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ゆやの物語  作者: ゆや
12/20

想い×指輪=鎖鎖鎖鎖鎖鎖

暴力系ヤンデレ×普通少女

ベタな幼馴染ネタです

付き合いは幼稚園の時からだった。

アイツはいつも私の傍にいた。私の傍を離れようとしなかった。私が他の子達と遊ぼうとすれば、アイツはなんでもない顔をして暴力をふるった。

残酷までに綺麗な笑顔を保ちながら、私以外の子達をイジメ倒す彼は、誰の眼から見ても異常だった。

それは、中学の時まで続いた。

彼は相も変わらず私を縛り続けた。まるで「自分のモノだ」と言わんばかりに、彼は私と誰かが話す事を決して許しはしなかった。それは、私の親にまで及んだ。

「ねぇ、千佳(チカ)。今日は誰と話したの?」

まだ幼さの残る笑顔で、彼はそう問いかけてきた。これが日常の一部だった。それに対して、私はいつも「(リン)だけ」と答えた。彼はそれだけの答えでいつも満足した。それがある日を境に、彼は私の前でも怖い人となった。

ただ呼び止められたたけだ。それも相手は、老人で道を尋ねられただけ。たったそれだけの事で、凛は私に暴力をふるった。

頬を()(ぱた)かれ、首を絞められた。

「千佳は俺のものだ!!誰にも渡さない!なのに、なんで千佳は俺以外の奴と言葉を交わす!俺だけで充分じゃないか!!俺以外をその目に入れるな!!!」

グググッと喉を圧迫する指に引っ掻き傷を作っても、凛の力は緩まない。気が遠くなって、意識を手放そうとした時、凛は言った。

「俺達、ずっと一緒だ」

次に目が覚めた時、フカフカのベッドの上に凛と一緒に寝転がっていた。いつ着替えさせたのか、私は白いワンピースを着せられていた。

以前、凛が言っていた。私は白でなければいけないのだと。それがどういう意味を伴うのかは、怖くて聞けずにいた。今なら、なんとなくわかる。凛の言う、“白”は私なんだ。






「凛」

「…千佳」

ゆっくりと瞼を上げる凛は、まるでドラマのワンシーンのようだ。

美しすぎる奴の頭を撫でてやると、凛は幸せそうに笑う。

「千佳、俺には千佳だけだ。千佳だけ居ればいい。俺から離れるんなら、もう俺から逃げられないように鎖で繋ぐ」

私の胸元に顔を寄せ、甘えるようにスリスリと頬擦りする凛に何故か抵抗感はなかった。もう、脳は凛を受け入れているのかもしれない。心がどう感じようと、脳は諦める事を選んだのだろうか。

そう思いながら、私は相も変わらず凛の頭を撫で続ける。

「私には凛だけじゃないよ」

ギリギリと私を抱き締める力が強くなる。背中が痛い。

「子供は邪魔だから、いらないって思ってた。けど、千佳と俺を繋ぐ“鎖”になるなら、それも考えても良い。でも、勘違いするなよ。子供は“人質”だ。千佳が俺から逃げないための“道具”でしかない」

「…っ凛は、それでいいの…?」

「俺は、千佳だけ傍に居てくれればいい。他に何も望まない」

狂っている。

これが、一途なのだと言うのなら、私は違うと判断する。

「執着と愛は違う…ッ!」

「なんでもいいよ。千佳が居れば、俺はそれだけで幸せだから」

「私の気持ちも考えて!」

「考えて、それで千佳は俺の傍に居てくれるわけ?そんなのただの綺麗事でしかない」

私の上に跨った凛は、酷く冷めた目で見降ろしてきた。

「千佳、俺のこの気持ちが執着と言うのなら、多分それは間違えていない。けれど、俺は純粋に小さい時から千佳しか見えていなかった。大好きだった。千佳に見てもらおうと努力もした。千佳の事が知りたくて、千佳を見ていたくて、千佳と一緒に居たくて、触れ合いたくて、繋がっていたくて、キスも、セックスも、千佳相手だと我慢できなくなる。俺は千佳を心の底から愛してる」

その瞬間、白いワンピースは破かれた。

無理矢理体を開かれ、欲望のままに抱かれ、食い尽くされるようなキスを一身に受け止め、一晩中私を離してはくれなかった。






「千佳、ずっと一緒だよ」

抜け出す事のできない迷路に迷い込んだような錯覚を感じ、私は諦めるしかなかったのだろうか。

「………うん」

左手に填められた、ルビーの指輪はまるで、凛の想いのように重たく感じ、“鎖”のようだった。


千佳(ちか)

普通の一般的な女子高校生。

親は一般人のためか、凛に恐怖心を抱いている。


(りん)

千佳が、凛の世界の中心。

実の親にでさえ、畏怖の念を抱かれている。

でも、千佳が居ればどうでもいい。だって千佳が凛の世界を構成しているから。



続かない

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