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私とあなたの赤い糸はどんな赤色より赤く・・・

作者: AKIRA

この小説はテーマ小説の『色小説』です。小説検索に『色小説』と入れると他の作者様方の小説もごらんになれます。

あなたもこんな風になったらどうしますか。

 私はあなたの前に座る。

 「おはよう」

 あなたに挨拶をしたが返ってこない。ちょっと声が小さかったかしら。あなたは朝食を取るのに夢中みたい。

 もう一度言ってみようと思ったけどやめた。多分返ってこないと思うから。

 私は朝食を取らず、あなたが食べ終わるのを待つ。その間テレビのニュースを見ていた。

 あら?『もめてた二人の論争に決着!歌手と漫画家の間で起こった事件は歌手に軍配が上がった』か。ふふふ、どうでもいいけど二人とも本職はどうしたのかしら。歌手の人、私は大好きなのに。早く次の曲聞きたいわ。

 「ねぇ、どう思う?」

 あなたの方を見ると、いつの間にか朝食を食べ終え、キッチンにお皿を持っていっていた。

 もう!話ぐらい聞いてよ!と頬を膨らませ態度で表していた。それなのにあなたは気にも止めず部屋に向かう。


 しばらくしてあなたはスーツを着て出てきた。

今日はお休みだけど何の日だったかしら?

 悩んでいるとあなたは玄関を出て、車に乗り込む。私も急いで助手席に乗り込む。

 あなたの運転は結構乱暴なのよね。すぐ遅い車を追い抜こうとしたり、赤になりそうな交差点に突っ込んでいったり。隣の私はいつも冷や汗が出っぱなし。

 でも今日は安全運転みたいね。安心だわ。


 少し走って、花屋の前で車を止めるあなた。車を降りて花を選び始める。私の好きな花、『花水木』を選んでくれた。その花どうするつもりなのかな。

 また車に乗り込んで走り始める。運転してる間、ずっと黙り込んでいる。

 何か話そうよ!そう思っていると、あなたは急に鼻歌を歌いだす。でも楽しそうではない。何かを思うように歌っていた。


 目的地に着いたよう。車を止め、花を持って出る。

 どこ行くの?私も続いて車を出る。



 ここは…


 交差点……



 ――――

 ――――――

 ――――――――



 『キキーーーーー!』



 タイヤのスリップ痕。その先には車の片方が原形を留めず、無残な形になっていた。


 あなたの方は無事だった様子。現状がつかめず、普通にドアを出て自分の車を見た。そして私のいるはずの助手席を見て全てを把握したようだ。


 「真美!!」


 「…隼君、体が…痛いよ…」


 「大丈夫か?!今助けるからな?!」


 しばらくして助け出された私は、体のあちこちの骨が折れていて、口から血を吐いていた。


 「真美、しっかりしろ!真美!」


 「…隼君、…ゴメン…ね?一緒に結婚式……出来なくて…」


 「何も言わなくていい!!もうすぐ救急車が来るから!」



 「…う……ん…」



 「真美?おい、真美!しっかりしろ!」



 ――――――――

 ――――――

 ――――


 そう、私はここで死んだんだ。3日後に結婚式を控えた日に。

 そして今日が私の命日。

 「私のために来てくれたんだ。隼君、ありがとう」

 その声に気付く事も無く、あなたは買った花を信号機の電柱の下に添える。

 「ゴメンな?真美…」

 あなたはそう言いながら、目からぼろぼろと涙を流していた。

 「あれから…あれから何度も君を追うために…自殺しようとした。でも…出来なかった。本当にゴメン。こんな僕で…」

 そんな事言わないで。私はあなたに抱きつこうとしたがそれは叶わない。

 すり抜ける私の手。私も悲しみがあふれ、涙が流れた。






 私の事でそんなに悲しまないで下さい。

 そんな悲しい顔をするあなたを見ると、私の方が悲しくなります。




 だから・・・だから・・・・、




 「泣かないで」







 「真…美?」

 あなたは声が届いたのかその言葉に反応した。

 「真美なのか?何処にいるんだ?」

 姿が見えない私を探し、虚空を見つめるあなた。

 「気のせいか…。いや、でもあの声は確かに…」

 そうだよ。私だよ。

 「…許してくれてありがとう。本当に…ありがとう、真美。そして僕を愛してくれて…。僕もずっと愛してる。これからも…ずっと…。だからもう…泣かない…」

 叫び終わったあなたは人目をはばからず泣いた。泣き続けた。

 言った側から約束破って・・・。

 そう言った私も泣いていた。


 いつかあなたが死んでしまう時まで、私はあなたを見守りつづけます。

 だから悲しまないで下さい。


 愛の誓いに『2人を死で別つ時まで愛しつづけますか?』と言うのがあるけど、私は守れない。

 死んでしまった私は今もあなたが好きだから…。

あなたも死んでからも愛する人を愛しつづける事が出来ますか?と言う気持ちで作りました。

どうだったでしょうか?評価の方お待ちしています。

AKIRAでした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 評価依頼ありがとうございます! 最初、読み始めた時は、倦怠期を迎えた夫婦の話、かと思いました。^^; が、実はとても感動的な作品でした。最近流行の「千の風になって」という歌のフレーズが聞こえ…
[一言] 文章は良く読みやすかった。スラスラと読めるかんじ。 物語は先がよめちゃいました。
[一言] 他の方は気付いてたらしいですがわたしはぜんぜん気付かなかったです・・・↓事故ったところを読んでも気付きませんでしたよ(泣ここまでくるともう謝りたいですね・・・ あとは、えっと、わたしにはび…
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