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課長代理そして給料

なかなか形になってきたんじゃないでしょうか初めての作品なのでこれからも自由に書きたいように書いていきたいと思います。読んでくださりありがとうございますPEKORI

「職員さんがこんなに!?」


ダンジョン課は12人で構成されている。これは世間の常識でありもちろんシルフィンもそう思っていた。


「彼らは職員補佐官さ。僕たちの仕事の事務作業のほとんどをしてくれるんだ。ほら、うちは戦争やらダンジョンやらで居ないことが多いから。」


そっかそりゃそうだよね。事務作業とかあるもんね。私の分もやってくれるのかな。

ー挨拶しないと!


「皆さん!新しく入りました。シルフィン・ロームと申します!これからよろしくお願いします!」


作業がピタッと止まり

「「「「よろしくお願いします」」」」

綺麗に揃っていて連携力の高さが挨拶から伺えるほどであった。


「さ、こっちだよ。着いてきて。」


個室に案内され、イケメン勇者先輩と2人っきりになる。


「そうそう。後日、君にも専任の補佐官が就くから仲良くやってくれよ。」


よくわからないまま はい。と返して席に着く。これからガイダンスらしい。


「じゃあ、改めて課長代理をしてるササイ・カズ…おっと。カヅキ・ササイだよ。職員は君も含めて12人居るんだけど今は剣帝さんが引退してチャンス!って感じで攻めてきてる国を追い返すために課長含めて5人出てるから7人かな。」


「戦争…ですか?」


「ンー、戦争…になるのかな。10万で攻めてきたって言ってたし、でも気にしなくていいよ。何人居ても課長1人いれば負けないから。」


どんな化け物が課長なんだろう。たぶんだけど全身からミサイルやら爆弾が無限に出るタイプの人なんだ…。


「で、僕の自己紹介がまだ途中だったね。普段は4人でパーティ組んでダンジョンに潜ってるよ。到達階層は確か150だったと思う。一番進んでるはずだからわからないことあったらなんでも聞いてね。メンバーには会ったら挨拶するよう言っとくから仲良くしてあげてくれ。」


課長代理勇者の自己紹介から始まったガイダンスはあまり長く無かった。

お仕事は主に4つ

 ーダンジョン攻略

      ザ!ダンジョン課!ひたすらダンジョンを攻略するぞ!

 ーダンジョン資源の納品

      国王の勅命の元、求められたものを取りに行くぞ!

 ー戦争への参加

      一応国防の要ってことになってるぞ!

 ー力の証明

      コロシアムでプロ相手に勝たないといけないぞ!


コロシアムに行ったことのないシルフィンはダンジョンにずっと潜るなら大歓迎なんだけど…人前はちょっと怖いなぁと思いつつ最後まで説明を聞いていた。


「さて、最後になるんだけどここからが一番大事な話だ。」

ゴクリ。唾が口の中に溜まる。空気が張り詰め、姿勢を正す。


「君は剣帝ジルクニフの後釜としてここに入ったわけだ。」


「はい。精進します。」

剣帝様がやっていた無理難題を引き継げとか言われるのだろう。覚悟を決めて続きを待つ。

勇者は困った顔をしながら笑みを浮かべ


「給料このぐらいになるんだけど大丈夫?足りる?」


「はい。やります!」


勇者の頭にハテナが並んだ…。

明細には0が8個並んでいた。


〜side アリシア〜


アリシアは自分が担当していたシルフィンがダンジョン課に合格したことで自分のことのように喜んでいたが、一晩たって寂しさに襲われていた。朝早くアリシアの自宅に押しかけ明らかに空回りしているシルフィンを見送り再びベッドに飛び込む。胸が跳ね多少の痛みを感じつつ、足をパタパタと動かし嬉しさと悲しさの中間あたりの感情の海で泳ぐ。


午前7時を回りそろそろ出勤の時間となる。急いで準備を整え、行きつけのカフェに入る。

朝食はいつも同じモーニングセット。800ぜニー。世間的に見ても収入のいいギルド職員の中で立場が高めなアリシアの朝食は少し豪華である。

コーヒーで体と頭を完全に起こし、今日も冒険者組合に向かう。


出勤時にダンジョンの前で待ちぼうけしているシルフィンを横目に悲しい顔でクスッと笑いながら職員入口へ入り、しっかり気持ちを切り替える。

今日からまた新しく誰かの担当になるんだ。

いい人ならいいけど。

シルと比べないようにしないとね。

いつもの朝礼の間、心ここに在らずで余計なことを考えていた。冒険者が依頼を受けに来るラッシュ時間を窓口で過ごした後、組合長から呼び出しがかかる。



ーコンコンー  

重い扉からは考えられないほど軽い音が鳴る。


「アリシアです。」

「入れ」

扉の奥から食い気味に許可が出る。


「アリシア、よく来てくれた。とりあえずシルフィンの担当お疲れ様だ。」


「ありがとうございます。素晴らしい冒険者に巡り会えて幸せでした。」

シルフィンとの思い出が脳内を駆け巡り抑えていた涙がほろほろと流れ始める。

組合長が寄ってきて椅子に座らせ、毛布を肩に掛け背中をさすってくれる。

しばらく泣いた後、組合長が落ち着いたかい?と聞く。

頷くと


「アリシアはこれからどうしたい?」


何か含みのある言い方で答えを求めてくる。

答えが思いつかず困惑していると、組合長はニヤッと片方の口角を器用に上げ


「実はな、アリシアにダンジョン課職員補佐官にならないかと誘いが来てるんだが、もちろん私としては優秀過ぎる職員を手放したくないわけで。勝手に断っても良かったんだがな、シルフィンの担当と書いてあってな。さすがにお前の好きなようにさせてやろうと思ったわけだ。」


行きます!行かせてください!

立ち上がり課長に詰め寄り手紙を奪い取る。


「またシルと居られる!」


アリシアが専任となることをシルフィンはまだ知らない。




その日の夕刊。

『新任ダンジョン課職員。シルフィン・ロームの全て』

という見出しで写真と記事が新聞に載り、国営のファンクラブが開設直後にも関わらずメンバー10万人を突破してまだ増え続けている。


どうでしたでしょうか。最近私の周りでは学歴厨が高校の学歴で勝負しております。進学校と呼ばれる学校にもアホは居るものですね。

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