人間が仲間内に居るのはリックたちにとってデメリットだろう。

行動を進めながらも、常に護衛対象であるカチュアを意識しなくてはならない。それも大魔法使いクラスの相手に対してだ。そんなことになれば、精神的にも厳しくなってしまうだろう。リックもそのことが分かっているので何も言ってこなかった。だから別行動をとることにしたのだ。

淋しい気持ちはあったが、彼らと行動を共にできなくてもやれることはある筈だと、今は前向きに考える。リックも同様にカチュアを誘いたかった。しかし、それをしてしまっては仲間が不利になる。だから名残惜しいが、連れて行くのを諦めたのだ。彼はまだ少人数とはいえ曲がりなりにも一つの組織を預かる身だ。不用意な行動はできない。だからこそカチュアを誘うことはなかった。

その後、ケリィが戻ってくるまでに、用意していた紙に今までの情報を書き込んでいく。今日一日で驚くほど情報が集まった。無論、口伝のため、資料を集めて正しいことを証明できなくては、せっかくの情報も意味をなさなくなる。恐らくはリックたちはそう言った行動をしていないのだろう。

もし本当なら口で話すのではなく、資料を直接渡しているだろう。何故ならその方が効率的で、わかりやすいからだ。しかしリックは口で語った。情報を秘匿する為だと考えた可能性もある。しかし、リックの持っている情報はむしろ積極的に広めた方が良いものだ。新型魔法具が寿命を削るものである。そんな資料が公開されれば、国も動かざるをおえない。しかし、リックの様子から資料は存在しないのだろう。

だからカチュアは魔道具の危険性をまとめた資料を作ることにした。カチュアはリックがどんな行動を起こすかわからない。しかし、どれだけ正しいことを主張しても危険であることが証明できなくては世間からは受け入れられない。このままいけばリックたちは難癖つけて新型魔法具の営業妨害をする傍迷惑な連中というイメージのままいつの間にか忘れられていくだろう。

そんな事にはさせない。そう決意を新たに資料作りに取り掛かろうとする。


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