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 私たちはかぼちゃの味を守る死神だ。


 どんと胸を張って言う娘さんも後ろで小さく頷く親父さんも、糸目で、どう見てもかつらでしょとツッコみたいくらいのかぼちゃ色のアフロを頭に装着していた。

 つーか。

 親父さん、大丈夫か。

 めっちゃ細い身体が左右に揺れているぜあのアフロに生命力を吸われてるんじゃないか。


「ハロウィンに先祖の霊と共に地上に来る悪霊の存在は知っているな。悪霊は人間だけに悪さを働くのではない。作物にも同様に悪さを働くのだ。それゆえ、私たちは作物を、おまえの家のかぼちゃの味を抜き取って無機質な味にしてしまう悪霊から守る為に毎年毎年毎年、来てやっているのだ。感謝しろよ。くそがき」

「………」

「ところで、年嵩の男はどうした?毎年毎年毎年、私たちに感謝のご馳走を自主的に用意してくれる感心なあの男は?」

「………」


 じいちゃん。

 珍しくばあちゃんの旅行についてったと思ったら、もしかしてこいつらから逃げる為だったのか?

 けど。

 うーん。

 

「まあ、毎年毎年毎年かぼちゃの煮つけしか出さないからな。いや、美味いのだけれどな。毎年毎年毎年はちょっと、来年は違うものを出してくれないかと去年少し提案したら涙目になっていたから気になっていたのだ」


 あ、違うわ。じいちゃん自慢のかぼちゃの煮つけが飽きられたからショックを受けて顔を出さなくなったんだわ。











(2022.10.8)



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