すっかり苦戦してる感じ
下段に構えて前方から来る敵を牽制。
右に来た敵は、
俺の注意引き付けるように前方へ近づいた。
この動き方は狙いがわかりやすい。
もう一人近づいている後ろの敵が本命か。
ならば片鎌槍の時だけ使える技の出番だ。
槍の真ん中を持ち、脇に抱える。
そして棒術のように、
肩を軸にした縦回転。
鎌を相手の腰に着けた上で、
槍を右に90度回す。
つまり相手の左足付け根に鎌を運んだ。
敵を前に出さないよう、
手の高さは胸と同じにする。
「えぇい!」
体を前に一歩出した直後、
体を3歩後ろに戻す。
後ろに体を動かしながら、手も後方へ押し出す。
『ボン!』
右足の半分を斬る事に成功した。
相手はバランスを失って、
地面に倒れる。
空いているうなじに突きを出す。
そして槍を再度、中段に構えた。
すぐに、左足を軸にして、
右足を後方に運ぶ。
体を右に45度傾けるためだ。
鎌を相手の首に引っ掛けて、
右手を前に運んで、
親指が自分の方に向くよう槍を掴む。
本来槍の戦法として、
このように間合いを短くする程不利になる。
実戦を経験すればする程感じるのだが、
本来の戦いとはなかなか動かないのだ。
それを、少しでも近い間合いで突いたり斬るのが、
白兵戦というものだ。
さらに言えば、槍以外の武器を持つ敵も、
槍と対峙する際には、
槍の間合いで戦う事が必須だからだ。
しかし片鎌の流派は敢えて、
敵の間合いに入る戦法も取り入れている。
『一人一殺』
の戦術が入っているから、
と言われている。
例えば敵の武器を押しのけて、
石突を使うような型は、
槍術流派に沢山ある。
だが、最初から敵の間合いに入る型は、
殆ど無いと言っていい。
その数少ない型を、
自己流にアレンジした。
「ぜぇい!」
鎌を相手の首に引っ掛けた状態で両手を引いて、
相手をこちらに倒れ込ませる。
が、途中で手の動きを止めて、
相手の首を槍の柄で弾く。
俺から見て左に流れながら、
体勢を立て直す敵。
それを確認したら、
右足を元の位置に戻しながら、
左手を左方向に運び、
一瞬で槍を引く。
『ボン!』
相手が膝をつくので、
下段に構えた槍で頭を突いた。
「フウゥゥ」
まだ前方に敵が居る。
槍を中段に構えたまま前に進む。
「見えてきた!」
ガイアパイレーツ隊だ。
戦闘のデガルズは健在。
トゲの付いた鉄球に鎖が付いた、
悪趣味な武器が目立つ。
あれはモーニングスターとか言う拷問器具か?
「デガルズ!」
「旦那ぁ!」
デガルズが敵を排除し、
部隊が合流できた。
トゲ鉄球が敵を押しつぶす。
バイキングらしい重撃武器だ。
「よくそんな武器使うな!
俺なんてマロホシを投げただけで、
自分に帰ってくるのに」
「そりゃ相手に当たった後、
無理に引くからですぁ!
こう言う鎖が付いた武器は、
腕や体を軸にして回すもんですぜ!」
つまり俺に投擲武器や関節武器は、
向いていないのだろう。
「大体、関節がない槍を捌くより、
扱い易いんじゃないですか!」
「槍は捌くんじゃなくて、
扱く武器だ!」
「下ネタですかい!?
戦場らしい」
こいつ・・・。
武器に対して礼儀を持て!
おっと、話してる内に、
俺とデガルズの部隊が円型になる。
中心点は俺とデガルズだ。
「無駄口叩かず!
さっさと味方陣営まで進軍するぞ!」
「任せてくだせぇ」
特殊曳光弾を取り出す。
弾丸の後部から煙が出る弾だ。
合流時の目印として、
一つ持っていた弾だ。
セットして味方上空の方面に構える。
トリガーに指を当てて、
発砲する。
『パオォォン』
よし、後は味方方面に進軍して・・・
「隊長!」
「どうした?」
騎馬部隊で伝達を担当する兵士が慌てる。
「我が隊の銃に、
不具合が出始めています!」
なに?
味方を見る。
「クソ!また不発だ!」
「ブリーチが顎に・・・」
「うわぁ!折れたぁ!」
10発程度撃ったからだろう。
擊針が壊れたり、
発砲の衝撃でブリーチ(銃身の後部)
が外れる自体が起きている。
「まだ壊れていない銃で制圧!
銃が壊れた者は、
白兵戦に移行だ!」
味方に指示を出す。
「デガルズ!背後!」
「任せてくだせぇ!
ガイアパイレーツ!
背後から来る敵を!
家畜の血で塗れた斧頭で叩き割れ!」
「おおおぉぉぉ!!」
味方方面に向かうのだから、
銃が壊れることは問題にならない。
そう考えることにして、
今後の方針を思案する。
『ボオオオウン』
「砲撃音か?近いな」
「なんだか俺達よりも、
敵陣の奥で聞こえるようですぜ」
「うーむ。まあ考えていても仕方ない」
今は素早く、味方陣営と合流しよう。
「味方からの情報通達!」
歩兵隊からの信号だ。
戦線から5m後方で、
曳光弾を撃ってくれたはず。
「味方との距離!
約20mと想定!」
最初に騎馬隊が進んだのは、
味方陣営から50m弱の地点。
まだそこそこの距離だが、
戻るしかない。
2分ほどかけて、
リボルバーに弾を9発。
シェルを1発入れる。
持ち込んだシェルは3つ。
先程一発撃った為、これを使えば残り1つだ。
「お前も味方陣営方面で戦ってくれ。
素早く合流しよう」
「わかりやした!
それ撃ち終ったら突貫しますぜ」
「じゃあこれ持っててくれ」
アンザスに俺の槍を渡す。
両手で発砲するために、
槍を預かってもらうのだ。
「ターゲーット!」
部隊前方に向けて銃を構える。
今度は腰溜めでリボルバーを構える。
左手はハンマーに当てて
トリガーに指を当てる。
準備完了だ。
「ファイア!」
味方が銃声で驚かないように、
あらかじめ叫びながら、
トリガーを押し込みハンマーを操作する。
『ボォボォボォ!』
弾を1秒で4発。
時々銃を構えなおして、
2秒半で撃ち終える。
敵は4人撃破した。
ちなみにシャラは1秒あれば、
6発は撃てると言うが、
俺には無理だ。
「もう一発!」
シェルを撃てるよう操作する。
レンコン中心部の散弾だ。
「ファイア!」
『ボオォン』
敵が2人吹き飛ぶ。
結果前方の敵を8人撃破。
「行け!」
「わかりやした!」
アンザスから槍を受け取って、
前進するように指示した。
俺は再度弾を籠める。
黒色火薬を入れて・・・
弾を込めて送り込んで・・・
やはり装填にかなりの時間がかかる。
「隊長!」
アンザスが叫ぶ。
どうやら敵が円陣内部に入ったようだ。
銃を地面に置いて、
槍を下段に構える。
鎌は上向きだ。
陣の内に入ったのは一人。
股に槍を入れて、
足の付け根に鎌を当てる。
「えぇい!」
槍を引いて、足を落とす。
「剣相手なら、
槍が負けるわけないだろう」
そもそも間合いに入れるわけがないのだから。
「それにしても」
敵陣の中に居るからか、
攻撃が激しく感じる。
「俺達の部隊はかなり優秀だが、
敵の撃破は難しいか」
俺の部隊は武器がサーベルだ。
相手が剣である限り、
数合は打ち合う事もあるだろう。
つまり武器が劣化していくわけだ。
馬上とは言え、
止まっている状態では、
足元も狙われる危険がある。
だが現在まで、
味方が倒れる姿を殆ど見ていない。
だからこそ消耗しているはずだ。
「このままだと厳しいか?」
俺の槍も、先がどんどん丸くなってきた。
敵陣内部での消耗は命取りだ。
「報告します!」
「どうした?」
伝達係がこっちに来た。
何かあったのか?
「現在までの被害ですが、
ガイアパイレーツ隊の被害3!
我が隊は被害4!
馬は4頭失いました!」
かなり深刻だ。
つまり7人やられたわけだ。
「至急味方方面に急ぐ。
デガルズにも伝えてやってくれ!」
「はい!」
敵の体が想定より硬い。
それが一番の理由だろう。
「威力が不足していたということか?」
この結論になる。
火力をもう少し高めにしておくべきだったか?
これからどうすべきか・・・?
「ぎゃああ!」
先程の伝達係が倒れ込んだ。
「ここまで来たか!」
味方部隊の陣が崩れた。
時の王・・・ゲイツ君疾風って?
ただでさえ鏡コウモリの人に似てるって言われてるのになぁ。
でもやっぱ次回も楽しみ。
30分後の赤海賊、金モードなれるんですねぇ!
ハイパーバトル限定かと思ってたよ!
話もだいぶ良かった!




