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旅する探偵もの  作者: スーパー天邪鬼
イタールア戦争
43/55

でることができたのか。敵陣から・・・

「でも、

味方より奥側の爆発は?」


こんな時にもホマのケチだ。


「それは俺がやる!

わかったらお前ら、さっさと投げろ!

パラズに殺されたいか!?」


時間との勝負だ。

3人をなんとか説得する。


「チッ!やるよ!」「頼んますぜ!」

「隊長もお願いします!」


3方向に3人が向かう。

ホマは俺と場所を変えて街方面。

デガルズはガイアパイレーツのいる北方面。

アンザスは騎馬隊のいる南方面だ。


3人が走って10秒後、

それぞれの持ち場に着いて、

榴弾を投げた。


『ボオォォン!』


爆発音が響く。


俺も少し遅れて西方面に行き、

榴弾を投げる。


「!!」


しかし敵の一人が、

投げた榴弾を斬ろうとするのが見えた。


「させるか!」


マロホシを投げる。


『ゴォッ!』


なんとか命中する。


『ボオオォォォン!』


榴弾も無事爆発してくれたようだ。

あまり火は長続きしないが、

俺達の位置を教えることはできたはずだ。


「これで位置は伝わったか?」


中心地に戻る。


俺に残された武器が、

リボルバーの弾9発分と、

シェル1発だけだからだ。


「乗り切れるか?」


だが今できるのは、

その残弾を銃に込めるだけだ。


味方が防御に傾倒した戦い方のため、

被害は少ないのだが、

そのおかげで余った武器も少ない。


2分ほどで弾を込め終わる。


「負傷兵4人!

陣の中心に避難させます!」


負傷兵が4人運ばれた。


「ならば、負傷兵の護衛は俺がする!

お前らは存分に戦え!」

「オオオオォォォ!!」


俺もできる限りの援護はしたいが、

何とかこらえる。


歯がゆい状況だ。


「歩兵1分隊!目視!」


よし!やっとここまで来た!

我慢する時間が短くて良かった。


どうやら俺達の場所を、

しっかりと把握してくれたようだ。


「よし!ホマ少佐そこ変われ!」

「なんだよ!」


街方面に向かい、

近くの敵にシェルを叩き込む。


『ボオオォォン』


そしてリボルバーの弾9発も、

速撃ちで叩き込む。


『ボォボオボォボォ・・・』


全弾撃ち終わるが、

退路確保までほんの少しだ。


「よし!退路まで頼む!」

「あとちょっとじゃねぇか!」


ホマ少佐が突っ込み、殆ど退路ができた。


後3人の敵を潰せば、

人一人なら帰れそうだ。


「おらぁ!」


ホマ少佐の騎兵刀で、

敵の首がダラリと下がる。


しかし血が出ない敵と言うのも、

ある意味不気味だ。


だが今はそんなことより、

数で一気に敵陣を抜けよう。


「退却!退却ゥ!」


全員で一斉に味方陣地へ入リ込む。


「帰れたぁ!」

「生きてた・・・」

「ヨッシャアアア!」


全員陣地の奥まで走り込み、

門の側まで着いて倒れ込む。


「ガイアパイレーツ!最高だぁ!」

「持ち場に戻るぞ!

・・・ちょっと休んだらな」


デガルズとホマ少佐も部下をねぎらう。


「皆!よくやった!

感謝する!」


俺も騎馬隊の面々に感謝した。


ここに来てようやく、

感情を思い出す。


戦場で自我は必要無いと以前から聞いていたが、

感情があれば恐怖だけを感じるのだろう。


「隊長の槍があったおかげです!」

「銃の扱いも見事でした!」


俺も含めて、

全員が自分の事で精一杯だったが、

彼らの頼りになれたのなら良かった。


「だが喜ぶ前に、

被害報告は?」

「はい。行方不明者は2人。

死亡確認4人。

馬の被害8」

「そうか・・・」

「死亡者は・・・

『ドンチェ』来年から街の宿屋を継ぐ予定でした。

私の前に伝達係をしていた男です。

『栗木』日華の長野生まれ。武士道を通す男。

『鄭』日華の湖北省生まれ。先祖は劉備に仕えていたそうです。

『タレク』エリプト国の砂漠生まれ。サバイバルの雑学が豊富。

そして行方不明者は、

『エミリス』一度行方不明でしたが歩ホマ少佐の部隊と合流。

しかし再度行方不明に。

『エンバー』アンヌリカ生まれ。剣の扱いが得意でした」

「クソォ!お前の宿にタダで泊まる約束はどうすんだよ!」

「お前の武士道!しかと見届けたり!」

「お前の魂が関羽様の下に向かわんことを・・・」

「約束通り。俺がピラミッドを作ってやるよ・・・。

小せえけどな」


それぞれが悲しみも感じる。


先程感情を思い出したからか、

『人が死んだ』

と言う事を過剰に感じてしまう。


だが、まだ戦いの途中だ。


こいつらもまだ、

戦わなくてはならない。


俺も辛いが、

死んだ彼らのために、

口を開く。


「彼らは死んだ!

だが彼らのおかげで俺達が生き残った!

まだ戦いは終わってない!

彼らの分まで敵を倒せ!

お前達は敵陣に入って生き残った!

それだけの力があるはずだ!」


彼らの返事はない。

しかし、彼らの顔を見るだけで、

衰えていない戦意が見える。


「じゃあアンザス。後は頼むぞ」

「任せてください!」


アンザスに場を預けて、

将軍の下に向かう。


全員足の震えが止まらない事について、

俺を含めて誰も口にしなかった。


きっとすぐに収まるだろうから。

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