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エッセイアラカルト

ゴキブリが思っているであろうこと

作者: 降井田むさし

ゴキブリが思っているであろうこと、


それをゴキブリの立場に立って、


話していこうと思います。




①デカい生き物逃げ回ってんな


人間という大きな生き物が、こんな小さな私たちに恐れ戦き、逃げてゆくことを、蔑んだ目で見てるよ。


人間に対する恐怖心やら、人間への負の感情は、ほんの少ししかなくて、デカくて、ただただ逃げまわる物体としか、認識してないんだよ。



②家ってやっぱり住みやすいな


私たちゴキブリはほどよい湿気と、ほどよい汚れ加減の場所が好きで、広くて暗さのある場所も好きで、それがどこも揃っているから、ゴキブリにしたら、どの家も城のようなものなんだよな。


台所ならエサが落ちてたり隠れていたりするし、私たちゴキブリの敵は人間くらいだとは思うけど、人間は私たちを見つけた瞬間に何処かに行ってしまうことが多いから、楽勝だと思っているよ。



③足から外して構えたあれは何だ?


部屋のなかで、何か履き物を履いているけど、あれは、いざという時に取り外して使える武器だな。


普段は床から足を守るために使ったり、足の温かさを保つためにも使えてしまうし最強だな。


この武器を持っていれば、相手にとっても不足無しと思うくらい、その履き物に脅威を感じているよ。



④驚くのはこっちだからね


冷静にしているから分からないかもしれないけど、こっちもある程度は驚いているからね。


ちょっとの恐怖は常にあると思ってくれていていいからね。


カラダの大きさや頭脳の明晰さ、パワーの差など、あらゆる部分を比較したら、圧倒的に私たちゴキブリの方が劣等だからね。


私たちゴキブリはみんなそう思っているよ。



⑤体格は強さとは比例しないのか


体格がガッシリとしている生物の方が、精神的にもだいぶ強いのだと思っていた。


だけど、どうやら体格がガッシリしている生物の方が精神的には弱いのではないかと感じてるよ。


私たちゴキブリは、命の期間の3分の1は、人間のことについて考えているよ。


人間はなんで強そうなのに弱いの?みたいなことを、ずっと考えているよ。



⑥可愛ければ可愛いほど凶暴かよ


美しい女性だったり、キュートな人だったり、小さな子供だったり、可愛ければ可愛いほど、躊躇なくこちらに向かってくるイメージがある。


怖い人の方が実際は怖くないんだよ。


見た目と、実際に接したときのイメージにギャップがある人が多いよな。


ギャップがあるのだと、事前に考えながら、人と接することも重要だな。



⑦うるさいよ声デカイな


女性もそうだけど、男性も意外と、私たちゴキブリを見つけた時に、かなりの大声を出すよな。


あれはかなりうるさくて、耳を塞ぎたくなるけど、私たちゴキブリは耳を塞ぐことは出来ないからな。


ゴキブリは声が出せないから、声や音が生き物のカラダから、どれくらい出るかなんて見当も付かないんだよ。


だから、常に身を構えて行動することも重要かもしれないな。



⑧たまに落ち着いてるヤツいるよな


ゴキブリはみんな、人は怖がりと強心臓の2択だな、みたいに思っているよ。


ちょうどいいヤツなんか見たことがないからね。


まれに無表情の人もいるけど、それは落ち着いている人の部類に入れてもいいのだろう。


無表情の人を見ると、不思議でしょうがなくなるよ。



⑨跳躍力半端ないな


私たちゴキブリを見つけたときのリアクションだけ、身軽でアスリートな人いるよな。


普段はおっとりしていて、こっちだけ気付いているときは、無防備でのろまなのに、気付かれると素早くなるんだよな。


それが一番驚くことかもしれないな。


たぶんあっちも驚いているのだろうけど、そんな動きされたら、こっちだって驚くわ。



⑩この世は罠が溢れすぎている


毒があるエサとか、ネバネバした接着物とか、床にビッシリとあるときがあるから、普通に生活出来ないよ。


あれが意外と吸い寄せられるんだよな。


美味しそうというか、食欲をそそるというか、人間の技術はスゴいね。


さすが人間だよね。




ゴキブリはたぶん、こんなことを考えていることでしょう。

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