第一話:コマーシャル
終わら〜ない夏君が変わった〜♪
小学校後学年の自分はその歌を歌ってるグループが出てるCMに夢中だった。たった1分のCMだけなのに
「カッコイイー」。そう思った。歌のリズムに合わせて軽快に飛んだり跳ねたり、バク転をしたり、クルッと回った時なんかは汗がとびちり見てて凄く興奮しドキドキしたのを覚えてる。小学生ながら凄く影響された。そのCMが流れればアイドルグループの真似をしてテレビの前で見よう見まねで踊っていた。そのCMがキッカケで自分はダンスに凄く興味を持ち始めた。
小さい頃から習い事をいくつかしていたので、もちろん母にたのみ
「おかんダンス習わしてや」とたのんだが、その声は母に届かなかった。ソロバンや習字にピアノなんかは行ってたのにどうしてダンスは習いにいっちゃ駄目のなのか自分には全く理解不能だった。
しかし3ヶ月の粘りの末に母が探してくれたダンススクールに前から
「俺もやってみたい」と言ってた親戚のマー君とゆう一つ下の男の子と通う事になった....前日の夜は小学生の自分にはちょっとした未知の世界のようでドキドキしていた。『どんな人がおるんかな〜』『先生怖かったらどうしよ』『どんな事教えてくれるんやろか』とかで、とにかく寝れなかった。
そして次の日いよいよ初スクール!っていっても一日目は見学やけど、ビルの階段を上がって行くと《ドンドン♪♪》ってカッコよさげなビート音が聞こえてくる。
緊張して中に入ると30人くらいの生徒と3人の先生がいたが、明らかに部屋の小ささと生徒の多さがあっていない気がした。もし2人以上同時にお腹痛くなった時に自分も痛くなったらみんなどうするやろってせんでもいい心配を勝手にしていた。