クリスティナ・アミュレス
どうも、俺です。
あ、自己紹介してなかったっすね。
でもまぁ、俺転生しちまって名前変わったから、旧名は教えなくて良いよね?
はい。
俺、もとい私の名前はクリスティナ・アミュレスと言いますです。
はい。
私、何故か女になりました。
しかもアレです。
「クリスちゃ~ん、おっぱいの時間ですよ~」
「あ~う~」
今、赤ちゃんです。
なぜこうなった!!
まさにその一言に尽きる。
“あぁ、それはですね…”
突然、頭の中に声が響いた。
何事っ!?
“落ち着いてください。
私です。”
ああ、姫鏡さんか。
“はい、私です。
姫鏡です。”
とりあえず、説明お願いします。
“実はですね、あなたに言われた能力を全て付加しようとしたらですね、身体を再構築しないといけなくなったんです。”
だから赤ちゃんから、と?
“はい。
それで、性別の件ですが、こちらで何の指定もしていなかったので、完全にランダムで、結果、女の子になってしまいました。”
ちょ、やり直しとか…
“出来ません。”
ですよね~……
“度々すいません。こちらの不手際で……”
あぁ、いいよ。
気にしてないからさ。
こういうのも楽しいじゃない。
“そう言ってもらえると助かります。”
むしろこっちがお礼を言いたいくらいなんだから、
姫鏡さんは何も気に病まなくて大丈夫ですよ。
“はい、ありがとうございます。
では、私は歪みの調整があるのでこの辺で。
あ、ちなみにこの念話はこちらからの一方的なものなので、
そちらからはこちらに念話する事はできません。”
そっか。
いつでも話せる訳じゃないんだ。
“あまり神が一人の人間に干渉するのは良いことではないので……”
ん。
じゃあまた、機会があったら。
“はい。
ではまた……”
その後、姫鏡さんの声は聞こえなくなった。
“あぁ、忘れていました。”
ビビクゥッ!!っとなる私。
先ほど感動的な(?)別れをしたと言うのに、
3分もしないうちに、再び姫鏡さんから一方的念話が脳内に響いた。
眠気でうつらうつらとしていた所だったので尚更ビックリしてしまった。
コレが普通の赤ん坊なら号泣待ったなしに違いない。
現に私もちょっと涙目である。
“あなたに宿した力の注意点をまだ話していませんでした。”
唐突にそう告げる姫鏡さん。
“あなたに与えた力は、本来ならばあり得ない力、だということはわかりますか?”
そりゃあ、ね。
基礎知識はともかくとして、人が持てる限界の魔力は幾年も修行を続けても辿り着けるかどうかと言う領域であるし、
全属性の適正なんてそれこそ英雄譚とか伝説の域だろう。
勇者や救世主といった選ばれし者に限られるようなスキルだろう。
そんな伝承の人物は皆、人外の域に達した人をほとんど辞めたような方々だ。
高い身体能力も本来なら日々の積み重ねの研鑽の結果に得られるものだ。
寿命以外では死なない肉体なんてほぼ人間を辞めているに等しい。
武器を創造する、なんて力も本来なら有り得ない。
ある種の神の領域の力だ。
重力を自在に操る能力も有り得ない力の1つだろう。
重力に関する力を使える人間は居たとしても、自在にとなると完全に別物の、ある種の神の力に等しい。
姫鏡さんの加護はまぁ、姫鏡さんの口ぶりからして持っている者はほとんど居ないだろう。
“今のあなたにそれを全部詰め込んだ場合、
いかに再構築された身体とはいえ、何かしらの悪影響が出てきます。”
まぁ、理屈的にはそうでしょうね。
赤ん坊の身体に人外に限りなく近い力を宿せばどうなるか・・・・・・・・・
想像に容易い。
例えば、まだ脳も身体も未発達なので、力の制御も出来ないだろう。
そして、その力に肉体は耐え切れないだろう。
如何に死なないとは言っても、ただ死なないだけなので怪我するだろう。
たぶん、再生もしない。
回復魔法も限界はあるし、結局は自己の自然治癒力の範囲でしか回復は見込めない。
“ですから、あなたの力は段階的に目醒めるようにしてあります。”
なるほど。
それで?
全ての力が完全に使いこなせるようになるには、どのくらい期間が必要なんですか?
“ざっと15年くらいでしょうか。
ですが、全ての力が完全に使えなくとも、あなたの力は強大です。
安心してください。
それに私の加護もありますしね?”
ん。
それなら心配ないね。
“では、今度こそお別れです。”
そう言われ、一方的に念話が切られた。
あぁ、せめてどの能力がどのくらいに目醒めるのかとか聞いておけば良かった……
んん?
ああ、貰った知識の中にそれに関するものもあった。
あ、知識はもうあるんだね。
いやまぁ、知識くらいは最初からあったほうが良いんだけどね。
とか何とかやっている間に、ご飯の時間が終わった。
ふぅ、全く、何という羞恥プレイなんだ。
しかも母親はスゴく若くて綺麗だ。
ヒロイン並のかわいさだ。
まぁ、父親も父親でイケメンなんだが……
くっ、リア充爆発しろ!!と言うのに言えないっ!!
正直、既に心が折れそうです。
だって、私はほんの少し前まで思春期真っ盛りの健全な男子高校生だったんですよ!?
それが一転、赤ちゃん(女の子)になって、ヒロイン級の若くて美人で可愛い女性から授乳されるなんて・・・・・・・・・
でもこの人は私の第3のお母さんでもある訳だ(第2のお母さんは姫鏡さん)。
なまじ前世の記憶を引き継いでいる上に、すでに意識や思考も出来る状態なので、色々とやましいことを想像してしまう。
でもやっぱり相手は母親。
背徳感やらなんやらで押しつぶされそう。
役得だとかそんなチャチな優越感?何てものはとっくに消え去りましたよ、ええ。
今の私は無我の境地を会得し、賢者の域に達しています。
煩悩?何それ美味しいの?状態です。
自我の崩壊とも言います まる
いやぁー、ホント今日も青空がキレイですねーーー!!