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なんで俺がこんなことしなきゃいけねぇんだよ!!!!!

 プライドと恥じらいを持った俺は、都内に引っ越し、悠然自得な生活を送っていた



 が。



 水道費込み月々15,000円の社宅が急遽、没になった




 俺んちの近くに(建物にヒビ入った)社宅があるんだけど、そこはガラガラに空いてるのに没になった


 




 新卒採用は入れるが、中途採用は入れないという馬鹿な話があるそうだ




 俺は契約社員から正社員になったわけなんだけど、なぜか知らんが…登用に当たって一度退職する必要があった






 そこで中途で採用扱いになり、社宅には入れないってなったわけだ




 俺も、お偉いさんですら!社宅に入れると思い込んでいたのによう!!






 しかも、手取り18万汗(こうする為か?)




 これは、実質的な給料10万円の減額だった






 歴が10年あるのに関わらず、だ






 家賃9万円なのに関わらず、だ














 アラサーなのに関わらず、だ(小声)












 










 ふざけろやあああぁぁあぁあぁぁああーーーーっっ!!!!!!(超大声)




 

 前回、俺の(悠然自得な)支出について軽く書いたけど、読んでくれた皆さんなら分かったと思う


 みみっちい給料でそんな暮らししてたら、そりゃあ、支出の方が高くなるよなぁ!


 わかってたじゃん……


 恥ずかしながらそんなことを気付くのに1年も掛かってしまった


 良いのか悪いのか、お金に困ったことがなかったんでね



 洋服を買いたいだとか、アクセサリーを着けたいだとか、考え始めたのも高校卒業ぐらいだったか…?


 学校行事で私服を着ていくと、友達に変な顔で上から下まで見られたものだ

 


 俺は、自分の服装が皆と「なんか…違うな……」という感覚に気付いてはいたんだけど、それを明確のものと捉えることができなかった

 

 金掛からないし…今ではそれが良かったと思えるけど

  

 

 で、俺がそいつらと何をしてたかっていうと90%、ゲームだ

 (残りの10パーはカラオケ(^^))


 だいたい実況パワフルプロ野球(パワプロ)スマッシュブラザーズ(スマブラ)か…その時々に発売された新作ゲームで盛り上がっていた



 俺が小学生の頃、友達が言ってた名言を此処で言わせてくれ


 「スマブラがあれば、友達は作れる!!」ドヤァッ



 大学で仲良くなった奴、そのまた友達だとかと、かつて地元最強を名乗った者同士、勝負したものだ(*´ω`*)


 俺はそれでも、同じ学部の奴とか、あんま仲良くない奴が合コンだ…とか男女でラウンドワン行って…ウェーーーイっ!!!とかなんかよく耳にしていてその度に思った



 「気持ち悪ぃ……俺は誘われても行かねぇ!」(行ってみたかった…)



 中高大とそれなりにいた友達だが……


 まぁ……今は、誰とも連絡を取っていない(爆笑)



 とまぁ…金が掛からないわけだ


 金なんて貯まっていくものだと思っていたから、通帳の数字なんて全く見てなかったよ


 無論、給与が振り込まれているかどうかも含めて

 銀行に確認しに行く時間が惜しいんだよ


 だからこそ

 まさか…まさか……(いや、分かれよ)自分の給料よりも支出の方が大きかっただなんて…




 俺は、この事実を知った時、寒気と動悸に襲われ、この神物件から一刻も早く引っ越そうと決心した


 本当はもう少しやりようはあったんだけど


 ピアノ辞めれば2万円浮く

 昼食は弁当持ってけば良い…その前に安いとこ行くとかなかったんかな(^^;)


 俺が好きな、10年間ほぼ毎日自炊してる俺が作る料理だし、量は1,000円定食より多くできる

 しかも、格段に安い



 現在はちゃんと実践しているんだけど、こう思う



 気付かせてくれて有難う、と。




 だからといって毎月10万の大幅減額を許容できるわけじゃないが

 まったく、ふざけやがって



 冷静さを欠いた俺は即刻、引っ越しすることにした



 今更、電車通勤になんて戻せない


 自分が満員電車で新聞スマホを見たいがために、ゴリ押ししてくるバカと一緒に通勤なんてまっぴらだ


 行きはまだ我慢できる(できない)

 帰りなんだよ、俺が我慢できないのは



 赫々云云、2週間ぐらいで俺はこれから新しく住む家を決めた


 決めてしまった



 これからの自分の住居という大事なことを…



 まさか…まさか……自分の給料よりも支出の方が大きかっただなんて…(まだ言うか)


 本当はもう少しこだわることならできた

 もう少し職場に近くて、かつ、綺麗で、かつ、安いところを選べたはずなんだ


 たかが、何日早く引越ししたところで、何になる


 地に足がついていない状況で…冷静にはなれなくて()()に飛びついてしまった


 22㎡の小汚い、ちんちくりんマンションにすることで、家賃は3万円以上落とすことに成功した。


 が。




「あぁ、どんなクソ生活が待ってやがるんだ…」



 ※ごちゃごちゃしてくるので、引っ越し前の家を【神物件】

 引っ越し後の家を【豚小屋】と呼ぶことにする



 俺はあんな豚小屋で生活して堪るか、と言わんばかりに解約日ギリギリまでこの神物件に住んでいたんだけど、鍵を取りに不動産会社に行かなきゃいけない


 俺が引っ越すのは確定している


 それは、わかってる

 わかってるんだよ


 それでも、心のどこかで受け入れられてなかったんだと思う


 豚小屋への引っ越しがさらに色濃くなった


 今でも、まだ()()()という表現を使うあたり、俺はプライドを捨ててはいないのだろう



 どこかで聞いた

 『生活水準は下げられない』


 こういうことか?


 俺は


  家賃9万円

  通勤20分

  目の前に朝焼けと夜景の見えるバカでかい公園

  新宿近辺の綺麗なマンション


 に住む人間だ、という自負を持っているんだと思う



 どうせなら、タワマン最上階に住むべき人間だ、ぐらいの自負を持ってほしいものだ



 というかよう…



 列挙すればするほど……だ



 戻りてぇ……。。。



 あの神物件に戻りてぇよ……(涙)




 俺はこのなけなしのプライドのせいで本当は鍵なんか取りに行きたくなかったけど、仕方ない、仕方がない


 俺は重い腰を上げ、(当然)自転車で不動産会社へと向かった


 真夏だろうが俺が電車に乗ってたまるかよ


 俺は、鼻歌まじりに通勤するんや

 そういう人間なんや



 サァーーっと自転車で駆けてゆく見慣れない道が坂道だらけで思考が巡る…


  俺、こんな道使って出勤すんのかよ

  使うスーパーここになるのかな

  このデカくて綺麗なマンション家賃いくらなんだろう

  坂の上にあるから~ヒルズって名前ついてんのか


 俺だって何かで当てることが出来れば…このマンションにだって……



 悲しいな

 汗を滝のように流しながら、哀れな妄想をする


 これも金の為なんだ


 悔しいな

 好きな自分の楽観的過ぎる性格のせいで、泥水を啜ることになる

 



 




 しかし、あの…なんていうか、見慣れない場所での待ち合わせってなんであんな時間過ぎるの早いんだろう…


 少しでも迷ったりすると

 「え?もうこんな時間!!?」


 って今まで何回言ってきたか(^^;



 無事に時間通りに不動産会社で鍵を受け取り、そのついでにというか…

 なんとなくかな…これから住む家を改めて覗いてみた



 ……急に綺麗なマンションになってるわけ…ないか



 駐輪場が見つからず、うろうろしていたところ偶々(たまたま)、共用部に先住人がいたので、聞いてみた


 気さくに教えてくれて良い人だった

 その人が言ってたんだけど、どうやら俺が来ることを大家さんが住人全員に連絡をしていたらしい


 んなことしなくても…

 なぁんか、引っ掛かるなぁ


 エレベーターが付いていないので階段を上って思う

 「これ…一段が低いやつだ、良かった」


 と、安心していたところに刺すような視線を感じた

 俺は、この視線を何度も感じたことがある


 フッと振り向くと60代ぐらいのばあちゃんだった


 恐らく、その予感は的中していたと思う


 如何にも懐疑的で、怪奇的な顔をしていた

 「こいつが新しく入居する若者か……友達を呼んで騒ぐような奴じゃあないだろうな…?」


 と、言わんばかりだった





 クソババアが!


 そう思っているだけなら良い

 それを隠すこともできないほど耄碌(もうろく)しちまってるから、こんなにまで顔に出てしまうのか



 俺の偏見だが

 



 で、だ。


 家に入っていきなり気付いた


 金属製の重たいドア…と言って皆さんに伝わるだろうか?

 最後までノブに手を添えてゆっくり閉めないと「ガンっ!!」という音が響き渡るやつだ


 め……めんどくせぇ

 いきなりかよ


 しかも、忘れてた

 内見時と同様…中はもっと暑い


 本当に、まるでサウナ

 ボロ屋でこもるから暑いのか、角部屋だからか…

 いや、その両方だろう


 外の方がまだマシと思えるくらいだ


 この角部屋っていうのが決め手(妥協)の一つだったわけだが


 それと最上階眺望良し!



 遮るものが無く、隣町の高層ビルまで見えて、より物思いに耽られそうだ




 しかし……本っっ当に!



 狭いな…




 と思っていた時、俺はリビングに黒い物が落ちていることに気づいた












 おいいぃぃいぃぃいぃっっ!!!!!!!!





 ジョージがひっくり返ってるじゃねぇかよ!!!!!!!!





 動物が吃驚するように、俺も身の毛が逆立った


 それと(何故か)壁際に沿いつつ、何歩か後ずさりしてしまった






 不意打ちでジョージの死体はやめろよっっ!!!!





 しかもなんだこの家!!!!!!


  シンクは錆びついてる

  畳はボロボロ

  トイレも薄汚れてる


 てっきり内見の時はクリーニング入ってないのかと思ったが





 「ふざけんなよ……」


 「俺、まだ住んでねぇんだぞ!!!!!」

 文字通りな


 「いや、でも…本当に」


 「どうすんだよ、これ……」


 「まだ何にもないから、こいつ(ジョージ)どうすることもできないじゃん」




 入居したら一番最初にやることが決まった





 ……()()




 『なんで俺がこんなことしなきゃいけねぇんだよ…』



 バカみたいにこもる部屋で、ぼそっと呟いた

 本当は、いても経ってもいられなかったが


 はぁ…先が思いやられるぜ

 なんて考えながら俺はげっそりして帰った記憶がある


 次の日、(神物件の涼しい部屋で)冷静になって大家さんに電話してやってもらうことになった



 畳の張替とトイレの清掃と……ジョージの処理を


 当然だよなぁ!!



 どうも、空気の入れ替えで窓を開けておいたはいいが、そのまま忘れてたらしい(おい)


 まぁ、とりあえず引っ越しして一番最初にジョージの死体の処理をせずに済んだ

 良かった

 いや、こんな出来事があった時点で良くはないか



 あぁ、神物件で眠る最後のベッドの味が今も忘れられないよ


 眩しすぎる朝焼けも

 雲を携えた満月も


 バイバイ



 とか最終日に()()ながら、畜40年のブタ小屋への引っ越しを終えた涙




 その間に無事に…無事に…大家さんには「クリーニング」してもらえたよ





 さぁさ、いつもの2/3狭い部屋で積みに積み上げた段ボールの解体だ


 解体と言いつつ、俺はすぐ確信した


 (フィギュア)たちを超丁寧に梱包していたんだが……

 この部屋…絶対に並べられない!!


 狭すぎる!!



 柄にもなくというか…本当に俺は、そんな柄じゃない


 でも、この状況下では俺ですら思った

 思ったというか、多分口走った気がする



「みんな、段ボールの中から早く出たいよな…、ごめん」


 まぁ、執筆中の今ですら、箱から出してあげられないドラゴンもグリフォンも、巨神もいるのだが



 日常的に使わないものを押し入れに入れながら、何かいつもと違う、きな臭ぇことに気付いていく

 

 そうだ、この家、収納が全然ない…

 仕方ない、板でも買って増設しよう


 あれ?この家クローゼットないんじゃん

 なんだよ、洋服掛け買わなきゃいけないのかよ


 なんか、腹減ってきた。。。

 茶でもするかと、最寄り駅に散策がてら出てみたが、何もない

 茶店もない、マックもKFCもない


 料理するにしたって、キッチンコンロもないことに今更気付く

 認識すると言った方が正しいんだろうか



 そうか…これ…全部ないから自分で買わなくちゃいけないのか


 コンロなんて付いているものだと思っていたよ



 台所なんてお湯も出ない、文字通りの水道


 信じられないかもしれないが、そもそもお湯に切り替える()()がないのだ


 内見時には水道を確かに見た記憶がある

 あるんだけど、台所からお湯が出ないという発想はなかった!



 「おいおいおい、マジかよ、、」

 「ふざけんなよこの家!!!」



 『なんで俺がこんなことしなきゃいけねぇんだよ!!』



 内見はそりゃしたけど……



 したとはいえ……


 はぁ、当たり前すぎて目に入らないんだな


 全く気付かなかったよ


 この家マジふざけんな


 

 家賃を3万円落とすってこういうことか……




 引っ越し初日に再度痛感する




 も、戻りてぇ…涙

 神物件に戻りてぇ……





 なんて考えてたが、引っ越ししてから、はや3日(オナ禁12日目)経った…


 俺の手違いでネットが遮断されてしまったんだけど、おかげでオナ禁が捗りますなぁ(爆笑)



 まぁ、俺にはピアノと歌がある(あと、言いたくないけど仕事も)

 こいつらがいつでも時間を加速させてくれた


 今なんて、このネタ(小説)も書かなきゃいけない

 時間がいくらあっても足りねぇよ


 数日前まで居た神物件さながら、美少女とドラゴンの像を置ければなぁ…

 もっと時間経つのが早いだろうに


 余談 12月になれば俺が一番楽しみにしているやつが家に届くんだ

 あぁ、美少女系じゃない(^^;

 

 俺が日々、フィギュアに元気をもらえているように皆さんの刺激になってくれれば嬉しい 

 是非、検索してみてくれ

 【ブルーアイズアルティメットドラゴン フィギュア】



 話を戻そう



 何段にも重ねられた段ボールに狭い部屋

 いつもと違う風景を目の前にして俺はピアノを弾いていた



 はぁ…なんで俺様がこんな汚ぇ部屋で練習してるんだ…


 いや、俺には関係ない

 俺には人前で弾いていることを想像するのが、一番の練習のはずだ



 僕のトラウマと想い出が無数に刻まれたゲーム【マリオワールド】

 そのメドレー曲を俺は弾いていた


「ヒミツコース」がクリアできなくて、泣き叫びながらコントローラーをぶん投げていた昔の俺に言ってやりたい


 30年後の俺は今、そのBGMをピアノで弾いているよ…と(^^ )








 その瞬間……ふと(ふすま)に目をやり……









 黒い何かに気付いた…。











 奴だ…











 ジョージだ!!!!!!(今度は生きている)










 『うっっっ!!!!!!!!!!!』



 前回の反省から俺は、なんとか声を出すのを我慢した


  声を発せられなかったこと

  座っていて全体的に動けなかったこと

  数日前にも見ていること


 これらの理由が重なったからだろうか


 あまりの恐怖に体が飛び上がったと同時に髪の毛が逆立った

 髪が逆立ったって誇大表現ではないと思えるぐらい吃驚した


 それと、なんか苦しいと思ったら胸に手を当てながら呼吸を止めてしまっていた



 はあっ、はあっ、はっ…お、おつちけ!!



 mmmaままずは……


 まず


 「落ち着こう」




 あ、でも、その前にこれだけ言わせてくれ





 『ふざけんなよ、この豚小屋が!!!!』


 『なんで俺がこんなことしなきゃいけねぇんだよ!!!!!』



to be continued.



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