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災難1

俺はいつものように制服を着て、革靴を履いて、学生かばんを持って、行ってきますと言って、玄関の外に出た。母さんがいつものようにいってらっしゃいと声をかけてくれる。

夏も近づく今日この頃。俺は大きなあくびをしながら鞄を自転車のかごに乗せ、カギを開錠して自転車を発進させた。真っ青な空に広がる入道雲。青々と生い茂る緑の木々。風の匂い。すべてが夏を連想させる。変わりゆく季節。でもだからといって俺の私生活が変わるわけでもない。快適に自転車を走らせ、ものの10分で学校についた。ちょっと親孝行のつもりで必死に受験して入った県立梶尾公立高校。そんなに頭がいいわけじゃないけど、俺はこののんびりした高校を結構気に入っている。お祭り騒ぎが好きな奴には退屈な学校かもしれないが、大してやる気のない文化祭も、出場種目をさぼってもばれない体育祭も、ちょうどいいほどに騒がしい授業も、俺はのんびりできて好きだ。

駐輪場に自転車を止めて下足室へと向かう。革靴を上履きに履き替えていると、「おはよう」と声をかけられた。振り向かずそのまま「おはよう」と返す。教室へ向かおうとすると、そいつもついてきた。当たり前だ。同じクラスなのだから。

「内藤君、今日あの本持ってきたよ。」

その子ー高野美鈴(たかのみすず)ーはにっこりとほほ笑みながらそう言った。

「ありがとう高野。俺も昨日買った本持ってきた。」

俺も言いながら鞄をポンポンと叩いた。

「えっ、どんな本?」

とたんに高野の顔がキラキラと輝く。

本好きとはそういうものだ。

高野とは始業式の日に知り合った。図書委員に立候補したことがきっかけで、お互い極度の本好きであることが判明。そして今に至る。高野は普段は引っ込み思案で人と上手に対話できないのだが、本の話になると途端に饒舌になりべらべらと話し出す。本人はいつもそれを恥ずかしがっているのだが、俺は面白いからそういうとこは普通に好きだ。それに本への愛情が半端なものではないことも伝わってきて、彼女のことを素直に尊敬している。

俺たちは自分たちのクラス、1年3組に入った。各々の席に鞄を置くと、お互い本を持ち寄る。

「はい。どうぞ。」

高野が本を差し出す。俺は本を手に取り、その重みにうっとりとしながら「ありがとう」といった。

「それで、その、内藤君…」

俺は高野が何を言いたいのか瞬時に分かった。

「悪い悪い。ほら、これだよ。」

俺は鞄から分厚い本を取出し、高野に差し出した。

「わあ…ありがとう内藤君。」

受け取った高野の顔は嬉しさをこらえきれないとでもいうように綻んでいる。

その笑顔に思わず俺も笑みをこぼした。

学校が始まったその日から続いている本の貸し借りは、今ではくっきりとしみついて消えることのない習慣となっている。2人とも家に山のように本をかかえているから素材は尽きない。本が好きすぎて家にある本の貸し借りだけでは飽き足らず、たまに2人で休日に図書館に行ったりもする。花の高校生が休日に図書館だと、と呆れられるかもしれないが、お互いそれが一番楽しいんだから仕方がない。

高野は腰のあたりまである栗色のふわふわの髪の毛をみつあみにして、銀縁の眼鏡をかけているどこにでもいる普通の女子高校生だ。強いて言うなら、周りと違うのは尋常じゃない人みしりの性くらい。

普通にかわいいしいい子だと思うのだが、女子も含めて高野と会話をするのは俺だけだ。外見の暗さが原因じゃないかと俺は思う。あと、話しかけないでくださいって感じのオーラが出てる。人みしりゆえに身に付いた能力か、本人も知らず知らずのうちに放っているのだろう。俺も彼女が本好きだと知らなかったら多分話しかけていなかった。

「今度の本はファンタジーものなんだね。」

弾んだ高野の声に俺は意識を呼び戻された。

「あ、うん。そうなんだよ。しかも上・中・下の長編大作。外国の作家が書いたやつなんだけど、最近翻訳されたみたいで面白そうだったからつい、な。」

「ほんと面白そう。」

「昨日三冊まとめ買いしたから明日続き貸せるよ。」

「ええっ、ほんと?」

更に高野が嬉しそうな顔をする。

「ほんとほんと。おかげで財布からっぽだけどな。」

俺は苦笑いした。まだ今月はあと二週間あるから結構な痛手だ。

「大変だね。なんかごめん。えと、ありがたく借りるよ。きっとすぐに読み終わっちゃうんだろなあ。」

「俺もすぐ読み終わったよ。昨日寝る前に読み始めたら止まらなくて寝不足。」

「たぶんあたしもそうなるわ。」

2人でくすくすと笑いあう。

ふと高野が顔をあげて時計を見た。

「もうすぐ予鈴が鳴るね。」

その言葉に俺も顔をあげて時計を見、よっこらせと立ち上がった。

「じゃあそろそろ席に戻るわ。また次の時間語ろうぜ。」

そう言って手を振ると高野もにこにこしながら手を振り返した。

でも鳴ったのは予鈴じゃなくて校内放送を知らせる音楽だった。

「何の放送?」

高野がきょとんとした顔で言う。

「さあ…」

まだざわめいている廊下によく通る声が響いた。

『えー、1年3組の内藤真司君、至急生徒会執行部室に来なさい。繰り返します。1年3組の内藤真司君、至急生徒会執行部室に来なさい。えー、さらに繰り返します。1年3組の内藤真司君、早く生徒会執行部室に来なさい。またまたさらに繰り返します。1年3組の内藤真司君、さっさと生徒会執行部室に来い!』

「誰だよ、俺のことこんな散々呼びつけんの!」

俺、内藤真司(ないとうしんじ)は堪らず怒鳴った。クラスメイトの視線がぐさぐさ刺さって痛い。

「俺何も悪いことした覚えないのに、なんでこんなひつこく呼ばれなくちゃなんねえんだよ!ていうかなんで職員室じゃなくて生徒会執行部室なんだよ‼」

「もしかするとリリちゃんかもしれないねぇ。」

高野の言葉に俺は怒鳴るのをぴたりと止めた。

あいつか…。あいつならあり得る。いや、あいつに違いない。あいつ以外にこんなことするやつ他に思い浮かばない。絶対あいつな気がしてきた。ていうか今の放送絶対あいつの声だろ。

それまで聞こえていた騒音、もとい内藤コールは何時の間にかやんでおり、束の間静かになった。

「なんだ…?」

俺は教室に備わっているスピーカーに目を向けた。

「終わった、のか?」

「さあ…、でもまだ放送終了の音楽がながれてないしね。」

がががとスピーカーからノイズが聞こえた。

『…はい!えー、カウントダウン始めまーす。10、9、8、7…』

意味不明な放送にいよいよ教室がざわめき始めた。

「なんだなんだ?」

「カウントダウンてなんの?」

俺が聞きたい。嫌な予感しかしない。

『3、2…』

「ねえ、なんか廊下から音がしない?」

誰かがそう言った。

確かに。一体何の音なんだ?

『…1、』

音が近づいてくる。

「0ぉぉぉっっ!!!!」

馬鹿でかい声とともに歯切れ良くスパーンと教室の引き戸を開ける音がした。

俺が怖いもの見たさからドアの方向を見ると、あいつがいた。

「あっ、リリちゃん!」

高野が声をあげる。

「天宮っ…」

怒りのあまり思わず声が震えてしまう。皆の注目を浴びながら、諸悪の根源天宮梨々子(あまみやりりこ)はにっこり笑って「やっ、真司。はよっ」と俺に手を振ってきた。

皆の注目が再び俺に集まる。

能天気に笑う奴を見て、何かがぴきりとひび割れた。

「何の用だ。人に散々迷惑かけやがって…!」

声が荒くなりそうになるのを抑えて俺が言うと、天宮はきょとりとした顔で言った。

「迷惑?なにが??あたしは真司が遅いから迎えにきただけだよ?」

ひび割れる音がさらに耳の奥に響く。

「あぁあのなっ⁉」

「おはよう、リリちゃん。」

俺の心情にはまったく気づかずに高野が天宮にあいさつする。

「ああっ、美鈴ちゃん!はよっ」

天宮がこれまた能天気そうな声で高野に手を振った。

「そうだ、美鈴ちゃんも来る?」

天宮がやたらテンションを上げて、ついでに音量も上げて言った。

「えと、何に?」

「高野、まともに受け答えしなくていいから。どうせ厄介事に決まってる。それか馬鹿みたいなアホなことか…」

俺はやつが答える前に言った。高野が巻き込まれると多分自動的に俺も巻き込まれることになる。そして言うまでもなく、俺はそんなことになるのはごめんだ。

「それは後のお楽しみ。さあ、真司も行くよ!」

なんと天宮は俺が先手を打ったそのうえから言葉をかぶせて、挙句行くなんて一言も言ってないのに俺の手を引き皆の見守る中教室の外へ走り去った。

「な、おい!ちょっと待てよ!!」

俺の言葉には耳も貸さないでハイテンションのまま走り続ける。

なんと図々しい奴だ!

「待って〜、リリちゃん、内藤君〜」

後ろからパタパタと高野の足音がついてくる。

なんでもうすぐ授業始まんのについて来るんだよ!あと俺は引きずられてるだけだっ!

もちろん声には出さない。

ここで高野がこいつのやることに疑問を持ってこいつの強行を止めてくれるような人だったら…!

しかし多分それは叶わない。高野は話してみたらいい子だったが、なんというか、こういうやつに流されやすいというか、懐が広いというか、天然というか…。

走っている間に無情にもチャイムの音が鳴り響く。

こんなんじゃまた授業をサボり扱いになってしまう。

授業をしようと教室へ向かう先生何人かとすれ違う。

「おー、天宮か。相変わらず懲りないなー。」

「またお前らか。ほどほどになー」

「おい、天宮ぁ。単位落とさないように気をつけろよう。」

あんたらそれしか言うことねえのかよ!見ろよ!こいつもうすぐ授業始まんのに堂々と廊下走ってんだぞ、誰か止めろよ!止めてくれ!いや、止めてください!

しかし願い叶わずあっという間に生徒会執行部室とやらに着いてしまった。

「ささ、どうぞどうぞ〜」

天宮の明るい声が遠くから聞こえてくる。

…神様、俺何か悪いことしたでしょうか。俺はただただつつましく生きてきたつもりです。ただただ地味に生きて、学校に通い、本を読む、それだけをしてきただけです。ただただ本をこよなく愛しているだけです。

…もう一度聞きますが、俺は何かしたでしょうか。

俺たちのことを知らない人にはいきなりなんだこいつと思われるでしょうが、俺はこんな問いかけを神様にしてしまうほどいろいろな災難にあってきたのです。

…天宮梨々子のせいで。

「さあ、座って座って〜。今お茶いれるからちょっと待っててね。」

俺たちを強制的に椅子に座らせ、天宮は給湯室に消えていった。

「今度は一体何なんだよ。」

俺はつぶやいた。

天宮に巻き込まれた不幸は数知れず。俺はいつだってやつにあのテンションでひきずりこまれて、最終的には一番酷い目に合ってきた。奴が茶を淹れてる間に、俺の頭の中に記されている災難リストの中でもやつの恐ろしさがよくわかるのを紹介しよう。

そう、あれは俺が小学校3年生の時だった。俺と天宮はマンションの大家さんに頼まれて、大家さんの愛犬の散歩をすることになった。ちなみに俺と天宮は幼なじみというなんとも面倒な関係にあるのだ。住んでいるマンションが同じというだけでこんな目に合うのだから不公平だ。話を戻そう。今にして思えば、あれは大家さんの親切心だったに違いない。天宮はいつも大家さんの犬を「かわいい〜」と言いながら見ていたからだ。それなのに親切心で犬を預けてあんなことになるとは大家さんもさぞかし無念だったろう。俺たちは大家さんにいつもの散歩道を教えてもらって、散歩に出かけた。俺は当時犬が好きで触りたかったのだが、天宮がしっかり犬を独占してしまって散歩中も触ることができなかった。「僕にも触らせて」と幼い俺が頼んでも天宮は完全無視。奴の頭はおめでたいことになっているから、自分に都合の悪いことなどは聞こえないという機能がついている。羨ましいよまったく。そして散歩道の折り返し地点に着くと、天宮は今までリードでつないで犬を直接歩かせていたのに、ひょいと犬を抱きかかえて走り出した。

「梨々子ちゃん!?」ともちろん幼い俺は仰天して走り出す。俺は必死で天宮を追いかけた。この頃から天宮=何をするかわからない危険人物という認識になっていたのだ。天宮は近くの公園に走っていったかと思うとピタリと止まり、なんと池に犬を放りこんだ。「梨々子ちゃん!!?」とまた俺は仰天することになる。あわてて池の中に入り、溺れかけている犬を助け出した。

「梨々子ちゃん何でこんなことするの!?」

もちろん俺は奴に問うた。するとあいつはほけぇっとした顔で「だって、暑いじゃん。」といった。

「…え?」「暑いから犬も涼しくなりたいだろうなあって。思うでしょ?」

奴の言葉に俺は幼いながらも愕然とした。

「思わないよ!早くこの子を乾かさないと…」

「なんで?」

「風邪ひいちゃうだろ!!」

「あ。そっか。」

それまでも幼い俺は奴の意味不明な行動に振り回されていたが、このとき改めて奴は頭のねじが緩んでいるのだと理解した。とともに初めて奴に恐怖を抱いた。幼くても本能的にこいつといたら危ないと悟ったのだろう。

俺が心の中でそんな葛藤を繰り広げているうちに奴は犬をひょいと抱えて走って行った。

「今度は何をするつもりなの!?」

俺はさすがに犬の生命の危機を感じて全速力で追いかけて行った。しかし間に合わず奴はごみ置き場でライターを拾って犬に火をつけた。おいたわしや、犬。俺は自分がされたように何事か叫んで泣いた。何とか近くを通りかかった人がやつを止め、火を消した。その人はとても面倒見がよく、犬を抱えて医者に連れて行ってくれた。もちろん駆けつけた大家さんは青ざめて、天宮家は危うく強制退去させられるところだった。犬は助かったものの、全治2か月のやけどを負ってしまったのだ。かわいそうに何の非もない天宮母は何度も頭を下げて謝っていた。その横で突っ立っている娘は悪いことをした自覚がないのだろうか、いや100%自覚がなかったのだ、ぼおっとしながら必死で謝る母を見ていた。

俺はなぜ止めなかったと両親から質問を受け、飯抜きという処罰を科せられた。もちろん幼い俺は泣きじゃくって部屋にこもった。

事件の次の日から俺たち二人は危険な子供、いかれた子供というレッテルを張られ、マンション中の母親は自分の子どもと俺たちの接触を回避しようとした。

「みんなどうしたんだろねえ。」

そいつの極めて能天気な発言にとうとう俺はブチ切れた。

「おまえのせいだろうがあっ!!!」

ここで疑問に思ってほしい。奴はともかくなぜこの俺までもが危ない子どもと思われなければならないのか。なぜこの事件が原因で学校で皆から避けられいじめられなければいけなかったのか。そしてなぜ事件を起こした張本人は幸せそうなのか。まったく納得がいかない。

「はい、緑茶でぇす。」

にこにこ笑いながら奴は俺たちの前に茶を置いた。なぜ笑っている。何が嬉しいんだ。

あの回想の後だから俺はいつも以上にイラっとした。

「ありがとうリリちゃん。」

高野、こいつにお礼言わなくていいんだよ。だいたいこいつのせいで俺たち強制的に授業サボらされてるんだぞ。

「あ、そうだ。真司」

「…なんだよ。」

「川上先生から伝言があるんだけどね、」

「なんだよ。」

「数学あと3回サボったら留年だって。」

さしもの俺も飲んでいた茶にむせるほど驚いた。

「…はあぁっ!?」

「もう、だめじゃん真司。授業はちゃんと受けないと。」

「おまえがいうな!!!」

なんでこいつに言われなければならない。留年だと、ふざけるな!こいつは俺の平和な学生生活を奪うどころか俺の人生そのものをつぶす気か!

「あれ、真司怒ってる?」

見りゃわかるだろ見りゃ…!

「カリカリしちゃだめだよ。あ、ほら、小魚食べる?」

落ち着け、ここで怒鳴ったら奴の思うつぼだ。まあ実際こいつは何も考えちゃいないだろうが。とにかく精神を統一して、大人になれ、俺。

「留年なんてしたら、大変だね。内藤君。」

大変なんて騒ぎじゃないんだ、高野。俺学校で人生の落伍者みたいな扱いされるんだぞ。てかまず親に勘当されるわ。

「まま、気にしない気にしない。それで今日は真司に質問があるんだ。」

さらりとこの重大な話題を変えてんじゃねえ。

「質問ってなんだよ。」

「真司の好きな食べ物何?」

……………

「……はい?」

「だから、真司の好きな食べ物!」

ちょっと待て。頭の思考回路がストップしそうなんだけど。

「えーと、それだけ?」

「それだけ。」

「それだけ…に授業さぼらせたのか?俺が留年しそうって事実を知ってて?」

「え?うん。」

…もう何も言う気力がないわ。

「で、好きな食べ物はっ?」

バカの一つ覚えのように天宮が同じ質問を繰り返す。

どうやったらこいつとの縁が切れるだろう。本気で神様に頼ろうか。縁切り神社なんてのがあるらしいし。

「好きな食べ物はって言ってるじゃん。ねえ、真司!」

「ああ…。別に何でもいいじゃん?」

「そんなんじゃ困るよ。」

どう困るというんだこんなくだらない質問で。っていうかこいつ俺と何年過ごしてきてこんな質問するんだよ。

「もう、仕方ないな~。じゃあ真司、美鈴ちゃん、明日は授業全部終わったらこの生徒会執行部室に来てよ。」

「なんでだよ」

「なんでも!絶対来てよっ!」

何言いだすんだこいつは。まったく意味が分からない。

「この部屋で何かするの?」

「ん、ちょっとね。」

そのちょっとが怖いんですけど。

「そういえばリリちゃんいつもここにいるけど、生徒会の人だったっけ?1年はまだ役員になれないはずだけど…」

「え?違うよ。あたし生徒会関係ないもん。」

「あ、そうなんだ。」

そこで高野は質問をやめた。

おいおい、まだ疑問が残ってるだろ。なんで生徒会に関係ないのに生徒会執行部室に入り浸ってるのとか、生徒会の人たちに許可はもらったのとか。

まあ答えはこいつが生徒会役員と顧問を全員その性格を武器に黙らせて、学校で重要なはずの生徒会という組織を牛耳ったから、なんだけど。

おかげでこいつは好き放題。

「あ、真司。」

「なんだよ」

「もう帰っていいよ。」

俺はもう何も言えなかった。

ただもちろん、授業に出るべく教室に戻った。





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