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別バージョン
村の少女視点。こっちは旅先での話。
――――鐘が鳴る。
1つ、2つ……最後に5つ目の高い音を響かせて。街を包む朝靄も、徐々に晴れようとしていた。
子守唄代わりに昔の話をしてくれたのは、大好きな冒険者だった。
最後には追われるように再び街や村を出て、旅に戻っていく。寝ぼすけなわたしにはムリだな~と残念に思いながら、旅の行く先々で起こるトラブルや珍妙な依頼のエピソードに胸を高鳴らせたものだ。
「いつか君も旅をしてごらん」
そして、うらやましがるわたしへの一言はいつもコレだった。
このネタで何か書こうと思っていたら、すっかり忘れて最近発掘。