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旅する探偵もの  作者: スーパー天邪鬼
兄弟調査
25/55

すまないが、兄弟が多すぎる

クセ・ハイルの家に着いた。

2階建てて、そこそこ大きな家だ。

隠れられそうな場所を探す。


畑がある。

キャベツやレタス、トマトが実っている。

空きスペースもあるがここは駄目だ。


家裏の林がある。

家の入口から30m程度。

張り込むとしても俺では無理。


小屋がある。

鶏だ。

糞を肥料にしたり鶏肉や卵を食べるのだろう。

40羽は居るだろう。

野菜の世話もするなら、かなり忙しいだろう。

だが、隠れる場所が無い。


用水路がある。

浅すぎる。

すぐに気づかれるだろう。


なかなか広い家だが、

見渡しが良くて、隠れる場所は少ない。


「屋根に行くか」


人がいないことを確認して、

ドアを開け、家に上がる。

慎重に行動して、右肩から家に入る。


急な語りになるが、

腕以外から入ると暗殺されやすい。

暗殺されないように行動することが、

最高の隠密行動だ。


屋根裏に入る部屋を見つけた。

机に本が置いてある。

これが例の本だろう。


2階には3部屋ある。

つまり、ここの物音を集中して聞くことになる。


今回の依頼は本を取り返すことではない。

まず屋根裏に上って、窓を探す。


窓を見つけて、上を見上げる。

よし、ここから屋根に上れる。


「おそいよー」


シャラは既に、屋根まで上がっていた。

ジャンプでもしたのだろう。


「お前と一緒にするな」

「ここで待つんだよね?」

「あぁ。

捜査対象は最近ここに来たばかりだし、情報が少ない。

双子の可能性もあるし、しばらく様子を見たいんだ」


おっと、さっそくだ。

クセ・ハイルが帰ってきた。

肩にあったキャベツが無くなっている。

文字通り肩の荷が下りたのだろう。


「税を納めた帰りかな?」

「多分そうだろう」


うん?様子がおかしいぞ。


「何がキャベツだ。

もうすぐトマトの時期だろうに」


そう言ってトマトに水をやる。

うん?キャベツを愛しているんじゃなかったのか?


「あれ?さっきの人だよね・・・?」

「兄弟の可能性がある」


おっと、やはりもう一人のクセ・ハイルが帰ってきた。


「やあ」

「ああ。お帰り」


こいつがキャベツ・・・の男か?


「トマトの様子はどうだい?」

「まだ、駄目みたいだ」

「そうか・・・」


そう言って、トマトを一緒に育てるのかと思ったら、

鳥小屋に向かった。


「トマトやキャベツよりも・・・

時代は鶏だ。

誰のおかげで肉や卵を食えると思ってるんだ・・・」


そう言って鶏に餌を与える。

まさか、三つ子か?


「やあ」


家前の道を再度見る。

屋根から見るのは、3人目のクセ・ハイルだ。

やはり三つ子だったか・・・。


「ああ。お帰り」


なんだか頭がクラクラしてきたな・・・。


「もう嫌!誰が誰かわかんない!」

「お、落ち着け!

今帰ってきた奴がキャベツマン、

今トマトに水をやっているのがトマトマン、

鶏に餌をしているのが鶏マンだ!」

「おぉ、なるほどぉ」


もう、名前なんてどうでもいい!

とにかく、今帰ってきたキャベツマンを見る。


「何がキャベツだ」


ん?キャベツマンじゃない?


「何がトマトだ・・・何が鶏だ・・・。

サラダに使えるのはレタスだ。

キャベツサラダなんて、臭いじゃないか」


あぁ、一番双子っぽい。

キャベツマンとレタスマンだな。

見分けるのが難しい・・・。


「これは難題だぞ」


------------------------------------------------------

あれからしばらくすると、

キャベツマンが帰ってきた。


ここからだと声だけ聞こえる状態だ。

だが全員同じ声だ。

見分けるのは難しい。


昼に会ったキャベツマンがくれた、

キャベツを見ながら考える。


捜査対象者が4人もいるのだ。

誰の情報を集めるか考える必要がある。


会話内容でも、

誰の話した内容か推理する必要がある。


「キャベツは納税できたか?

俺のトマトはダメだったよ。

まだ青いんだ。

恥ずかしくて納品できなかった」

「キャベツはおいしいと人気だったよ。

道を歩く人達も、皆口をそろえて言っていた」

「俺のニワ子が産んだ卵も大丈夫だったよ」

「俺もレタス納税しよう」


前言撤回。

すごくわかりやすい。


話の内容から推測すると、

各人が別々の土地に出向いて納税しているのだと思う。

住民登録の個数が一つなのだろう。


この国に『戸籍』と言う制度はない。

ではどうやって民を管理しているか?

それは仕事や住所、生まれた病院などで管理している。


出生時や就職時に申告をするのだ。


だが、もし申告をしていないと、

国外追放になりかねないのだ。


後、俺もあのキャベツはおいしいと思った。

シャラも思い出したのだろう。

腹を抑えて半泣きだ。


「お腹すいてきたよー」

「我慢だ我慢」


探偵すら誘惑する恐るべき手元のキャベツ。

だが、事件で重要な物証にもなり得るこれを、

食べてはいけない。


あまりいい食事を用意しなかったことが悔やまれる。


「兄さんただいま」

「やあ弟よ」


まだ兄弟がいたのか?

正直勘弁して欲しい。

家に帰ってきた弟は、他の4人より暗い表情で帰ってきた。


「どうだった?」

「駄目だ。僕の野菜は育たない・・・」


今度は何野菜マンだ?

よくわからないが、調子が悪そうだ。


「あの人に聞いたら、

良い大葉ができると思ったのに・・・」


大葉マンか。


「また駄目だったのか?」

「トマトでも食べて元気出せ」

「いや、キャベツだ」

「いや、レタスだ」

「いや、鶏肉にしよう」

「「「「じゃあそれで」」」」


鶏肉人気だな・・・。

一体誰が礼儀作法を学ぼうとした奴なんだ・・・?


------------------------------------------------------

「相手が来たら椅子を引いて・・・」


しばらく他愛の無い話を続けていた彼らに、

ようやく動きがあった。


どうやら礼儀作法の勉強をしているらしい。

誰なのだろう?


屋根からだと顔も服も見れない。


何か判断する方法はあるか?

考える。


「シャラ、匂いで区別は出来るか?」

「多分無理だよ。ここからだと離れてる。

お互いの匂いが染み付いて、全員おんなじ匂い」

「そうか・・・」


物を動かす時の仕草や物音で判断しよう。

ひとまず明日まで待つのが一番か?


「ん?なんか旨そうな匂い」

「うん。お肉おいしー」


シャラが肉を取り出して頬張っている。

鼻が役に立たないからって、

良い匂いのする食物を・・・。


俺も腹が減ってきた。

ポケットの干飯を食べる・・・。


こんなに腹が減る案件は初めてだ・・・。


「あ、世話しないと」

「・・・おっと?」


礼儀作法を勉強していた男が動き出した。


「・・・小屋に行った」

「動きがあった?」

「ああ」


仕草等は不要だったな。

鶏マンが礼儀作法を学んでいたのか。


だが疑問が一つ。


「なんでイタールアには野菜を納めてるんだ?

鶏マンがイタールアに行く必要ないよな?」

「確かに・・・。

あれ?誰か来たよ」

「そうらしい」


本の置いている部屋に誰かが入った。


「勝手に読むなんて・・・でも」


だが、その男は静かに部屋を出た。


「本を読んでた男は、一番可能性が低い男だった。

それだけはわかったな」

「・・・寝る用意してくるね」

「・・・はい」


そう言って、顔を洗いに行くシャラであった。

まあ、ほとんどわからないってことだからな。


白預言者の槍捌き、正直実戦向きじゃないけど、

かっこいいから好きかも。

まあ、超人が槍使ったらあんなんかもやし。


次回のWアーマーも映画でしか見てないから、

TVで早く見たいですねぇ!

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