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旅する探偵もの  作者: スーパー天邪鬼
イタールア戦争
35/55

介入するのか?会議中だぞ

「将軍。本当に民間人を戦わせるつもりですか?」


将軍がこっちを見て目配せしたと思ったら、

立てかけていた長い竹を俺に投げた。

そしてこう言う。


「30秒だけ、俺の今目の前で戦え。

探偵二人も良いだろうか?」


意図を察して、

俺とシャラが頷く。


「なんだぁ?やるってんだな?」

「シャラ。ホマ大尉は頼んだ」

「はぁ。

今こんなことしてる場合じゃないのに・・・」


パラズ大尉が刀を引き抜く。

騎兵刀のようだ。

全長は1m程度だろうか。


「今から必要なくしてやる」

「やってみろ」


無言で走って来る。

距離4m。

竹が2m30cm程度。


竹を槍に見立てて上段に構えるが、

右にずらす。


普通槍を構えるときは、

腹と付けるのだが、

少しだけ腹と槍を離す。


「手加減はしてやる」

「来い」


そう言いながら姿勢を低くして、

刀を突き刺す動き。


槍が来ても横に捌くつもりらしい。


「槍が武器なんだから、

間合いに敵を入れるわけがないだろう」


槍を支えている左手を、

上から被せる様に持つのではなくて、

下から支えるように持つ。


「よっと」


槍先を右にずらしてから、

左手で一気に引く。


更にパラズ大尉の刀に当たる瞬間に、

思いっきり左手を握る。


『バキイイィィィン』


刀で人を刺す時は、刃を上に向ける。

つまり横から打たれれば、

刀の腹に槍が当たるのだ。


だがパラズの反応は速く、

体を下げて剣を右に動かした。


思い通りだ。


「もらったな。

後はどうする?」


一瞬で槍先とパラズの頭を、

距離が5cm程に近づけて寸止めする。


「クソッ!」


パラズが下を向く。

戦意は無くなったようだ。


隣を見ると、闇雲に剣を振るう、

ホマ大尉の怒り狂った顔が見えた。


「クソガキがぁ!」

「うるさい」


ホマ大尉が剣を縦に振るが、

シャラは避けることなく肘と手首を叩き、

二の腕に拳をねじ込み、

もう一発手首を殴る。


拳速は推定約65km。

速くても50km程度の筈だが・・・、

人間が出せる速度とはとても思えない。


軽くても速く頑丈な拳は、

的確にホマ大尉の腕を痛めつけている。


剣を取り落とすホマ大尉。


「これで剣を落としたのは3回目だね。

まだやる?」


息を全く切らさず話すシャラ。


すると後ろからバッドン将軍の声が聞こえる。


「30秒だ。

これ以上無駄にするな」

「グウウゥゥ」


この二人も狭い中でここまで動けるとは。

器用に戦えるらしい。


先程も思ったが、

ここは狭い仮設拠点だ。


それでいて、素早く戦闘を行うこの二人は、

正直かなりの人物だ。


「お前達の強さは知っている」


バッドン将軍が重い声で、

倒れた二人に語りかける。


「だがこのケレンという男。

デリューを除けば、

槍に関してはこの国で一番の実力者だろう。

そしてシャラという娘は、あのデリューの娘」

「あいつの!?」


城でも有名なのか・・・。


「そして銀次も、刀を持たせれば一騎当千。

志衛館でも攻めの型においては、

歴代最強とまで言わしめた男だ」

「・・・わかりました」


どうやら二人共、

渋々とは言え納得してくれるらしい。


志衛館は日華にある道場だ。

銀次さんは以前、

そこで刀術を学んだそうだ。


流派は確か、

一刀天然理心流と言ったか?


「さて、今はこんな話に、

無駄な時間を使っている場合ではない」


確かに、これ以上無駄な時間は不要だ。

敵がこちらに迫っているのだから。


「ここに居るお前達には、

布陣の考慮を手伝ってもらう」


ということは、

今回の戦では指揮する立場か。


「わかりました」


俺は賛成する。


「ただ今から行われる戦闘は、

敵の戦力が未知であることを踏まえ、

『侵略』と仮定する。

そのつもりで布陣を整えろ」

「ッ!」

『バンッ』


軍人たちが左胸に掌をぶつける。

敬礼らしい。


さて、一通り話が終わったが、

今のうちに俺も準備を整えたい。


「将軍。私も少し用事があります」

「なんだ?」


俺とシャラの武装も、

しっかりと準備すべきだ。


「シャラ。悪いが、

俺達の武器を準備してくれ」

「銃と・・・後は槍にする?刀にする?」


俺の愛用武器は、先日壊れてしまった。

代わりの武器が必要だ。


家には俺が個人的に集めている、

槍コレクションがある。


かさばるから普段は家に置いている。


「・・・。

俺のコレクションにあるはずだけど、

長さ3mで、片側に鎌が付いた槍だ」


防御に優れた両鎌槍より、

攻守共に動ける片鎌槍にしておこう。


以前守りに長ける両鎌槍で戦って、

槍が折れてしまったからな。


槍はあらゆる武器の中でも、

特に威力が大きい武器だが、

戦場ではその破壊力を持て余す。


威力を発揮できる、

体を地面に固定する技。

そして足も利用する、

変則的な技が使用できる武器にしたい。


「それから探偵仲間に声をかけて、

俺用の訓練用防具と、

甲冑袖の左肩だけに盾を取り付けた物も」

「うん。わかった」


注文を言い終えた後、

将軍と向き合う。


「将軍。構いませんか?」

「元はと言えば、

俺の部下が喧嘩を売ったからだ。

悪かったな。気にせず好きにやってくれ」


シャラも頷く。


「じゃあ行ってくるね」

「頼んだ」


シャラがかなりの瞬足で、

俺の武器と銀次さんのもとへ向かう。


こんな状況下でも、

『馬より便利だな』

と考える俺は少し暢気だな。

次話も明日投稿します

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