りりしい突撃
3人張りの弓で敵を居る将軍。
全部隊の士気が上がる。
怒号と共に、補給隊の攻撃音が聞こえる。
早速前方からミトライユーズの発射音だ。
10秒ほどで鳴り止むと、
違う発砲音が聞こえる。
そしてその音がだんだん近づいてくる。
続いて鳴り響くのは、
補給2と3が放つ、
ミトライユーズの連続した発砲音。
敵が攻撃する時は、
口から銃身を出すのに時間がかかる。
先手を撃つ事で、
効果的な攻撃ができる理屈だ。
勿論、口を開けそうな敵から撃つ様、
既に伝令は通している。
「ミトライユーズ発砲終了。
敵命中35体!
内撃破は9体!
被害0!
現在後退中!
繰り返す!・・・」
開戦数秒でそこそこの戦果を挙げたようだ。
敵との距離はまだ遠いはずだからな。
「よし!出陣だ!」
騎馬部隊を率いて、
敵の隊列と並行した方向に進む。
つまり前進だ。
2列編成で、俺は敵側に居る。
左肩に盾を着けているが、
敵は右側。
撃たれないように進まなければ。
「牽制!」
味方がスプリングフィールドM1873(以下銃)
を、距離が近い敵へ撃つ。
『ボオオォォン!』
同じタイミングで砲撃音も聞こえる。
だがそれでも、
敵の口が俺達の方に向く。
このままでは撃たれかねない・・・。
「ファイア!!」
『パパォン』『パオォン』
味方陣営からの制圧射撃。
砲撃よりは遅かったが、
おかげで前に進める。
「転換!」
この距離だ。
味方の危険射程内。
陣営からの距離は約50m。
ここからは再度、
歩1-1~1-5が射撃を行う。
『パォオオオン』
「援護確認!」
後方の味方も、
部隊全員と情報を共有する。
火力の低い援護射撃だから、
俺の部隊に攻撃が届かない。
時々、火力の高い武器を好んで、
火力の低い銃を軽蔑する人も居る様だ。
確かに火力の高い銃も必要だが、
戦争では各火力の武器が必要だ。
結果、効果的に俺達へ援護をしてくれる。
「えぇい!」
敵陣に近づき、
早速敵の首を斬る。
「いや、完全には斬れてないか」
馬に乗ったとき、
『槍扱き』ではなく『槍捌き』に変わる。
地上では『突く槍』だったが、
馬上では『斬る槍』に変わるからだ。
先程刀で考えたように。
だが、扱い辛さは刀の比ではない。
槍は扱いが難しい。
敵の硬さに影響されやすいからだ。
「だからこそ、
7割の力で振ったんだが・・・」
どうやら訓練通りの力加減では不足のようだ。
ならば簡単。
訓練時より力を強くすればいい。
先程の感触を基に、
一瞬で振り方を修正する。
今は馬上に居る。
相手より高い位置にいるわけだ。
両鎌の槍と比べてバランスが悪い。
俺が今使っている武器の事だ。
つまり
『鎌を逆向きにして槍を振る』
事をすれば、いつも以上に威力が出る。
「それにしてもこの相手、
人間じゃない?」
斬った感触に違和感を感じる。
まるで陸に上がったクラゲを裂いた様だ。
考え事をしながら、
戦う必要もありそうだな。
「だが、今は行ける!」
今攻撃を緩めれば、
味方の行動も遅くなる。
まずは攻撃だ。
貫通力の高い攻撃を求めて、
槍でしっかりと突く。
先程の反省を活かして、
鎌は上向きにしている。
顔をこちらに向けている敵を、
重点的に攻撃した。
衝撃が点になっているから、
威力も問題無いはず。
『ズボ』
喉に刺さる。
一瞬で引き、基本の体勢に戻る。
「よし!援護!」
後ろの兵士に援護射撃を要請。
まだ接敵していない兵士が、
援護射撃をしてくれた。
「よし!続けぇ!」
「おおぉぉ!」
敵陣に入る。
馬を走らせると相手は避ける。
それを槍で斬る。
実際に人型の首を斬る行為は初めてだが、
支障なく行動できている。
「ぇえい!」
少し離れた相手には、
しっかりと突かねば。
だがどうやら斬る槍よりも突く槍が、
威力も高くて今の戦場に向いているようだ。
さて後ろを向くと、隊の殆どが敵陣に入った。
既に数人やられてしまったが、
仕方ないだろう。
人が居なくなる前に行動だ。
「手で持てぇ!!」
榴弾を味方に持たせる。
「放てぇ!」
後尾は地面に落とし、
前の者は少し上に投げる。
『ボオオオォォン!』
後ろで爆発が起こる。
爆風や破片がこちらに飛ばないよう、
速く隊を進めよう。
『ポォン』
向こう側にも爆発が起こる。
ガイアパイレーツ隊も、
思う存分暴れ始めたようだ。
ここで俺は、
レマット・リボルバーと言う銃を取り出した。
パラズ少佐から譲り受けたのだ。
弾倉には9発の弾が入っており、
真ん中にはシェルつまり、
散弾が入っている。
撃針をスイッチして切り替えるのだ。
弾を込める手順は、
シャラが持っているコルトドラグーンと同じ。
つまり10発撃ち尽くしたら、
弾込めにはかなり時間がかかる。
これを取り出して、
ハンマーを下げる。
初撃はシェルだ。
『ボオォォォン!』
単発弾より激しい音が鳴る。
耳が痛い。
すぐさま銃をなおして、
槍で弱った相手を突く。
ここまで来て思うことが一つある。
「簡単すぎる」
通常はもっと反撃があるだろう。
なのに相手からの攻撃は、
口からの銃撃のみ・・・。
『おめでとうぅ~!』
敵が初めて喋った。
ゆっくりとした、
耳に残る話し方だ。
「手を休めるな!
榴弾を使え!」
「はい!」「おおぉー!」
『ボオォォン!』
だが、攻撃は緩めない。
歩1-4が放つ砲撃音も聞こえる。
敵陣を早く進まなければ!
『あらら?誰も止まらない?
焦げてしまうではないですか!
喉や頭も突かれるし・・・
この前うちに来た子は、
すごくびっくりしたと言うのに!』
正直不快な声だ。
ん?でも今の言葉・・・。
『君たちが既に、
100体の兵を倒したから、
次の段階に移行しましょうか』




