紹興酒も飲む時間がない
ジョージ・バッドン戦闘将軍。
国から戦闘時の対応を命じられた、
弓の名人。
目隠しした状態で2本の矢をつがえ、
同時に2つのリンゴを打ち抜く達人だ。
「間違いありません。
敵意も確認しました」
「詳しく」
その眼光は、リンゴを射抜く時と違い、
今は『戦況』と言う的を狙うために空を見つめている。
「まず敵の人数は・・・シャラ?」
「第一陣500人。
第二陣700人。
およそ1200人でした。
防具は特になく、全員薄い服を着ています」
「どこの軍勢だ?」
俺達もそこまで把握はできなかった。
「把握できていません」
「問いかけにも返答無しでした」
「そうか。良い。
次は敵の武力」
俺の返答にシャラの補足も入った。
それを踏まえても、
無い情報は聞かない。
話が早い。
「まず防御力ですが。
フリントロック式の銃。
距離は約20m地点で、
黒色火薬を約120グレーン(ちょっと多め)。
水平。送り蓋を利用。風はほぼ無し。
弾は直径10mmの鉛玉を使用しました。
結果は、敵の喉に命中」
「で?」
言葉を選ぶために少し考える。
「・・・命中し、敵は倒れました。
が、弾は敵に刺さらず、
衝撃を殺されて地面に落下。
倒れた敵の喉に弾痕は残りましたが、
すぐに立ち上がりました」
「・・・ほう」
「おいおい」
「冗談だろ?」
「おもしろそうじゃねぇか」
周りから野次が飛ぶが、
理解できる。
なんせ相手は、
速度200km前後の鉛玉を喉に受けても、
なお立ち上がる敵なのだ。
「次に、敵の攻撃力。
全員手には武器を持っていませんでしたが、
口から突出する銃を確認。
一発の攻撃を受けました。
弾丸は、最近開発された『実砲』の中でも、
先端が小さくなっている弾に似ています。
厚さ15cmの土を貫通し、
次の壁である土に5cm埋まっていました。
土同士の距離は、約2m」
「誰が作ったんだよそんなの」
「これ虚偽報告じゃねぇだろうな?」
異例の報告を受けて、
ざわめき立つ隊長達。
「これがその時の弾丸です」
無言で受け取るバッドン将軍。
数秒思案した後で、
シャラの方に向いた。
「間違いは?」
俺ではなくシャラに聞く。
周りを鎮めるためだ。
「ありません」
「それが1200人居ると考えろ。
陣形は?」
将軍はあくまで冷静に対処する。
流石は弓の名手だ。
どんな時でも冷静に対応している。
「横5人の列を、左/中/右に分けていました。
列ごとに2m前後離れていました。
余った人数は中です。
縦には役100mと70mで、
合計200m程度でした」
この質問にはシャラが答える。
俺は近場担当だ。
だが敵の配置が、
まるで人形を綺麗に並べたように見える布陣。
将軍はどう反応するのだろう?
「ほう。
南西から今後ろにある門から、
少し離れたところは狭い道になっている。
敵が地形いっぱいに配置されるのを、
なるべく防ぐためだが・・・
敵はこの辺りの・・・
しかも地形が変動した後の地形を、
予測できた者ということになる」
なるほど確かに。
地形は横にも縦にも広がった。
以前は狭い道で5人しか通れなくても、
今は地形が広がって、15人でも通れる。
「敵は地形を変動する力を持っている。
と言う事でしょうか?」
「うむ。だが力は敵が上でも、
その隊列は悪手。
まるでチェスや将棋の盤面だ。
裏があると考えるべきだ。
目立つ戦力に手をつけやすい陣形・・・。
陽動の線も考えよう」
陽動・・・。
言われてみるとそう思える。
「ならば答えは一つだ。
一番強い部隊と、すぐに動ける人数を温存しろ。
それ以外の最小限戦力で敵を迎撃だ。
迎撃レベルも相手に合わせて、
しばらくは様子見だ」
すぐに結論を出した。
陽動後の攻撃方法に備えるのだろう。
敢えて敵に合わせた布陣と見せかけて、
最大戦力を温存。
長期戦を見越しているのかもしれない。
「しかし、一番強い部隊とは?」
デガルズの疑問だ。
「我が街で成績上位30名で構成された
『特殊砲撃部隊』と、
軍では無いが頼りになる組織が2つある」
まさか?
「警察には防衛部隊になってもらう。
それと探偵に依頼だ。
探偵の現責任者、銀次を呼べ」
「わかりました」
完全に戦闘態勢だ。
だが正体不明の敵が現れた今、
戦闘態勢になるのも納得だ。
銀次さんを呼びに、
事務所方面に向かおうとすると、
小声が聞こえてきた。
「ッチ!
訓練受けてるわけでもない奴らが一番か。
面白くねーな」
「ほんとだよ。
民間人がしゃしゃり出てきたら、
俺達の存在意義ねーだろ」
戦力にケチをつけているようだ。
まあ、軍を差し置いて民が戦ったら嫌だろうけど。
「パラズ。ホマ。うるさいぞ。
口を慎め」
「なんだよ。
おっとぉ。
『ワン公が重要』
とか抜かしてたシルブレイル大尉サマじゃねーか」
ニュージェーの事件で、
犬の重要性を理解してくれたシルブレイル大尉か。
パラズ大尉とホマ大尉。
軍で3人だけの大尉が、
全員揃ったな。
シルブレイル大尉は伝令隊の、
パラズ大尉は歩兵連隊1の、
ホマ大尉は歩兵連隊2の隊長だ。
どうも不穏な空気だな。
時の王・・・未来予測VS未来予測って良いなぁ。
来週も楽しみだぁ。
30分後も海賊の本編思い出すの良いっすね。
かなり序盤の話だったけど、何年ぶりの再会だっけ?
更新速度に関して、
今まで忙しかったんですが、
型とか技を殆ど習得するまでお世話してもらった場所ができたので、
ちょっと更新速度上げれると思います。
書き溜めも出来たし、明日とか?




