表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逆ネトラレされる僕〜国民的美少女アイドルに完堕ちさせられたワケ〜  作者: 気まぐれ@ハズリバ2巻


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/55

第41話 美月の回想②

『きゃああ、冷たいっ! 止めてよっ!』



『ははっ、いい気味よねっ! ほら、泣け、叫べ、牛チチ陰キャ! あははははっ!』



『ひどいっ……、私が何をしたっていうの……』



『拓也君をその胸で誘惑したからでしょっ! これから毎日水浸しにしてあげようか?』



 女子による凄惨ないじめが続くかと思われたが、



『先生、なんか女子トイレから叫び声がしてまーすっ!』



 誰か男子が女子トイレの騒ぎに気づいてわざとらしく声をあげた。



『やばいよ、逃げよう!』



 そうして女子たちがトイレから慌てて出て行った。

 その足音を聞いて、おそるおそる個室からでる美月。

 誰もいないのを確認してトイレの外に出た。



『君、大丈夫? びしょ濡れじゃないか。風邪引くよ、僕のでよかったらタオル使って』



 声をかけてきたのは、黒髪の爽やかな男子だった。



『え、あ、あの……』



 受け取ろうと手を伸ばしかける美月だが、どうしようか迷って手をひっこめる。

 しかしその男子は強引にタオルを手渡してきた。



『大丈夫だから。部活で使うやつだけど、ちゃんと洗濯してて臭くないと思うから』



 さすがに手渡しされたのに突き返すわけにもいかず、美月はそのまま受け取るしかなかった。



『あ、うん、ありが、とう……』



『…………』



『…………』



 無言で濡れた頭や制服を拭く美月。



『あの……』



『うん、何?』



『さっき先生を大声で呼んだのは、あなた?』



『そうだよ。だってトイレで個室を叩きまくる音とかさ、あげく水が流れる音がするんだよ。どう考えたって異常事態じゃん。あんまりにもありえないからさ』



『…………』



『ん? どうしたの?』



『たす……』



『たす?』



『たすけて、くれて、ありがとう……』



『どういたしまして』



 美月には、その男子が王子様のように輝いて見えていた。



『おーい悠真ぁ~、部活行くぞ~』



 廊下の遠くからその男子を呼ぶ声がする。



『ちょっと待って、すぐ行くから』



 そして男子はその場を去ろうとする。

 が、すぐに美月を振り返った。



『あ、そのタオル洗って返してくれればいいから。そのうちでいいよ。じゃあ、部活があるから』



 男子は、美月の返事を聞かずに走っていってしまった。



『ゆうまくん、って言うんだ……』



 それは、中三の秋の出来事であった。



 ちなみに、そのタオルは美月が家で洗ったものの、美月が返す機会をずっと逃していたため、今もなお美月の部屋の隣の悠真ルームに飾られたままである。



◇◇◇



「ということがあったの」



「……うん」



 僕に冷や汗が流れる。

 やばい、あんまり覚えていない。

 言われてみればそんなこともあったかな、レベルだ。

 さすがにそれを素直に美月に言えるわけはない。



「悠真くん、覚えてないの?」



「いや、その、まあなんというか……」



「私ね、特技スキルがあるんだ」



「え?」 



 なんか急に話が飛んだぞ。



「グラビアの現場とか、CMの現場とかでいろんな人に会うんだけど、なんとなく嘘ついてるのわかっちゃうんだ」



 話は飛んでなんかいなかった。

 死刑宣告だったらしい。



 だって、美月にとってはさっきの話は大事なエピソードのはずなわけで。

 確か女の子にとって、誕生日とか、初めてデートした日とか、結婚記念日とか、そういう記念日はとても大事で、忘れちゃいけない、って陽菜が言ってた。



 僕はそれをろくに覚えていなかったなんて、幻滅されるんじゃあ……。

 こうなったらっ!



「ごめん、美月!」



 ベッドの上で土下座した。

 おそるおそる顔をあげて美月を見ると……。



「なにそれ、悠真くん。別に私は怒っていないよ」



 笑っていた。



「別にいいの。悠真くんにとって、困っている女の子を助けるのは当たり前のことで、いちいち覚えていないのかもしれない。クラスも別だったし、それ以来ほとんど関わりがなかったんだから」



「…………」



「でもね、そんなことはどうでもいいの。だって、大事なのは今。悠真くんに私のいろいろあげたから、もう私のこと一生忘れないよね」



「はい」



 まあ、そりゃあね。

 でもさ、僕がしたことに対して、美月からの恩返しが大きすぎないかな?

 落ち着かないんだけど。



「さあ、悠真くん。もっと思い出を作りましょう……。胸だけじゃ物足りないでしょ」



 続きが始まった。

 いつもお読みいただきありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ