第20話 誘惑には勝てない
「キャー健人くんがんばってー!」
「今日は悠真くんも助っ人で出てるんだって! あ、めっちゃ足速ーい!」
「鳳翔学園が負ける確率は……ゼロ!」
次の土曜日、鳳翔学園のグランドでは鳳翔学園と対戦相手との試合が行われていた。
「悠真、いいから何も考えずに動け、走れ、ボールを奪え!」
と健人が発破をかける。
シャカシャカ動いているように見える悠真だが、健人の目からみたら精彩を欠いている。
だが、めぐるましく動く試合で揉まれる中で、少しずつ悠真の動きが良くなってきた。
うまく相手選手の目くらましをできるようになっていった。
結局、試合は鳳翔学園が3-0で勝った。
「お疲れ、悠真。後半の動きはよかったぞ」
「ありがとう、健人。だいぶモヤモヤがなくなったよ」
「そりゃあよかった」
ここで、健人が付き合っているサッカー部のマネージャーがタオルとドリンクをもって二人のところにやってきた。
「お疲れさま、健人。悠真くんもおつかれさま」
「あ、ありがとうございます」
「健人はね、悠真くんのことだいぶ心配しててね、無理矢理助っ人で呼ぶなんてしたけど、ごめんね」
「いや、健人には感謝しています。持つべき者は友、ですよね」
そうして二言三言かわして、悠真は帰っていった。
健人とマネージャーがその場に残る。
「これは原因を突き止めないとな」
「そうね、今回で多少は持ち直したでしょうけど、ただの対症療法だよね。健人、心当たりはあるの?」
「まあね。たぶん、あの子と何かあったんだろう」
「あの子って、理事長の娘の陽菜ちゃんのこと?」
「いや、そっちじゃなくて、アイドルのほう」
「ああ、美月ちゃん? なんの関係があるの?」
マネージャーはよく分からないという顔をした。
「彼女、みんなに愛想良くしてるけど、その実あんまり周りには興味がないというか、悠真のことを見てる目だけが違うんだよ」
「そうなんだ。よく見てるね。同じクラスにいる健人がそう言うなら、そうなのかもね」
「悠真のことなら自信があるよ、俺は。言うなら、悠真マスターだな!」
「妬けちゃうわね、男同士の友情。ちなみに私のことは?」
「もちろん、それ以上に好きだよ」
少し照れるマネージャー。
「おーい、健人、グランドの整備手伝ってくれー」
「わかりましたー」
チームメイトに呼ばれてグランドに戻っていく健人。
マネージャーはその背中を頼もしく見ていた。
◇◇◇
悠真がサッカーの試合でいくらか発散し、持ち直しかけたところ、その翌日の日曜日、美月からDMを知らせるスマホの音がピコン、と鳴った。
『お待たせ、悠真くん。こないだから時間が空いてごめんね。ちょっと撮影が忙しくて……。私の部屋に来てくれる?』
『うん』
結局、来てしまった。
いつもの部屋、テーブルには、アイスティーとスイッチ4。
スイッチ4は発売されたが、最初の抽選は当たらない報告がSNSにあふれている。
僕もまだ手に入れていない。
「おかえり、悠真くん。ゲームと私、どっちにする? なーんてね、やってみたかったんだ」
そんなことを言う美月は私服。
扇情的な格好をしているわけじゃないけど、魅力的に見える。
「もちろん、美月だ」
ガッ、っと美月の肩を押さえる僕。
「慌てないで悠真くん、順番が大事よ。まずはキスからでしょう?」
「あ、うん、そうだね……」
そうだったっけ?
と思う間もなく美月が唇を押しつけてくる。
むさぼるように舌を絡め合う二人。
やがて顔を離す。
「悠真くん……脱がせてくれる?」
僕は無言で美月の上の服を脱がした。
現れた巨乳は、もはや凶器と言ってもいいくらいだ。
そうして、美月の胸に自然と手が伸びる。
もはや身体検査などという頭の中のひどい言い訳すらとっくに消え去っていた。
「あ、う、んっ……」
僕は美月の後ろに回り込んで、後ろから胸を揉みしだく。
美月は顔をこちらに向けてキスをねだってきたので、それに応じてやる。
「んんん……っ!」
美月の体が小刻みに震え始めた。
やがて、美月が唇を離す。
「はあっ、はあっ、はあ……。ごめんね悠真くん、私ばっかり気持ちよくなって。ベッドに座ってくれる?」
言われるまま、僕は美月が普段寝ているベッドに腰掛ける。
すっ、と美月がかがんで、僕のベルトを外し、ズボンを外し、下着を脱がせた。
「これが悠真くんの本体……」
「ためらいなくいったね……ていうか本体とか言わないで」
「いや、だって待ちに待った……じゃなくて、私も恥ずかしいの。でも散々胸を見られたんだから、悠真くんのを見てもいいよね、おあいこだよね」
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