表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界新撰組  作者: ゆたぽん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/18

第2話「異世界の戦場と新撰組」

炎と硝煙の匂いが鼻を突いた。

迅はまだ現実が信じられず、周囲を見回す。

目の前には、魔力で武装した帝国兵が、巨大な魔法剣を振りかざして迫ってくる。


「――くそ、こんな化け物にどう立ち向かえってんだ!」

小柄な体は緊張で硬直する。だが、反射的に前へ踏み出す。

喧嘩で鍛えた身体は、恐怖より先に動く。

相手の間合いに飛び込み、脚をすくわせ、腕を避けながら背後に回る。


だが、相手は魔法で空を飛び、剣を振り下ろす。

あっという間に体勢が崩れる――その瞬間、黒装束の剣士が飛び込んできた。


「そこからは俺たちが相手をする!」

低く響く声。土方歳三だ。

その背後には沖田総司、斎藤一、永倉新八――見覚えのある顔が揃う。


迅は息を呑む。

「……新撰組が、俺を助けに?」


瞬時に判断する。

•小柄で素早い

•喧嘩慣れしている

•武器なしでも、間合いと読みで勝てる


現代での経験が異世界でも通用する――胸が高鳴った。


土方が帝国兵の攻撃を受け止め、沖田が斬り抜ける。

迅は瞬間的に、彼らの戦闘リズムを分析した。

「突くより避けて入る。剣士たちは間合いを崩すと強い」

咄嗟に帝国兵の横に回り込み、肩を突き飛ばす。

小柄な身体での回避と踏み込みが功を奏し、魔力の剣をかすめる。


沖田が目を細め、微笑む。

「……やるじゃないか、君」


土方は背後から迅の肩を叩く。

「生き延びたいなら俺たちの動きを学べ。無駄に突っ込むな」


戦場の中、迅は実感する。

•小柄な体は決して弱点ではない

•喧嘩で鍛えた反応速度と間合いが、この世界でも役立つ

•そして何より、命を懸ける覚悟を持った仲間がいる


斎藤が近づき、低く言う。

「気を抜くな。ここは遊び場じゃない。だが、お前には才能がある」


戦いが終わると、帝国兵は退却し、戦場は一時の静寂を取り戻す。

炎の匂いと硝煙の中で、迅は立ち尽くす。

手のひらは血で赤く染まり、心臓は激しく鼓動している。


――この世界では、強さだけでなく、覚悟が全てだ。

そして、その覚悟を持った男たちと、自分も戦える――。


迅は拳を握り、呟く。

「――俺は、ここで戦う。ここで生きる」


土方が一歩近づき、目を細める。

「よし、なら教えてやる。新撰組の戦い方を――生きる術をな」


迅は小さくうなずいた。

この瞬間、彼の異世界での人生が、動き始めたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ