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7話:麒麟児、白虎・朱雀・玄武と戦う

「……青龍?」


 白い虎が首を傾げて聞いてくる。


「もしかして貴方がクウガ?」


「おう」


「ごめんなさい。どんな見た目か聞いていなかったから」


 あのポンコツボクっ娘……俺の見た目くらいは伝えておけよ。


 それを彼女に言ってもしょうがないので、別に気にしてないとだけ伝えておく。


「私は白虎。得意な魔術は風」


「白虎ね。よろしくな」


 人形態になった全裸系銀髪美少女改め白虎と握手する。

 すると、差し出した俺の手が握りつぶされていた。


「いっだ!」


 え? 力加減苦手なの?


「……貴方、本当に私たちのリーダー?」


 白虎がジト目で、疑うように見てくる。


 いとも簡単に握りつぶされたことで、俺の実力を疑っているんだろうか?


「リーダーになったつもりはないんだが」


「……ふーん。竜巻陣」


 美少女がまた白い虎に戻る。

 そして、彼女が吠えると周囲に小規模の竜巻が八つ現れた。


 白虎はそれで周囲を塵にしながら突進してくる。


 ……寝起きなんだけど。


「『アースフォートレス』」


『ッ!?』


「『インフェルノバーン』」


 土の砦で突進を防ぎ、その中を灼熱地獄にする。


『……本物っぽいね』


「わかってくれて嬉しいよ。解除」


『ん。人化』


 『アースフォートレス』と『インフェルノバーン』を解除すると、少女は人間に変身した。


「……人間形態だったら死んでた」


 白虎が無表情ながらも冷や汗を流しながら安堵した。


 人形態と魔物形態で耐久性に差があるのか。

 それは知らなかったな。


 この新発見ができたのも素晴らしい自然のおかげだ!!


「初めて人間に負けた。強い人もいるんだね」


「ま、そんなに落ち込むな。なんせ、俺は人類最強だからな」


『ならば、次は妾の相手をしてもらおうかの? 炎の籠』


「ハア!? 立て続けになんだよ!?」


 白虎を慰めていると、空から赤い鳥が現れた。


 俺の悲痛な叫びを無視して、赤い鳥が翼をこう……バサァとすると、炎が囲むように広がり、やがてこちらに迫ってきた。


「『オーシャンツインエッジ』!」


 巨大な水の刃を二つ創り、それを左右に当てる。

 それで炎の籠は消えたので、すぐさま攻撃に移行することにした。


「『ヘヴィエア』!」


『この程度効かないのじゃ!!』


「『ウィンドインパクト』!」


『ぬおっ!?』


 さすがに青龍から話を聞いていたのか、『ヘヴィエア』には耐えられた。

 でも、それに意識を割かざるを得ないのか、次の一撃は簡単に当たった。


「『ストーンブラスト』!」


 地面から石を巻き上げ、突風とともに飛ばす。


『ぐあああああ!!』


 それは赤い鳥に命中し、彼女たぶんは墜落してきた。


『人化じゃ! う、受け止めてええええええええ!!』


「ええ!?」


 彼女は青龍や白虎と同じく輝いて翼が生えた赤髪の美少女になり、空から降ってきた。


「うじゃああああ!?」


「キャッチ失敗!!」


 頑張って受け取ろうとしたんだけど、あまりにも速く落ちてくるのでちょっと計算をミスってしまい、俺は頭で受け取る羽目になった。


 ……首の骨、折れてないよな?


「あ、危なかったのじゃ~」


「……無事そうで良かったよ」


『つ、次は私と戦ってください!』


 首の調子を気にする暇もなく、今度は黒い亀が現れた。

 特徴的な亀で尻尾が蛇だ。


『つ、土槌!』


 黒い亀が前脚を上げてドスンと下ろすと、上空から大地が落ちてきた。


「またかよ! 『エアバースト』!!」


 上空の大地を破裂させる。


「『ウォーターキャノン』!!」


 キャノン系の魔術は溜は長いけど、絶大な威力を誇る。

 あの亀は鈍重……動きが遅そうなので、まあ当たるだろう。


『うっ……い、岩鎧!』


 どうやら彼女(どうせこの亀も女の子)は臆病な性格らしく、攻撃よりも防御を優先してきた。


「発射!」


 岩の鎧を纏った亀に水の砲弾をあびせる。

 水の砲弾は鎧を引き剥がし、無防備の状態にまで持って行った。


 驚いた。俺の『ウォーターキャノン』で一発で倒せないなんて。


『ひゃあああ! こ、降参ですううう!! ひ、人化!!』


 しかし、その威力は相手に十分な恐怖を与えたのか、黒い亀は黒髪の美少女に変身した。


 青龍が言っていた三人はこれで終わりかな。


「みんなを倒したんだね。さすがはボクらのリーダー」


 青龍も龍形態で空から降りてきて、また青髪全裸の美少女になった。


「さて。みんなそろったことだし、早速頼みごとをするね」


「その前に服着てくれない? 俺が作るから」


 さすがに目の毒だと思ってそう言うと、四人はキョトンとした顔になった。


「ああ。そういえば、人間は服なるものを着るんじゃったか」


 赤髪の美少女、朱雀が手をポンとたたいて納得してくれる。


 わかってくれたんだったら、あとは俺が服を作るだけ……。


「べつに良いじゃろう。気になるのなら、主が脱げばいいのじゃ」


「え?」


「ん。なんかごわごわしててやだ」


「えぇ!?」


「わ、私は着ないと殴られるんなら着ますよ。」


「いや、殴らないけど……」


「じゃあ、リーダーも脱ごう!」


 お、俺が脱ぐの?


 いったいどこに需要が……などと思いながら、言われたとおりに脱ぐ。

 すると、羞恥心以外に湧き上がる初めての気持ちに気がついた。


「な、なんだこれは……この心の奥底から溢れ出る高揚感は!?」


 これが……興奮と言うやつかっ!?

☆1でも評価してもらえると嬉しいです!

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