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夢幻と現実の狭間で…  作者: 魔死吐?
魔道具編
32/45

話し


カチュアも気が付いていると思うが、俺はあの日、その魔道具についてリカードとハートフィリアが話していることを聞いてしまった。最初は何の話をしているのか理解できなかった。でも、聞いているうちに、ヤバいことだということは理解できた。止めようと思っても、正直二人の話の内容から黒幕は別に居ることはわかったし、カチュアの知っての通りに俺は見つかって反省室に捕まってしまった。

あの後、俺は結局魔道具が出回るのを阻止できなかった。そりゃそうだよな。向こうは俺が知るよりだいぶ前から準備をしていたんだ。俺が今さら妨害したところで時間稼ぎにもならなかった。だから今俺たちは信頼できるメンバーを集めてこの事件を何とかしようとしている。

正直大人は信用できない。最初俺はリカード以外の先生やそれなりに力のある大人たちにこの事を話して協力を仰いだ。でも結果は誰も手伝ってくれようとしなかった。俺とリカードのどちらを信用できるか、言うまでもなく理解できるだろう? あのリカードの態度がポーズだとは俺も思わない。でも、全てでは無いことも俺は知ってしまった。それに俺は魔法学校を卒業したばかりだ。所詮は子どもの戯言扱いだ。しまいにはふざけるなと言われて追い回されたよ。

確かにお前ほどじゃないけど俺みたいに資質のあるガキがそんなことをほざいて回っても自分の優位性が脅かされるのを恐れて行動していると思われてもしかたない。それはわかる。でも、大人はあてにならないことも理解できた。

あ、別に人間不信になったわけじゃねぇぞ。大人たちの事情も理解できるからな。だからこそ、今回の件では信用できないという意味だ。いくら寿命を削ると言っても効果は確かに大きい。自分の命削ってでも素質のある相手を見返してやりたいって連中はそこら中に居るからな。

あの青髪の奴が言っていたことは本当なのか? あぁ、アイツが言っていることは本当だ。ならアイツの正体から話さなきゃな。

アイツの名前はメビウス。本名なのかまではわからないが、そう呼ばれているらしい。一言でいえば黒幕、いや、スポンサーと言った方が正しいか。リカードたちに資金や技術を提供しているのがアイツだ。アイツが提供した技術からリカードたちが選んで組み上げたのが、その魔道具らしい。あんな外見だが学園長より長生きらしい。

そんな奴がなんでお前と接触してきたのか、何でお前とアイツが接触するタイミングを見計らったかのように俺が接触することができたのか。それは言えない。だが、奴はお前を狙っている。これだけは覚えていてくれ。

正直な話、アイツの力は底が見えない。大魔法使いクラスであることは間違いない。さっきだって、アイツは逃げたわけじゃない。見逃してくれたんだ。だから良いな? アイツと会ったら逃げてくれよ。さっきのオッサンが護衛みたいだけど腕が確かなら時間稼ぎをしてもらえ。その隙に逃げるんだ。

わかっている。自分が最低なことを言っていることくらい。でも、それだけアイツはヤバいんだ。俺は戦いが得意だとは言えないけど、アイツには誰も勝てない。それだけはわかる。だから、頼む。もしもの時は誰を、何を犠牲にしても逃げてくれ。

正直、何でリカードとハートフィリアがこんな魔法具を出回らせたのかわからない。でも、必ずこの魔法具を夢幻世界からなくしてみせる。




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