表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ホラー

書籍化作家の悪夢”三万円の男”

作者: 水源

「?!」


 俺は目を覚ました。


「何かすごい悪い夢だったような気がするがよく覚えていない……」


 いつもの通り起きたらパソコンを起動させてあるサイトにアクセスする。

 それは”小説家になれるかも?”というWEB小説を投稿できるサイトだ。

 このサイトから書籍化すなわち出版社が発売する紙の本になることは一つの夢だ。

 もちろんその道は険しくてそう簡単に書籍化出来るわけじゃない。

 だがその数がどんどん増えて来るともしかしたら俺にもチャンスがと思ってしまったりもするのだな。

 書籍化される場合にパターンは大きくわけて2つでそのサイトで開催されている出版社のコンテストに入選するか、評価ポイントを得てランキング上位に入ったりして出版社に声をかけてもらうか。


「まあ、そんなに甘くはないよなぁ」


 そうつぶやきながらマイページにログインすると……、


”メッセージがあります”


「ん、何だろ?」


 クリックしてみると”なれるかも運営より”と表示される。


「げ、俺……なんかやばいことしたっけ?」


 更にクリックすると”出版社よりの書籍化の打診について”と表示される。


「え、マジで?書籍化?」


 その後メールでやり取りし担当さんと直接あって打ち合わせをしたり改稿したりなんだりして半年後、無事に紙の書籍の発売に至った。


「俺の小説が書店の棚に置かれるなんてホント夢みたいだ」


 そして発売から何日かたって本屋を回ってみるが本が減ってるような感じがしない。


「棚の下にストックは入ってるはずだしきっとそっちが減ってるんだよな」


 そして印税が入る日が来た。

ワクワクしながら銀行の通帳を記帳する……


「えーと、30000……三万円?

 たったの?なんで?」


 彼の契約は実売数の5%というもの。


「1200円の5%だから一冊60円として500冊しか売れなかったってことか……。

 俺は三万円の男ってわけだ」


 出版社が一つの本を出版するのにはいろいろな諸経費を含めて出版そのものに180万円程度その他に作者の印税と流通の経費や書店での棚台などをあわせて300万円ほどかかるのが普通らしい。

1200円の本が500冊売れたとして売上は60万円だから大赤字なわけだよな。


「書籍化の夢がかなったと思ったらとんだ悪夢だったわけか……」


 俺はもう”小説家になれるかも”に作品を投稿することはないだろう。

もうどうでも良くなってベッドに身体を投げ出して寝てしまった。

・・・・


「?!」


 俺は目を覚ました。


「何かすごい悪い夢だったような気がするがよく覚えていない……」


 いつもの通り起きたらパソコンを起動させてあるサイトにアクセスする。

 それは”小説家になれるかも?”というWEB小説を投稿できるサイトだ。

 このサイトから書籍化すなわち出版社が発売する紙の本になることは一つの夢だ。

 もちろんその道は険しくてそう簡単に書籍化出来るわけじゃない。

 だがその数がどんどん増えて来るともしかしたら俺にもチャンスがと思ってしまったりもするのだな。

 書籍化される場合にパターンは大きくわけて2つでそのサイトで開催されている出版社のコンテストに入選するか、評価ポイントを得てランキング上位に入ったりして出版社に声をかけてもらうか。


「まあ、そんなに甘くはないよなぁ」


 そうつぶやきながらマイページにログインすると……、


”メッセージがあります”

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 書籍化決定してるので正夢だったらどうしようと不安になりました。面白かったです。
[良い点] 怖い怖い [気になる点] やめてーーー [一言] 私の実体験だと、最初の出版作品だった「反逆の勇者と 道具袋」は三桁万円を越えていたのに、二作目はさびしくなって二桁万円になり…どんどんこの…
[良い点] 小説家に収益的な夢を抱く人が一般的なところを突いていますね。 [一言] こんばんは。 おはようございます、でしょうか。 同人誌で50冊売れたほうがいい気がするリアルホラー。 面白かったで…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ