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2nd Life~異世界転性生活~  作者: 中二病作家G
転篇・生まれ変わって異世界生活
9/23

ジーク・リード




突如、魔法陣から姿を現した赤髪の男は、血のように真っ赤なマントを羽織り、まさに赤一色だった。


スゴく目に悪い。



「……どちら様でしょうか?」


「はっはーっ♪

聞いて驚くなよ!?

俺の名はジーク・リード!!

このギルドのマスターさっ!!」


ビシィッと決めポーズを取るギルドマスター。


要はアホですね。



「おいおい、そんな目で見るなよ。

興奮するじゃないか。」


ヤバい、コイツ変態だ!!


てゆうか、さっきギルドマスターを呼びに行ったミーナさんは……


バアァァン!!

と勢い良く闘技場の扉が開く。



「酷いじゃないですかマスター!!

どうして私が呼びに行く前にここに来てるんですか!!」


肩で息をするミーナさんが涙目で訴えてきた。

走ったせいか顔も赤みがさし、そのワガママボディも相まって非常に煽情的だ。



「いやいや、全属性持ちの登録希望者が来たもんだから、待ちきれなくてな。


後、ミーナの慌てふためく姿を見たかった。

……確信犯だ!!」


清々しい程のサムズアップ。


あ、ミーナさんが涙を流して崩れ落ちた。

何気酷いなこのギルドマスター。



「んなことより、全属性持ちってのは本当か?」


「あ、はい。

確かに全属性持ちでした。」


ふらふらと立ち上がるミーナさん。

小鹿の如くぷるぷるするものだから、その豊満なおっぱいがぷるんぷるん揺れている。


この乳ブルジョワめっ!!



「そりゃあいい。

久々に楽しめそうだ。」


「そ、それでですね…

実は水晶が融けてしまいまして……」


でろんと融けた水晶玉だったものを恐る恐る差し出すミーナさん。


「あ~……

ミーナくん減給ね。」


それを見たマスターはポツリと絶望を口にした。



「そっ、そんなっ!?」


再び崩れ落ちるミーナさん。

目は虚ろで口から魂的なものが溢れ出ていて、ちょっと見るに耐えない。



「冗談だ。

アレの在庫はまだあるからな。


よし、じゃあ早速始めようか?」


「お手柔らかにお願いしますね」


「本気で来いよ?

まぁ、言うまでもないか…」


「もちろん本気で行きますよ。

あ、まだ名乗っていませんでしたね。

私は……、遥か東方の國より来た奇術師、リゼルヴァ・フォン・サダルスード・ベーレンアウスレーゼです。」


そう言って、両袖から刀を引き抜く。



「仕込み刀……、成る程、黄金郷の出身か。

いいね、楽しめそうだ。」


ギルドマスターはそう言って、虚空から木刀を取り出した。


え?木刀?



「俺のお気に入りの武器、レーヴァテインだっ!!」


スゴい名前負けしてるっ!!

てゆうかその木刀、“五寸釘”って銘が打ってある。


いや、その銘もどうかと思うけどなぁ……


やっぱりここのギルドマスターは頭がおかしい。



「いくぜ?“燃え盛る炎の剣”」


マスターが呪文の様なものをを唱えると木刀から炎が噴き出した。


成る程、レーヴァテインは本来木の棒。

木刀でも再現可能ということか……


てゆうかアレは魔武器の類いかな?


木刀のアーティファクトとか、作った奴絶対頭おかしいでしょ。

それを使う奴も頭おかしいけど。



「何か近づきたくないんですが、まぁ・・・・・・・・・」


ここからでも肌を焼くような熱気を感じるほどの熱量だ。

暑いの嫌だし、近づきたくはないんだけど、刀を構えた以上、接近するしかあるまい。


別に刀に拘る必要はないんだけど、なんとなく、ね。


ガキィィィン!!


瞬動によって一気に間合いを詰め切り合う。



「おぉう、まさか接近戦に持ち込むとは…

普通ならみんな距離を置くぜ?」


ですよねー。

私もコレが実戦なら、すぐさま魔法にシフトして遠距離戦闘に持ち込む。



「私は普通じゃありませんからねぇ……」


「はっはっ♪

いいねいいね、気に入ったよ。

だが、その選択は間違いだ……ぜ!!」


木刀、レーヴァテインを包む炎が爆発的に大きくなる。


炎は二人を飲み込むように広がっていき、視界を赤く埋め尽くした。


ちょっ、何考えてんだこのギルドマスター!?



「わわっ、やりすぎですよマスター!!」


遠くで焦った声を上げるミーナさん。

屋外ならともかく、室内でコレは無いだろう。

それに、初心者相手にやりすぎではなかろうか。



「この程度の炎、通用しませんよ?」


爆発のせいで大きく飛ばされてしまったが、私は全くの無傷だった。


被害と言えるようなものは、多少ローブが炙られた程度だ。




「手加減したとはいえ、まさか無傷とはな……

何をした?」


「言ったでしょう、私は奇術師だと!」


実際には、あの木刀から炎が吹き出した時点で、水属性の障壁を展開していただけだ。



「それにしても、凄い熱量ですね。」


たった1回斬り合っただけだと言うのに、仕込み刀が熱で変形してしまっている。



「ははっ、悪ぃな刀ダメにしちまって」


悪びれもなく木刀を担いでケタケタ笑うギルドマスター。


木刀を担いだ肩から煙が出ているが、黙っておこう。



「って、あっちぃ!?

肩が焦げるっ!!」


アホですね。



「今度はこちらから行きます

重力砲(グラビティー・カノン)”」


重力を操る能力を使い、重力を圧縮した弾丸を撃ちだす。




「面白そうなもん使うじゃねぇか、よっしゃ来い!!」


空間を歪ませながら放たれたそれは、見事にマスターに当たった。


てゆうか、マスター、わざと当たったね?



ギュギュギュギュグオオォォォォォッ!!



およそこの世のものとは思えない、何とも言えない効果音が辺りに響く。



「うおっ、なんだコレ!

ヤベェ、リアルにヤビャルファッ!?」


超重力フィールドに取り込まれたマスターがビチャッってなった。


やば、殺しちゃった?

アレの加減わかんないからなぁ……

まぁ、あのマスターの事だ、多分平気だろう。



「え、あ……

マス……ター?」


ミーナさんはと言うと、かなり混乱した様子だ。

目の前で人がビチャッってなったら、誰だってそうなるか。



と言っても既にコチラからは何事も無かったかのようにミーナさんの後ろで欠伸してるマスターの姿が見えている。


志村~!うしろ、うしろ~!



「ふぅ、マジに死ぬかと思ったぜ……」


「ひひゃっ!?」


何食わぬ顔で背後に佇んでいたマスターに驚くミーナさん。




「初めて見る魔法だったから試しに食らってみたが、予想以上にヤバかったわ

マジ死ぬかと思ったわ」


ちょ、何この人。

頭おかしいわ。



「オーケーオーケー。

試験終了だ。


てゆうか俺が疲れた。」


「お、おう」


なんつう理由だ。

いろいろテキトー過ぎんだろ、やっぱ頭おかしいわ。



「リゼルヴァ・フォン・サダルスード・ベーレンアウスレーゼ。

お前にランクSの称号を与える。

二つ名は……、そうだな〈正体不明の奇術師〉とかどうだ?


お前、普段はその格好なんだろ?」


その格好ってのは、フード付きローブの事か?

確かに認識阻害も付いてるから、あながち正体不明って表現も間違っちゃいないな。



「それでかまいません」


「よーし、ミーナくん残りの手続きよろしくぅ。

俺はこの後会議(と言う名目のサボり)だから。」


「ふえっ?

あっ、はい。」


「……、えっ、マジでこれで終わり?」


「じゃ、後はテキトーに頑張ってくれよ~」


マスターはヒラヒラと手を振ると、転移魔法でどこかへ消えた。



こうして私は、よく分からないけど、ランクSの〈正体不明の奇術師〉の名を襲名した。








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